2020年02月04日

●第171回

(熱があれば往診してもらいなさい)При температуре вызывайте врача на дом.
(インフルエンザの兆候が出たらすぐ、医者にかかりなさい)При первых признаках гриппа обращайтесь к врачу.

 ところが、例外的に、諺、格言のほかに、具体的動作を指示する掲示、注意書、取扱説明書(マニュアル)などで、例外事項や禁止事項に関わるような、偶発的(散発的)な動作(ある条件がそろえば起こるが、そろわなければ起こらないような動作)を表現するために、完了体動詞命令形が用いられることがある。その場合でも完了体の順次的用法(従属節と主文の間の)と併用されることはない。順次的用法というのは動作が次々と起こるわけで、動作が起こるかどうかは条件次第という例示的反復(例示的用法)とは普通は相容れない。

(痛くなったらこの薬を飲んでください)Если будет болеть, примите это лекарство. <痛くなったらという状況の下では必ず薬を飲むが、痛くなければ飲まなくてよいと考えると、完了体動詞命令形の例示的用法が出てくることになる>
(保証書への不正確な、ないしは不十分な記載の場合は、ただちに販売店にお問い合わせください)В случае неправильного или неполного заполнения гарантийной книжки немедленно обратитесь к продавцу.
(必要なら4時間の間隔をあけてもう一度注射をして下さい)При необходимости инъекцию повторите с интервалом в 4 часа.

5-2-3 丁寧な依頼 → 完了体動詞未来形の否定疑問形

 命令形ではないが、完了体動詞未来形2人称の否定疑問形を用いて丁寧な依頼を示すことができる。完了体動詞未来形の不可能の用法から潜在的可能性へ、さらに丁寧な依頼へと派生していった用法である。不可能を疑問形にすること(~できませんか)で、丁寧さという主観的なニュアンスを生み出しており、動詞が文の焦点となっているので、完了体が用いられていて、これは日本語と似た発想である。

「トイレはどこか教えていただけませんか?」- Вы не скажете, где туалет? <= Не можете ли вы сказать, где туалет?>
「あいにくですが、申し上げられないのです」– Нет, к сожалению, не скажу. <= Нет, к сожалению, не могу сказать.>
(恐れ入りますが、少しずれていただけないでしょうか?)Простите, вы не подвинетесь немного?
(お電話お借りできませんでしょうか?)Вы не разрешите позвонить от вас?
(お力をお借りできませんでしょうか?)Вы не поможете мне?
(恐れ入りますが、ほらそこの人形を見せていただけないでしょうか?)Будьте любезны, вы не покажете мне вон ту куклу?

 下記のように、подскажетеの代わりに、同じ意味で完了体動詞命令形подскажитеの否定も最近口語では聞くようになってきた。

(ロシア人墓地はこの辺のどこにあるか教えていただけませんか?)Вы не подскажите, где здесь русские могилы?

5-2-4 警告・危惧(うっかり~しないで) → 否定詞 + 完了体動詞命令形

 完了体には「何かあれば~する」という例示的ニュアンスがあり、そこから可能性に発展し、неとともに完了体動詞未来形では不可能を示す事

Posted by SATOH at 2020年02月04日 11:41
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