2020年03月13日

●第175回

(ほら彼は突然私に向かって叫んだ)И вот он возьми да и накричи на меня.

5-2-9 間接話法

 命令法と間接話法の組み合わせの例を挙げる。

(御心配なさらないように言って下さい)Скажите, чтобы они не беспокоились.
(ここに来るように彼に言え)Скажи ему, пусть придёт сюда.

5-2-10 完了体動詞未来形による命令法

 二人称の完了体未来形が実質的な命令の意味になることがある。日本語の「~することになっている」に近い表現法であり、命令が確実に遂行されるという確信がある場合に用いられる。

(クワスを僕に持って来てくれるね)И квас мне принесёшь.

第6章 不定法

不定法を時制で考えると、文自体の時制を担うのは述部であって、不定形ではない。不完了体は規則的反復や習慣、状態などの述部と同じ時制を示し、完了体は具体的な1回の行為として「これから~する」という未来のニュアンスがある。不定法の目的の用法は1回の具体的な行為であれば、完了体を用いるので未来を示すが、規則的反復や習慣、状態や動作の期間を示す場合は、不完了体命令形の場合のように、その文脈における近接未来(発話時点のすぐ後に続くか、発話時点と融合した未来)以降を扱う。つまり体の使い分けにおいては命令法に近い。
英語にあるような過去時制の「~したことto have done」とはロシア語の不定法では使えず、то, что я сделал (делал)と節にするか、сделанноеと被動形動詞過去形を使うしかない。

(このテキストを読むのは我々には簡単だった)Нам было легко читать этот текст. <この意味では対応する完了体がないのでчитатьと不完了体不定形が来ている>
(学生にとってその講義を聴講するのは興味深いよ)Студентам будет интересно слушать лекцию.
(ニコライ、明日電話をくれ。会って話をしないと)Николай, позвони мне завтра. Надо будет встретиться, поговорить. <будетがないと、今すぐというような近接未来となる>

ビジネスの交渉、特にクレーム(賠償請求)や、プレゼンのとき、政治家の発言など通訳する場合のように、肯定的なことをいうときには1人称複数を用い、否定的な時には1人称は避けるという、責任回避を考えるときには不定法を使ったほうがよいと思われる。
不定法における完了体と不完了体の使い分けは難しいので、その目安

Posted by SATOH at 22:49 | Comments [0]