2020年01月28日

●第14回

でみる。自分が理解しにくい項目がいっぱいあり過ぎて分からなければ、その優先順序をつける手段として、私のサイトの「続和文解釈入門」、「和文露訳指南」、「和文露訳要覧」出題の日本語を読んでみる。語彙はともかく、どの体を使うのか分からなければ、回答に書いてある体の用法を見(もし書いていなければ、私宛にサイトから投稿いただければ当該項目番号をお知らせする)、本書の目次を利用して、当該項目を再読するという方法である。数えたことはないが、本書には500以上の例文が載っているはずなので、自分がその和訳を見て露訳できなかったものを1日一つ暗記するというのを並行してやるのも、いろいろな分野の語彙を増やす上で有効だと思うし、「和文露訳要覧」の出題に対して回答する(実際に投稿するかどうかは別にして)というのも役に立つと思う。本書の目次が体の使い分けそのものなので、目次にざっと目を通しておけば、またその項目に戻って理解を深めればよい。第1章に書かれている動詞の体の本質と実際の個々の項目にある用例の間を往復して理解することにより、実際の体の運用について奥義に至ることができると確信している。
動詞の体の用法というのは、本質は一つでも、登頂するのにはいくつかの登山ルートがあるようなものである。頂上を目指さなくても途中の景色はそれなりに美しい。肩から力を抜いて、時制など各章や240ほどの構文を一つずつクリアするとか、その順番はバラバラでも、ゲーム感覚で取り組むというのも一つの考え方だと思う。そうすれば、楽しむロシア語、謎ときロシア語の世界が目の前に開けて来る。ロシア語上達のコツは、どんなことでもいいので、ロシア語に関する疑問を見つけ、それの回答を得ようと努力することである。答えを見つけるのはインターネットの発達した現在比較的簡単だし、私に聞いて下さればお手伝いしてもよい。難しいのは疑問を抱くということであり、почемучка(常に何事にも疑問を抱く人)になることを恐れる人は何事も上達しない。

<体の使い分けの簡単な目安16ヶ条>

 完了体は完了(完遂)を、不完了体は反復を意味すると覚えるだけでは、ロシア語会話をする上で体の使い分けはできない。また本書を一読しただけで、体の使い分けができるようになるとはとても思えない。体の使い分けは実戦を通じて会得してゆくものである。体の用法に例外はないが、例外的に思えるものはとりあえず個別に対処すればよい。そこで便宜的に、読者のために簡便な体の使い分けについて先に書いておく。通訳しているときには、1秒の何分の一かで単語を決めなければならず、概ねどのような体を選ぶか、体が覚えるまでにはこのような使い分けを覚えておくのも無駄ではないだろう。概ねということで、細かく言えば、例外のように思えるものも出てくることもある。とりあえず、最初の6ヶ条を覚えるだけでだいぶ違うだろう。その後で、残りの10ヶ条を覚えるとよい。そのうちに、なぜそうなるのか疑問が湧くようになれば、それは上達の証であり、そのときは本書の該当項目をもっと詳しく読めばよい。例文やもっと詳しい説明も載っている。

1. 過去や未来の時制で1回の具体的動作の完遂なら完了体を用い、それが現在の時制なら不完了体現在形を用いる。それ以外の動作(状態、過程、性質、規則的反復)は不完了体を用いる。
2. 完了体は過程を示せず、不完了体が過程を表す。
3. 過去を示す状況語(1年前、1965年、昨日など)があれば、完了体動詞過去形を使う。これは点過去で、2-2-1項参照。
4. 動作の否定、禁止や不必要には不完了体を用いる。動作の否定は2-1-2-2項や3-1-8項を、禁止については3-2-3項、5-1-4項、6-1-5項を、不必要は5-1-4 および6-1-2項を参照。
5. 現在の時制の不可能には完了体未来形の否定を用いる。3-2-2項参照。
6. 規則的な反復や、多くの回数というニュアンスがあれば、不完了体を過去・現在・未来の時制、不定法で使うが、例外は動作の一括化(2-

Posted by SATOH at 2020年01月28日 10:02
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