めるのロシア日記 調子悪くてあたりまえ

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2008年5月7日(水) ヘッドハンティング?

「あのさ、アリちゃん、大学で教えたい?」
「絶対いや。」
「ヤッパリ。」

オッサンは今、同業他社から引き抜きに遭っています。

ちょうど私が帰省するときも別のトコから声がかかっていて、
船が出て携帯の電波が届かなくなるまでその話をしていました。

そこからは何年も前から、何回も声がかかったけどずっと断り続けていたから、
さすがに今回断ったら気分を害するだろう、きっともう、つながりもなくなる。
だけどそこには最新の装置があるから自分としてはチョト勿体無い・・・・
ドウシヨウ〜、ドウシヨウ〜、
というようなコトを延々訴えていました。

日本に帰ってから、あれどないなったん?と聞いたところ、

「結局断っちゃッタ。デモ、そんなら週2回でいいカラむこうの仕事終わったあと
アルバイトに来てくれマセンカ?どしても来て欲シイって頼まれて、仕方ないカラ行ってる。」
「はっはっは、アカデミヤもプライドどこやないな、拝み倒して現金稼がんと。」
「そうらしーデスネー」

なんしかロシアは今、専門家が足りません。
この事はしょっちゅうニュースにもなりますが、全ての分野で専門家が足りないんです。
経済、土木、建築、水産、資源、流通、情報、金融、通信、交通、販売、医療、・・・・・・・
経済が急激に発展しても人材は急に育ちませんからどこも困ってるんです。
それで、ウチでは生ゴミのこんなおじチャンにも、
あちこちからきてくれーきてくれーと声がかかるワケなんですねえ。

しかし高級なレストランで密会する、
ヘッドハンティングみたいなのを想像するのは間違いです。
問題は、『声はかかるが金は出さん』 ってことなんですよッ。
金だしゃどこでも行きますって!!
行かせますとも!

ウラのどこに新しい設備が入っても、まず最初おじチャンに声がかかります。
そんでも報酬が同じなら何か特別な魅力がなければゆるゆるの今の職場から離れられませんて〜。
というワケで新卒で入ってずっとそのまま。
転職を繰り返してステップアップしていくロシアでは化石のような存在かもしれません。

ところで。

そんな化石の女房は日本人、
とギョーカイ内では知られています。

今回お声がかかっているトコロのボスは、  ←G.B.ボリスヴィチ。
施設長であり政治家であり大学教授でもあるため、
「君の奥方がウラジオの大学で日本語の先生をしたかったら、私はその手助けをできるがどうかね?」
というご提案。

「ボリスヴィチは得意そうにワタシに言いマシター。」
「ほう。金のかからんいいアイデア。」
「彼はケチでズルいもん。ワタシはセンセイのお給料知ってるカラ、ジョーダンじゃない、とコッソリ笑っちゃッタ。
 大学で教えるくらいなら無職のほうがいいもん!!」


ま、ボリスヴィチ、奥方も同意見なんでこの話は両方なかったことでよろしく。


※ロシアに告ぐ※
 現地採用で教えている日本語教師の先生方は、
 本物のボランティア精神を持った素晴らしい日本人なので
 ロシアの学校はもっともっと感謝して下さい。
 (感謝は態度で示そうよ、お給料5倍にしてやって)

2008年5月20日(火) 問題な日本

半年も日本にいたのに、こんな帰る寸前になってやっと美容院に行きましたよ。

もちろん前回の帰省で行ったキリ。
オカーサンが仕事を辞めてしまってから、  ←オカーサンは美容院のディレクトルだった
新しい店を決めるのがメンドクサくて、
浦で美容院に行く事はなくなってしまいました。

ま〜、いっつもひっつめているからどんなヘアスタイルでもカンケーねぇ!ワケですが、
やはりひっつめ易いスタイルというのがあるわけで・・・・・ぢゃなくてぇぇ!!
イマドキの女子ですからそれなりにしなければなりません。

それで、知り合いのおばちゃんがやっている近所の美容院へ行ったんです。 (イマドキでない選択)

ちょうど前のお客さんが終わるところだったんですけど、
シャンプー台のそのお客さん、ウチのとなりの中おばちゃんでした。(ひぇー)

ついでですが、
なんで中おばちゃんなのかというと、
そこんちは3世帯同居で上から順に
大おばちゃん(決してバアチャンではない)
中おばちゃん、
若おばちゃん(決してオネエチャンではない)
と呼ばれているのです。

ちなみに若おばちゃんは若干20歳の大学生デキ婚。

おとこ連中は、
上から大旦さん、中旦さん、若旦さんとなっております。

で、中おばちゃんは幼稚園の保母さんなんですけど、
美容院の先生と話していることには、
何人かのコドモの親が保育料を払わなくて困っているというんですねえ、
しかも車のローンと携帯電話の支払いで金がない、って言ってくるから呆れてしもて、と
かなりお怒りのご様子。

すると先生が、
「そういえば、ウチのお客さんで小学校の先生がいてはるんやけど、
給食費を払わない親がいて困る、ってぼやいてはったわ。
そんで家まで集金に行ってみると、立派な家でピカピカの車が2台もあっておっきいきれいな犬がおって
ローンきつきつで払えません、ってぬけぬけと言うそうや。車売らんか!と頭にきたいうて・・・
まひとつ、びっくりするんは、そういう親、そこんちだけやないんやて。」
「ひゃ〜〜そらかなんなー」

ひぇ〜〜、そらホンマにかなんな〜。

保育料を無事集金できますように!と心の中でエールを送りながら
中おばちゃんを見送りました。

私がやってもらっていると、
今度はウチの田舎町の基幹病院であるところの看護師さんと一緒になりました。

「初診の受付けやめはったんですてね」
「そうなんよ」
「まえ、予約制になったときもありゃりゃーと思いましたけど・・・」
「そ。センセは辞めはるばっかやし、次は来おへんし、しんどなるばっかやわ」
「大変ですねえ・・・。初診やめるんはまあ仕方ないと思います・・・」
「そう思う?ところが余計しんどいことになってんねん。」
「は?」
「予約無しだめ、初診だめになったらみんなどうすると思う?」
「えー・・・・と」
「救急車で駆け込むし、夜間救急へ殺到するんよ!」
「わ。」
「病院は自分で自分の首絞めてんねやわ・・・・・」
「ひえぇぇ」
「若い親とかなんしか無知ですぐ来るから、今度コドモの病気の対応なんかのセミナーやるんよ」
「あー、広報で見ました」
「小児科のセンセも減るばっかしやし・・・」
「ホンマ大変ですね」

どうかぶっ倒れないでオシゴトして下さいーと心の中でエールを送りながら
ショートカットの看護士さんを見送りました。

終わりがけ、今度は葬儀屋の営業さんが来ました。
首から写真付きのIDカードみたいの下げてますが、
営業しにきたわけやのうて、営業のおばちゃんがパーマかけにきたんです。

田上さんとこは月3000円の精花コース、
水元さんは5000円の昇星コース、とか個人情報ダダ漏れです。

急にこっちをむいて、
「あんたとこみな健康?」 と聞かれたので、キタキタと思い、
「ウチ3000円のコース入ってますよ〜。母は糖尿のケがありますけど」 と言ってしまったら、
「ええーそうなん。そりゃおおきに。でも糖尿なら水がええよ、水」
といってなにやらパック入りの水を出して水素がどうのこうのと説明が始まりました。

ヘタこいた・・・・
葬儀の営業のほうじゃなかったのね。(アワワ;;;;;)

それから延々、水素水?とルテインの説明を聞かされパンプレットもぎゅう詰めに持たされ
「ネエチャン賢いからインターネットとかしてるんやろ、 ←?
この水がどんなに素晴らしいか調べたらわかる。飲む気になったら電話してな」
と葬儀屋の名刺に携帯電話の番号を書いてくれました。

葬儀屋のおばちゃんに丁寧にお礼を言って、今度は私が先に店を出ました。

なんかなァ。
いろんな人がおるなァ。
いろんな事があるなァ。

美容院に行ったのにアタマのことはドーデモイー気分になりました。

で、肝心の仕上がりは?

うーん・・・・・・
やっぱりひっつめます。(問題はそこだ)

2008年5月23日(金) 旅の手引き・ルーシ号でウラジオストク・1日目

日本に帰ってきたら大雪で毎日雪かきしてたのが、
ロシアに帰る日はもう夏日の28度。

年々高くなる航空券に悲鳴をあげて、ここんとこずっと船で往復しています。

相変わらず徹夜で荷造りして、へとへとで港へGO。

ぐっさんと話に夢中になって高速の出口を通り過ぎてしまい、
料金所のおっちゃんを拝み倒してUターン、
かなり慌てて伏木港に滑り込みました。    
【手引き@伏木港まで】

☆  ☆  ☆  ☆  ☆

日本とウラジオストク間を定期就航している客船は『ルーシ号』です。



建造:1986年ポーランド
総トン:12,798t
全長:140m
速度:20ノット(max)←時速37.04kmです
乗客定員:380〜400名(なんで幅があるのか不明)
積載可能乗用車数:340台
乗務員:約140名
平成5年から日露間を定期就航

一応客船です。
ウラジオストクからお客を乗せて来て、日本からお客と中古車を乗せて帰ります。
お客もロシア人の中古車バイヤーがほとんどです。
ご存知の方も多いと思いますが、ロシアでは長年に渡って日本の中古車が大人気。
特に極東部の乗用車の9割は日本の中古車です。
ウラジオに陸揚げした後は、シベリア鉄道で各地へも運ばれますので全国的にもすごい数なんですね。
というわけで本来客船のルーシ号ですが、帰りは中古車のてんこ盛りでえらいことに。

船体にはロシア語で『Русь』、英語で『RUS』 と書いてあります。
ルーシとは、かなり乱暴にひとことで言えばロシアの古称です。

ルーシと書いてありますが・・・・近くでよぉ〜く見ると?
『Черненко・チェルネンコ』と書かれたのを塗りつぶしてあります。
そう、この船、元はチェルネンコという名前だったんですねえ。

チェルネンコって誰?

えっ、チェルネンコ、知らない?
ゴルバチョフの前の書記長ですやん!
72歳で書記長になって1年で死んじゃったので、知名度超低いです;;;;
Черненко Константин Устинович.

現在、日本とウラジオを結んでいる客船はこのルーシ号だけですが、以前はもっとありました。
私が知っているだけでもあと3隻ありましたね。

○ミハイル・ショロホフ号(ルーシと同じ12,798トン)
○アントニーナ・ネジダノワ号(4254トン定員80名)
○オリガ・サドスカヤ号

ショロホフは親方が外国に売っちゃいました。(サイナラー)
ネジダノワは2003年の10月、伏木港停泊中に台風23号に遭って破損沈没、
中国で解体されちゃいました。(サイナラー)
サドスカヤは、
・・・・そういえばサドスカヤはどこ行ったんだ?
逃亡ってことにしておきましょうか。(やっぱりサイナラー)

☆  ☆  ☆  ☆  ☆

以前は、予約も何もせず出航日にいきなり船に行き、
「予約ないんですけど乗れますか」と言って、
その場でチケットをドル払いしても確実に乗れたので ←ロシア人はこのように乗る
旅行社経由の円払いで買うか、直接船でドルで買うか、
手持ちの貨幣と為替レートの具合で決めていたのですが、
最近は船で直接買うと通常より高い値段を言われるようになったので、円で買って乗るようになりました。

今回、ちょうど円高に当たってドル払いが6000円程度得になる計算だったので
ロシアのオフィスに電話して、
「ロシアのオフィスでドルで前払い、日本から乗るのはどうか?」 ときいたところ、
「日本の代表者に相談してください、S谷さんです、携帯番号はうんぬん・・・」 と言われました。

S谷さん?
S谷さんはFKKの代表者じゃなかったっけ? (ありゃーー;;;;)

という訳で、ケチなもくろみは外れ、円払いで買いました。 
【手引きA乗船券の購入】

☆  ☆  ☆  ☆  ☆

いつもオフシーズンといえる時期にロシアと日本を行き来するので、
船に乗る日本人は私一人か、多くて3、4人だったのが
今回はバイク横断やシベリア鉄道に乗る方々、
それとは別にハピーでピースな感じの方々がたくさん乗船する模様。
ギターケースなどが見えるので音楽関係の方々のようです。

後でググってみたら、
『シベリア鉄道レインボープロジェクト2008』という方々でした。
さっきウラジオの現地放送局で、この方々が演奏している映像が流れていました。

ロシア人じゃない外国人も結構いて、
世間は旅行に良い時期なのだなァ、などと思いながら
ベルクロでバリッと繋いだ4個の荷物を引きずり、 ←アメリカ人のおばちゃんにグッアイディア!とか言われる
港湾管理のゲートでいつものおっちゃんにパスポートを提示。

「また行くのかあんたー。」
「また行ってきます。」
「気ぃつけてなー、はい、いってらっしゃい」

船に上がるにはこのタラップをよいしょよいしょと。

タラップ下に荷物をまとめ、1個1個上げるんですが
スーツケースは1個30kg近い重さ。
そこでまず何をするかというと、
手袋をします。

ゴム引きの黒いぴったりした手袋をします。(かなり怪しい!!)
周りのロシア人がナニゴトかとジロジロ眺めますが
これをすると持ち手が滑らないのできっちり力が入るんですねえ〜。


それで一個目をガアァッと持ち上げたら、
「ハイ、ハイ、ハイ、ワタシのこれ持って下さいマセンカ、それ持って行きますよ、ハイハイ。」
と流暢な日本語で後ろから現れたのは、お国の衣装をまとったパキスタンのおじちゃん。
アタマにちょこんと帽子も乗っててナイス♪
私の30kgのスーツケースを軽々と持ち上げ、カンカンカンと階段を上っていっちゃいました。
ありがとう〜〜おじちゃん〜〜〜
涙、涙です。

パキスタン人は日本の中古車輸出業者の半分を占めているんですよ〜
だからこの辺りのパキスタン濃度は非常に高いです。
モスクもあるんです。

パキスタン語でありがとうってなんていうのかな〜
日本語完璧なんだからありがとうでいいのか、
などと余計な事を考えながら階段途中でまた降りていくと、
残りの3個もロシア人のおじちゃんが「ダワイ!」と言って上げてくれました。
みんなありがとう〜〜!
スパシーバ、スパシーバ!!

・・・・・と、いつもこんな具合で手袋をきゅっとして“やる気”を見せると誰かが上げてくれます。
オホホホ〜〜   
【旅の手引きB持込荷物】

☆  ☆  ☆  ☆  ☆

船に上がると、すぐ右側に折畳テーブルが出してあり港湾のおじちゃんが座っています。
そのむこう、右側にフロント(インフォメーションデスク)があり、
そこでチケットとパスポートを出して、部屋に案内してもらいます。

日本からの乗船時は貨物の積込やいろんな人の出入りがあり乗務員は忙しいので、
フロントの前に立ってもこっちから声をかけないと、まま、無視されます。
元気にズドラーストヴィチェ!!と声をかけてパスポートなど出しましょう。

船内の時間はすべてウラジオ時間になっています。
日本より、冬時間なら1時間、夏時間なら2時間進んでいます。

アナウンスで何時という時も、レストランに張り出してある食事の時間も
すべてウラジオ時間なのでご注意。
乗船したらすぐに、自分の時計をウラジオ時間に合わせると混乱しませんよ。

ルーシ号は年に1回、この時期に1ヶ月ほどリペアをするんですが、
今日はリペア後初の日本からの航海なんですね。
だからどっかがきれいになっているかなーと思い、
ぐるっと見渡してみたのですが何も変った様子はありませんでした。

船の部屋は上からカテゴリ1〜4まであって、
もちろん最安の4を買うんですけど、このカテゴリは基本4人部屋なんです。
ところが満室でない限り、1人旅の外国人は1人か、多くて2人で使うようにしてくれるので
シーズンでもまず2人、オフシーズンなら1人がほとんどです。

私はこの船に乗るのは、・・・・・・・えーと、何回目?
ちょっとパスポートをめくって・・・・・・
ひえええええー! 11回目!!  ←自分でも驚く。

しかし今まで1人でしか使ったことがありませんでした。 (うち1回は隔離病室)
今回はじめての2人使用。

最初1人だったんですよ。
でも組み合わせていくと、アメリカ人の女性が日本人と一緒になるので
それならアメリカ人1人にして日本人2人にしようということで
部屋を替わってくれないか、と乗務員が二人がかりで言いに来たのです。

「いいですよー」
「あら、わかったみたい。ロシア語、少し(ココポイント)わかるのね?」
「少しわかるんだけど話せる言葉は3つだけなんです。」
「何なの?」 ←クスクス笑っている
「ズドラーストヴィチェ、スパシーバ。イ、ヴラジーミル・ヴラジミローヴィチ。」 ←プーチンだ
「はっはっはーー」 ←2人のオネエチャン大笑い。

廊下を、デカイ声で笑いながら3人で私の大荷物を次の部屋に運んで無事引越し終了。

船のアナウンスが「昼食の準備ができました、レストランにどうぞ」と言っています。

この乗船日のお昼ご飯は、乗船が間に合ったら食べて良いので、
食べたかったら遠慮なくレストランに行ってください。
時々、見送りにきた人も一緒に食べてます。 ←ウチのぐっさんとか。
別に文句言われません。

私はお腹がすいていなかったので見送り。

☆  ☆  ☆  ☆  ☆

さて、船の部屋は何人で使ってもカギはひとつが決まりです。

ところが先客は自分も1人と思っているのでカギを持って外出中。
まさか後から誰か来るとは思ってないでしょう、そうですとも。
しばらく待ってみたのですが戻ってこないし、
どんな人かわからないから探しに行く事もできないので、仕方なくフロントに行きました。

「あら。」
「あの〜、部屋のカギ、一部屋に一つですよね」
「そうよ。もうひとり、帰ってきてない?」
「そうなんですよ。顔知らないし、部屋を出られないので困ってるんです」
「うーん・・・。いいわ、スペアキーあげるからちょっと待ってて」

といってスペアキーをくれました。

ラッキvv

これで船内自由に動けますvv 
オホホホホ〜〜

☆  ☆  ☆  ☆  ☆

しばらくすると「出国手続きをしますのでミュージックサロンに集まってください」という
アナウンスがありました。   
【旅の手引きC出国手続き】

伏木港の出国審査は船の中でするんです。
入管の係官が乗船してきて、ミュージックサロンというホールで手続きします。
手続き後パスポートは船預かりとなり、下船時まで返却されません。

手続きはとっても簡単、すぐ終わり。

あとは退屈な船の時間をどうやってやり過ごすかに神経を遣うだけ。

私の場合はほとんど船酔いで寝てばかりなので何も持ち込みません。
本など読んだら最初の半ページで吐き気をモヨオシます・・・・

まだ明るいので船が出るまでちょっと甲板をぶらぶらしてみましょうか。

 中古車様はまだ全員お船に乗っていませんね。

船の一番大事なお客様は中古車様です。
私は中古車が全部積み終わらなかったという理由で出航が一日遅れた経験があります。
つまり船で出航まで一日余計に過ごすハメに。

 フライング中古車様

甲板に乗せる分はこうやってクレーンで吊って運びますが、ぎりぎりの隙間なのに一発で正確に下ろすのはスゴイ。

 最近はバイクもいっぱい。

売るばかりじゃなく、ユーラシア横断バイカーの愛車も。

 バイクや最初に積み始める車はここから船内に。

 積む前の中はこのようになっております。

 スイミング中古車様。(プールです)

 WINCH ONLYを空けてキッチリ(左右はボート)

 一句ひねろう。「暑いなら脱がんでどうするロシア人」

☆  ☆  ☆  ☆  ☆

さて私は重い荷物を船医さんに渡すため医務室に行きました。

「こんにちはドクトル。あの〜これ、レーメズ部長から頼まれた荷物なんですが・・・・」
「あ、はい、聞いています。ありがとう」
「よろしくお願いします」

レーメズ部長ってだれ?

レーメズ部長は極東医療センターの救急医療部長で、
この船に交代で乗るいろいろなドクトルの中で一番偉い人です。

で、荷物の中身はオッサンの職場の冷却ファン、うちの車のタイロッド、カレールー、
ガム・デンタルリンス、カプサイシン育毛ジェット、メンズビオレ毛穴すっきりパック、
ルシード・皮脂クリアシャンプー、半袖のワイシャツと夏ずぼん、それから・・・・

それ、部長じゃなくてめるさんちの荷物では?

そのとおり。
荷物が多いので、知り合いの名前を使って船預かりにして、
通関が終わりフリーになったところで取りに行く算段。
乗務員の荷物は車を港内に乗り入れてタラップ下からすぐ積み込むことができるから
運ぶのラクちんなんですね〜。
しかも取りに行くのはレーメズのおっちゃんだし。
手間無し〜〜vv
オホホホホ〜〜

用事が済んだら気が抜けたのか徹夜が堪えたのか、
めちゃめちゃ眠くなって辛抱たまらず、寝床をこさえて滑り込みました。

船は寝たいときにいつでも寝れるからいいですね〜〜♪
まあ寝たくなくても、船酔いで寝てなくちゃならん人も多いですけど。

☆  ☆  ☆  ☆  ☆

夕ゴハンのアナウンスで目が覚めました。
ウラジオ時間の夜8時です。(日本時間6時)

もうそんな時間かー
船はもう出港していました。

同室の相棒は一度も帰ってきませんでした。
この船のどこにそんなに行く所があるのかな〜?

さてと。身支度してレストランに行くとしますか。
身支度というのはビーサン&ジャージの船内スタンダードファッション、
またの名を『中古車業者スタイル』に着替えるということです。

船に乗ってすぐスタンダードスタイルに着替えくつろいで、
出国手続きの時にはすでに、裸足、ビーサン、ジャージというのも素敵ですが、
あるとき手続きの列に並んでいて気づきました。

外国人旅行者やロシア人の女性は乗船した時の格好なのに、
自分はまわりのロシア人のおっちゃんと同じスタイルではないか。
・・・・うーむ。
あまりに慣れすぎてないか、自分。
これは美貌のやまとなでしこがやることではないな、
今度からは夕ゴハンの時まで着替えるのを待とう、と決めたのです。

普通は夕ゴハンの時にドレスアップするのでは?

何言ってんですか。
この船はクイーンエリザベスでも飛鳥でもなくてルーシなんですよ!! ←しかも元チェルネンコ
夕ゴハンはジャージでくつろぐのが正当です。

で、そのルーシのレストランですが、
勝手にずんずん入っていって好きなところに座ってはいけません。

入ってすぐのところで、レストランのマネジャーかウエイトレスさんに、
「こんばんは。私達は(もしくは「私は1人なのですが」)どこに座ったらいいですか?」
と声をかけて案内されたところがあなたの席です。

食事時のレストラン担当者は忙しいので、気後れしてぼんやり立っていると、まま、無視されます。
足早に通り過ぎるウエイトレスさんに「ドーブルィヴィーチェル!」または「イズヴィニーチェ」と
強引に話しかけて食事にありつきましょう。

案内されたその席がこれから下船まで自分の席となり、次の食事からは自分でそこに座ります。

しかしこのルールはあまり厳格ではないので、
レストランで知り合いを見つけたとか意気投合して一緒に食事したいと思えば、一声かけて移動して構いません。

だいたい外国人は外国人ばかり集められたテーブルになることが多いです。

私のテーブルには、まだ誰もいませんでした。



 サラダ(細切り野菜とハムのマヨ和えチーズがけ)

 チキンと野菜のスープ

 メイン、米とひき肉詰めのブリヌィ

 デザート エクレル(エクレア)と紅茶
(インスタントだけどコーヒーもある)

途中から、やすきよみたいな関西人のおっちゃん二人が向かいの席に案内されてきました。
完全に出来上がって酒臭いお二人。

「あー、あなた日本人でっか?夕飯前にカフェーでビール3本飲んでしもて〜、な、あれ、6本やったかいな?」

楽しそうですね〜

「ちゃうやろ、3本は自前で3本はウラジーミルが払ろたんやー」 

ツッコミになってまへんで〜

「あのウラジーミル君ってのは32歳やそうやで。」

だから誰?

「あっ、ネエチャン、ワンモワプリーズやー」

すると、ウエイトレスさんがビールを2本持ってきました。

「わっ。またビール持ってきよった、コップくれいうたのにー」

言うてへん、言うてへん。

ということでビールが2倍になってしまったので、「おねいさんもどうです?」と言われ
ありがたくご馳走になりました。

このやすきよのおっちゃんらはウラジオに上陸後、シベリア鉄道に乗ってモスクワまで行き、
そのあとヨーロッパへ入ってあとは予定なし期限なしの気楽な旅だそう。
うあ〜、お金と時間に余裕があるんですね、いいですね〜

お礼を言ってほろ酔い気分で部屋へ帰ると、同室の相方がお帰りでした。

こちらもまた、シベリア鉄道一人旅という奇特な、じゃなくて勇敢なやまとなでしこ。

なんで日本人の方々はこうもシベリア鉄道がお好きなんでしょう??

ウラジオでの両替や、ロシア語のあいさつなどをきかれたので偉そうに答え、
ルーシライフの説明も一通り、夜はバーやナイトクラブもオープンしてバンド演奏なんかもありますよ、
とお伝えしましたが私同様、前日かなり無理なスケジュールだったらしくお疲れ気味。

ナイトクラブに出向けば大モテ確実の我々であるがいたしかたあるまいの〜
二人で、「もう寝よっか」「そうですねー」といってシャワーを使い、はやばやと寝ることにしました。

それでは。
夜もこれからという時間ですが、みなさん、おやすみなさい。




◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆【旅の引き@:港まで車で行く場合】◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

船は富山県高岡市の伏木港から出航します。

埠頭付近は客船が出航するとは思えないような異様な雰囲気です。
ロシア人や色素濃い目の外国人怪しい日本人のおっちゃんがウロウロしていて
トラック、ワゴン車がばんばん出入りし、不思議な言語で突然怒鳴ったり、
じろじろ見られて旅の不安を煽るような勢いですが臆せずゴー。

公共交通機関利用の場合は経験者の方がインターネットにたくさん情報発信していますので
検索してみてください。

車で港まで行く場合は北陸自動車道の小杉インターで下ります。
下りてからはナビがあってもわかりにくいです、オロオロしたら遠慮なくその辺の人に聞きましょう。
2007年の1月以降、ルーシ号は広い万葉埠頭でなくて、左岸3号岸壁、
通称お台場と呼ばれる伏木港湾合同庁舎前の埠頭に着岸しています。
ぐっさんから聞いた話では、万葉埠頭は波が荒くて船体が岸壁に当たって傷つくので
こっちに変えてもらったというコトでした。
私にとってはメイワクですが伏木駅からはこっちのほうが近いので鉄道利用者にはお台場が便利。

社用車、自家用車が港内に入るには、港湾事務所で入港許可証をもらわなければなりません。
12:00−13:00は昼休みなのでその時間ははずしましょう。

お台場は狭いので中古車様の積み込みが始まると許可証があっても自家用車は入れません。
昼過ぎだとまず無理でしょう。
大荷物で船のタラップ下まで車を付けたい場合は早めに行きましょう。
ちなみに私はかなりの大荷物ですが間に合ったことがありません。
いつも敷地の外からヒイコラいって運びます。



◆◆◆◆◆◆◆◆◆【旅の手引きA:ルーシ号のスケジュールと乗船券購入】◆◆◆◆◆◆◆◆◆

現在、
毎月曜日22:00・ウラジオストク港出航---船中2泊---水曜朝に伏木港着。
毎金曜日18:00・伏木港出航---船中2泊---日曜朝にウラジオストク港着。
という、週1便の往復を繰り返しています。

毎年だいたい4月か5月あたりに1ヶ月ほど修理点検で運休しますし、
時々運休や一日前後したりしますのでスケジュールにご注意。
スケジュールはココ、この船のウラジオ・オフィスであるビズネス・イントゥル・セルビス(ビジネス・インツアー・サービス)が一番正確だと思います。
(日本の旅行社等サイトは変更に更新が追いついてない場合がある)

乗船券を日本で買う場合、私はビザなどは自分で手配するので
旅行社にやってもらわず船の日本代理店である、
『FK○エアーサービス』というところで買っています。

各旅行社での乗船券の値段がどうなっているのかわかりませんが、
F○Kエアーサービスでは提示してあるチケット代のみ(送料込)の支払いで、
手配料などはなし、チケットは宅急便で送ってくれます。
(前は80円切手を貼った普通郵便で送られてきてビックリしたんですけど)

船で一緒になった手配旅行の方々にチケットの値段についてきいたところ、
船や送迎、帰りの飛行機などトータルで旅行手配した方の明細には、
単独でチケットだけ買うよりチケット代が安く記載されているケースもありましたが
手配料を請求されているケースもあったりで、いろいろでした。

ウラジオで買う場合は、この船のオフィスである
ビズネス・イントゥル・セルビス(ビジネス・インツアー・サービス)
BUSINESS INTOUR SERVICE(БИЗНЕСИНТУРСЕРВИС)
で買います。
海の駅の3階です。
看板かかっています。

ドアが閉まっていると様子がわからずたじろぎますが、遠慮なくバーンと開けて入って下さい、
中央右手にカウンターがあり、受付のオネイチャンがいます。
英語がだいたい通じます。
支払いは米ドルです。
ロシアから乗船する場合は、当日の昼間に飛行機のリコンファームのような乗船確認があり、
そこで乗船確定するので昼間に一回オフィスに出向かなくてはなりません。

乗船確認の時間は10:00だったり12:00だったりそのときによって違うので、
乗船日が明日とかあさっての場合はチケットを買った時点できいておきます。
まだわからないと言われたら、
当日の朝からオフィスに電話して何時に乗船確認ですかー?とききます。
ついでに船の出航時間(乗客の集合時間)も確認しておきましょう。
出航時間は毎回かなり違います。
予定よりだいたい遅れます。
私は一度、日にちと時間の組み合わせの縁起が悪いから、という理由で翌日になってから出航したことがあります。

ところでこの乗船確認、3回に2回は忘れますがいまのところ乗れています。
ブツブツ言われますが乗れています。
乗船確認のときにチケット代を払うといって予約だけして金を払っていなかった時でも乗れました。
(船に乗ってから払った)

なんか、テキトーみたいです。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆【旅の手引きB:持込荷物について】◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

35kgまでの手荷物は無料です。
35kg以上は超過料金115円/kg ですが、実際は計量もなく皆どんどん積み込んでいます。(私だ)

ウラジオ下船時の税関では、ロシア人は目立つような大きな荷物とか、抽出検査でときどき計られていますが、
外国人旅行者には計量、X線透視もありません、素通りです。
1人で、1回で、運べる程度の荷物は大丈夫ということですね。

でもこのゆるゆる状態がいつまで続くかはわかりません。
ある日突然計量が始まるかもしれないのでご注意。(特に私とか)



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆【旅の手引きC:出国手続き】◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

・伏木から乗船する場合は、
乗船して部屋に荷物を入れて昼ごはんも食べてのんびりしたころ、
入管の係官が乗船してきて船内のミュージックサロンで出国手続きをします。
場所はフロント前の階段を上がったところ。
だいたい3時半〜4時半くらいからでしょうか。
アナウンスがあります、ロシア語と英語、ときどき日本語も。

乗船時からすでにフロントの横に港湾の方が座っているので、
何時から出国手続きですか?ときいたら教えてくれます。

船は手続き後も数時間出港しませんが、
手続きをしたらもう日本を出たことになりますので外には出られません。

・ウラジオから乗船する場合は、
港(海の駅)の入管で出国手続きしてから乗船します。
(空港のような普通のパスポートコントロールがある)

さて出国手続きをしたらパスポートは船預かりとなり、
下船の時まで返ってきませんが心配しないでください。

外国人には英語で簡単に説明してくれますが、
翌々日の朝、下船準備で荷物をもってロビーに行くと
パスポートの束を持った乗務員が貴方のお名前は?ときいてきて、
入国カードにサインをするように言われ、サインするとカードとパスポートを返却してくれます。

途中、下船日の前夜に、船側が乗客の入国カードを書くための簡単な質問(訪問地など)
をするため、呼び出しアナウンスがありますから聞き逃さないようにしてフロントに出向いてください。

聞き逃すと何回も自分の名前が船内放送されて恥ずかしいです。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆つづく。

2008年5月24日(土) 旅の手引き・ルーシ号でウラジオストク・2日目

朝ごはんのアナウンスで目が覚めました。

朝は、ゴハンの30分前に時間や天気・気温・海水温・風力etc、
そして30分後に朝ごはんですよ、というアナウンスがあります。
聞き逃しても、朝ごはんの時間になったらまたアナウンスがあるのでダイジョウブ。
ロシア語、続いて英語。日本語がある時もありますけど今回はありませんでした。

船はゆうべ驚くほど揺れなかったので起きることもなかったし、
早々と寝たのですっきり起きれてちゃんとゴハンに行けました。

相棒さんは旅心が逸ったみたいで、ゴハンの前から甲板に出て海を眺めたりしていたようです。
帰ってきて、
「ほんとに海しかありませんでした」

ええ、そうです。そのとおり。

 今日はスゴイ霧で甲板はべったり濡れています。

 周りをみても海と霧。

 船首です。中古車様だらけでタイタニックごっこもできませんね

 ボイラー室も覗いてみるか。

寝たときとあまり変らない感じの身支度をしてレストランに行くと、
夕ゴハンとは打って変わってお客はまばら、閑散とした様子です。

おっちゃんたちの夜はナイトクラブでひつこくネエチャンを口説くとか、
バーで飲んだくれるとか、部屋で深酒とかなので朝ごはんに起きてこない人も多いし、
船が揺れた次の朝なんかはみんなグッタリなのでがらーんとしてたりします。

私のテーブルには今朝もまた誰もいませんでした。
・・・と思ったら。
きたきた、やすきよのおっちゃんたちが元気な様子でやってきました。

「おはようございますぅー。ゆうべはアレからまたバーへ行ってビール飲んでたら、
ウラジーミル君がきてウオッカ飲まされて、そのあと部屋でみんなでコニャック飲んでもうなんがなんやらわからん感じで。」
「そういえばバー、払ろたかいな?」
「ウラジーミル君が払ろてたと思うで」

ひゃ〜知り合ったロシア人に払わせるなんざ、なかなかのおっさんですね〜
でも気をつけてくださいね、どんな人がいるかわかりませんから。

今は船も、船会社が旅行ツアーを売ったりしてロシア人観光客も通年乗り、
観光旅行客の足、という感じにはなってきていますが、
以前はほんとうにガラの悪そうなおっさんばかりでした。

私の知り合いのロシア人お母さんは、船会社の知り合いがいて、
船がいかに危ないかを聞かされていたのでいつもめちゃめちゃ心配していました。
が1人旅にならないよう、彼女の旅程を私達の行き来に合わせて決めていたくらいです。

常連客が自分が泊まった部屋の合鍵をいくつも作って泥棒したり、
船内でスリ、タカリ、盗難、ケンカ沙汰、いろいろあったみたいです。
今はそんな酷いことはないですが十二分に気をつけましょう。

朝ゴハンは、

 カルバサ(ソフトサラミのようなもの)

 グレーチカ(そばの実)のカーシャ(粥)

「なんやろね、コレ」
「スープかいな?ほんでも甘いで〜」
「これはカーシャといってロシア風の粥で、朝ごはんによく食べるものです。いろんなカーシャがありますけどこれは
そばの実ですね」
「へ〜そないでっか。」

まー、ロシア横断ならこれから嫌というほど食べることになると思いますけど;;;

すると突然どこからか、お囃子が。
ロシア船の中でなぜお囃子がッ???
しかも朝から。
とあたりを見回すとレインボープロジェクトのピースな方々がゴキゲンに鳴らしていらっしゃいました。
昨晩ライブがあったようですが今晩も演って下さるみたいですね。

 目玉焼きカバチョク(ズッキーニの仲間)の炒め物添え

 紅茶(又はインスタントコーヒー:日本製だよ)おやつはなし

あっ、そういえば船のゴハンのお味について書いていませんでしたね。
えーと、結論からいえば『今は悪くない』です。
前に比べてかなり良くなりました。
飛びぬけて美味しいことは、「もちろん」ないんですけど不味くは無いんです。
どの料理も食べれる味ですから安心して下さい。

やすきよのおっちゃんも、食事は悪くないねえと言ってましたし、
相棒に至ってはどれもこれもすごく美味しい、と褒めてました。
でも量は結構ありますからね、お腹ぽんぽんになりますよ。
3度3度全部食べきるのは日本女性にはきついかも?

さて、お腹いっぱいになったら眠くなりました。
まだ朝なんですけど・・・・
ま、寝ますか。 
(まだ寝るか!)

昼ゴハンのアナウンスで目が覚めました。 ←朝と同じじゃ?

30分前にアナウンスがあるのは朝ゴハンだけですから、
昼と夜はアナウンスがあったら、とっととレストランに行きましょう。
あまり遅いと断られることがあります。



レストランの入り口前に、ソファを置いてちょっと休憩できるスペースがあるんですが
そこでレインボープロジェクトのピースな方々が綺麗で不思議な物体を披露していました。

 くるくるレインボーというそうです。

 こんな風に回すとたいへん和むらしい。

うめちゃんが考案したそうです。

「昼ごはんのあと、ここで作りますから誰でも来て作ってくださいね〜」 

え?私も作っていーんですか?
こりゃ〜行かなあかんやろ〜。  ←手仕事好き。


昼ゴハンは、

 トマトときゅうりのサラダ(というかただ切ったもの)、杏のカンポート

カンポート(コンポート)というのは、ドライフルーツを煮出して少し砂糖を加えた飲み物で、
ロシアでは食事の時水がわりに飲んだりします。
甘さ控えめで酸味がなく味が薄いフルーツジュースという感じ。
杏、林檎などが代表的。

パンは毎食出してあります。食べ放題。

 ロシア名物ボルシチ。
多分どこかで必ず一回は出ます。うっかり食べ初めてしまいました。

お隣の日本人ばかりのテーブルではボルシチ話に花が咲いています。
「これはボルシチでしょうか」
「そうみたいですね」
「この白いクリームは・・・えと、えと・・・」
「スメタナっていうんじゃなかったでしたっけ?」
「ちょっと酸っぱいんですね。」
「サワークリームなんですよ、発酵してるんですよ、たしか。」
「なかなか美味しいですね。」
「これがスメタナですかーボルシチにスメタナ、ロシアって感じ!」 ←嬉しそう

もしもーし、みなさぁーん、
ルーシ号のスメタナの正体は「マヨネーズ」ですよ〜

などと余計なことはあかん、あかん。

スメタナは日持ちがしないのでマヨネーズなんだよ〜〜
味も見た目もよく似ているのでスメタナが無いときはロシア人もマヨネーズを入れて食べたりします。
スメタナよりマヨのほうが好きというロシア人もいます。

ボルシチにはスメタナを入れて混ぜ混ぜし、ピンク色にして食べるのがお約束なのですが、
なぜか私のボルシチには入っていませんでした。

 野菜入りローストポーク、粉吹芋のソテーとビーツで色を付けた発酵キャベツ

 紅茶(又はインスタントコーヒー:日本製だよ)おやつはなし

もう席を立つ頃、やすきよのおっちゃん達がパツキン美女とやってきました。
オーストラリアから来たジョアンちゃんだそうです。
日本からウラジオに渡りバイカル湖まで行くそう。
嬉しそうなやすきよとジョアンちゃんを置いてお先に失礼。

さて、お腹いっぱいになったら眠く・・・・なりませんて。
さすがに寝すぎです。

レストランを出たのが早かったのでくるくるレインボー教室はまだ始まっていませんでしたから、
一旦部屋に帰ってちょっと横に・・・・・と思ったら。
寝てしまいました。 (また寝たか!)

しまった!!
慌ててくるくる教室に行ってみたけど誰もいませんでしたよ;;;; ←あたりまえだー

替わりにコドモが遊んでいました。

目が合いました。
うっ。
来るな。
来るなよ。
来るなあぁぁぁぁぁ。
私はコドモが嫌いだぁぁぁぁぁ。
コドモは幼稚で礼儀知らずで気分屋で身勝ってで足が臭いッ!  ←わかる人だけ懐かしい
来たぁぁぁぁ。
誰だオマエは、なんだその無垢な目は。
遊んでなんかやらんぞ。
なんだその救急車は。
ガゼールじゃないか良く出来てるな。
現金輸送車もあるのか。
おい、母親、どこへ行く。
オマエのコドモじゃないのか。
勝手にどこかへ行くな
しかも帰ってこないし。
コラ離せ。
抱きつくなッ。
私はオトナだぞ。
誰が何といおうと私はコドモが嫌いだ。
私は本当に子供が嫌いだ。

おもっきしコドモと遊んでしまったので疲れて、
一旦部屋に帰ってちょっと横に・・・・・と思ったら。
寝てしまいました。(もう病気かも)

起きてテレビを付けたら、ジーマ・ビランが映っていました。

ルーシ号の各客室にはテレビが据え付けてあり、衛星放送でロシアのテレビ放送が見れます。(日本の放送はありません)
6チャンネルくらいあったかな〜
一度は点けて、これから突入するロシア語世界を感じてみましょう。

 カテゴリー4のお部屋の一例。窓有、窓無しの部屋があります。

今晩はユーロビジョンの決勝なんですね。ロシア代表はジーマ・ビランです。

 これがまた、なんやこれ〜〜〜!のスゴさ。

ステージに円形のスケートリンクを作り、
真ん中でジーマが歌うその周りを金メダリスト・プルシェンコが華麗に滑りまわり、
ハンガリーのバイオリニストがバイオリンを弾きまくるという、超豪華ビジュアル。
ロシア金あんど〜、優勝させえぃ、の図。

ワケわからんテレビのロシア語世界はええわ、という方は、
パソコンとDVDとコンセントの変換プラグ(ロシアは220V C/SEタイプ)を持ち込めば
パソコンのバッテリーを気にせず見放題ですし、オシゴトも、し放題です。

変換プラグは日本に帰るときケータイのバッテリーを充電するのにも役立ちます。
伏木港周辺には公衆電話もないので、下船したあとバッテリーが切れたケータイを手に
オロオロする日本人が時々いますので注意しましょう。(私とか)

あっ、アナウンスで私の名前が呼ばれました。
フロントへ呼び出しです。

昨日書きましたが、これは船側が入管に出す書類(&入国カード)を書くために訪問地・旅程などを確認するものです。
ですから添乗員さんが付いているようなツアーで乗船している方はたぶんないんじゃないかな?

「訪問地はウラジオストクですね、その後は日本に帰りますか?」というので、
日本には帰れないんだよッ! と言いそうになるのを、「はいそうです」と答え、終わり。

そんなことしていたら夕ゴハンのアナウンスがありました。
まさに食っちゃ寝、食っちゃ寝、豚まっしぐら、です。

夕ゴハンは、

 ナスのソテー、トマトとチーズかけ

 鶏と野菜のスープ

 茹でペリメニ(醤油と辛子でシュウマイのように食べた)

 
お茶(又はインスタントコーヒー)とケーキ(ざっくりしたスポンジにバタークリーム)

やすきよのおっちゃんらは、ジョアンちゃんが別のテーブルに行ってしまったので淋しそうな様子。
ふいに、
「ご主人はお酒、・・・コニャックなんか飲まれますかー?」
「はい、飲みますよ?」
「寒うてかなん時のためにコニャック1本買うてしもたんですが、うちら確かに大酒飲みやねんけどビール党なんですわ。
そんでコニャックはスキットルに移して持ってけば十分やから、残り、もろてくれまへんやろか?」
というのでありがたく頂くことにしました。
「ほな明日の朝ごはんとき持ってきますわ」
どうもありがとうございます。

「これがルーシ号の最後の晩飯やな、明日は何を食べることになるんかなー」 ←やすきよ感慨深げ。

明日?
そうや、明日。
明日の夕ゴハンの献立はどうするかな。 
今、こんなことを考えている私はちょっとかわいチョー・・・・・

さてお腹いっぱいになったらとりあえず寝るのが常ですが、
明日はいよいよ下船、この大荷物を一つでも減らすべく全部ばらして入れなおし。
大店広げてるところに相棒が帰ってきました。

「あの、私、寝られないので今日は上のベッドで寝てみます」
「あっ、すいません、荷物は全部片付けるから大丈夫ですよ!」
「そうじゃないんです。私旅行中はいつも眠れなくてほとんど寝てないんです。
それで今日は2段ベッドの上で寝てみようかと思いまして・・・・」

え〜、夜ぜんぜん寝れてないのに昼間もずっと起きてて眠くならないのかな?
私、夜もバリバリ寝てるけど昼も眠くてかなわんのですけど・・・・

というのでなんだかガタガタするのも悪い気がして荷物をダッシュで片付けました。

ナイトクラブのユーロビートがうっすら聞こえる中、
ロシア人のおっちゃん達は今夜が最後のチャンスとばかりにオネイチャンを口説いているのだろうなあ、
などと思いを馳せながらきのう同様早々と就寝。

おやすみなさい。

明日はいよいよロシアです。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆【旅の引きD:ルーシ号ライフ】◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

ルーシ号では日本円・米ドル・ルーブルが使えます。

ルーシ号にあるものは以下の通りです。

○船室にはデスク、デスクの上にテレビと灰皿、ベッドの下に引き出し2つ、
 ロッカーが4つ程度、ロッカーの中にハンガーが数本、
 ガラスコップ2個程度(デカンタがある場合もある)コンセント(ロシア型)、船内電話、
 バスルームにはトイレ(トイレットペーパー有)、シャワー、洗面台と棚(ロシア型コンセント付)、ゴミ箱、石鹸、
 タオルはバスタオルとフェイスタオルが1人1枚ずつ。

○船室のエアコンは天井の蛍光灯の真ん中に丸いつまみがあってそれがコントローラーになっていますので回して調節して下さい。
 
○レストラン(食事時間でない時はドアが閉まって完全クローズ)
○ミュージックホール(観光シーズン中はアトラクションがあったりする)
○ナイトクラブ&バー(22時くらいから。飲み物はそれなりの値段らしい)
○カフェカウンター(朝から深夜まで営業。値段はまあまあ)
○ゲームコーナー(日本のゲーム機)
○免税店兼売店(フロントの裏に当たる場所にあるが買うものはない)
○美容室(カット20ドルくらい?)
○医務室と隔離病室(歯科治療台や分娩台まであるがいつも自転車が放り込まれている)
○洗濯室(一般旅行客が使えるのか不明)
○プール(夏でウラジオから出航の場合のみ。日本からは中古車様専用)
○ロシア式サウナ(バーニャ)
○ロビーでは大型テレビでロシアの衛星放送を常に流しており、一定時間には映画を上映している。(ロシア語)
○ナイトクラブの大型モニターで映画やサッカーの試合を放映することもある(アナウンス有)
○フロント前の階段下にミネラルウォーターの給水器があり、いつでも冷え冷えの水が無料。
 なのでミネラルウォーターを買い込む必要はない。
 湯の表示もあるが湯が出たことはない。
○フロアにある共同トイレ
 これは隠れた重要ポイント。船室のバスルームには換気扇がないので同室者がいる場合ウンコにGOOD。
○各フロアにある休憩コーナー(みんな本を読んだり情報交換したりナンパしたり有意義に利用)

【その他】
・甲板を行ったり来たりのジョギング、ヘリポートで体操したりする欧州人もいます。
(中古車様がびっしりでそこしか空いてない)
・外海に出ると普通のケータイは繋がりません。
・女子の一人旅は必ずロシア人のナンパに遭います。
・男子の一人旅もままロシア人のおっさんのナンパに遭います。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆つづく。

2008年5月25日(日) 旅の手引き・ルーシ号でウラジオストク・3日目

朝ゴハンのアナウンス前に目が覚めました。

低いエンジン音を聞きながら寝床の中でじっとしていると相棒もなにやらごそごそしている模様。
上段でよく寝れて早起きか、寝れなくての朝か。

「おはようございます。なんか夕べは寝れました」  ←明るい

良かったですね〜〜これからきっついロシアですやん、寝とかなね〜。

テレビを点けたら、ユーロビジョンでジーマが優勝したニュースをやってました。
ひゃー、やっぱ優勝しちゃったのねー

 ゴージャス勝ち♪

ユーロビジョンは優勝国が次回開催国になるんですが、実は費用負担がかなり大変。
それでビンボーちゃんの国は内心優勝して欲しくないと思っているらしいんですけど
ロシアは今、金あんど〜どんと来い、ですからね。
ジーマにもロシアにもビンボーちゃんにも良かったと思います。
おめでとう!

さて、朝ゴハンが済んだらみんなさっさと下りる準備を始めるし、部屋の掃除にも来るので落ち着きませんから
ゴハン前に身支度やベッドの片付けなど大体の事は済ませておきましょう。

アナウンスがあったので朝ゴハンに行きました。

最後のゴハンは、

 スライスチーズ3枚

 米のミルクカーシャ

 ソーセージとジャガイモのピューレ、キャベツとニンジンの炒め物

 紅茶(又はインスタントコーヒー)おやつはなし

なんとなくウエイトレスさんが気忙しい感じです。

やすきよのおっちゃんが、
「コニャック持ってこよと思たんですが、ゆうべロシア人と飲んでしもて・・・・」

ははは、いいんですよ〜(笑)

午前9時。
エンジン音が小さくなり、窓からすぐ近くに島が見えます。
もう湾に入ったんですね。
ウラジオストクの天気は曇り、気温は16度。
降りたらちょっと肌寒いでしょうか。

いいえ、そんなことはありません。
下りるときは大荷物を軽いような顔して無理無理運ぶ大汗滝汗なので、
皆より一枚薄手の格好でないとえらいことになります。

「それではご無事で、よい旅を」
と、やすきよのおっちゃんと別れ、
パスポートの受け取りがもう始まっているかと思いフロントへ降りていってみましたがまだ誰もいなかったので
部屋へ戻ってケータイの電源を入れると電波OK、オッサンに電話してみました。

「モシモーシ、オハヨゴザイマース。」
「オハヨーちゃん。おっちゃん、もう内湾に入ったで〜。下りるときにまた電話するな」
「うん。電話シテー。」

感動の再会とかそゆ時期はとっくに過ぎ、
今は熟成中のワインのような二人ですので栓を抜かないようあっさりと。(何言ってんでしょうね)

9時半。
相棒はやはりここでも旅心が逸ったみたいで、
「私、早めにロビーに行きます、どうもありがとうございました」 と言って、バックパック1個で出ていきました。
きっと会社でも10分前行動を厳守してることでしょう。
さようなら、良い旅を!

私はのんきに最後の荷物を詰めてから、手ブラでフロントへ様子を見に行ってみたら、
ロシア人日本人入り乱れてもうゴチャゴチャでした。
マネージャがパスポートを持って人混みを泳いでいたので近づいていくと、
何もいわなくても私のパスポートを出してくれ、
私も自分でボールペンを出して入国カードにサインしました。
これでパスポートも手元に戻ってきたので後は下船を待つのみです。

部屋へ戻ってきゅっ。と黒手袋をし、荷物を全部出して忘れ物のチェック、いざロビーへ。
すでに下船を待つ列ができているようないないような曖昧、というかゴチャゴチャ。
すかさず前へ前へと荷物のカタマリを移動していると、
「あのー、もう下りてもえんですか?」
また出た!やすきよのおっちゃん。

「そうですよ、いいです、私も下りるとこです」
「このゴッツイ荷物、ぜんぶ一人で持ってかはるんですか?」
「そうなんですよ・・・」
「あんた、そりゃえらいこっちゃでー。何個あるんですか、4個?ほなうちら1個ずつ預かりますからあんた2個持ちなはれ」

ひゃ〜〜なんてありがたいお言葉ッ!!
黒手袋の威力はすごいな〜〜 ←違うと思います。

おっちゃんたちはバックパック1個だったので私のスーツケースを1個ずつ持って下船してくれました。

内心、シメタ!と思ったのは、荷物を下ろす大変さよりも、税関を抜ける時に見かけの荷物が少なくなる事です。
計量なしチェック無しといっても、それがいつまで続くかわかりませんからいつもヒヤヒヤですからねー
ああー、こんなゲスな私をゆるして、ゆるして、ゆるしてえぇぇぇぇぇーーーー!

ロシアには、鉄道に鉄道駅があるように港には『Морской вокзал』=『海の駅』があります。
ルーシ号は『海の駅』の入り口より、かなり前(後ろ?)に着岸しますので
船を下りてから入り口まで港内を結構歩かなければなりません。(汗だらだら)
入り口を入るといきなり下り階段、(大汗だらだら)
通路を曲がって今度は上り階段、(滝汗だらだら)
精魂尽き果てる感じでパスポートコントロールの前に出ます。
やすきよのおっちゃんたちも内心、シマッタ!と思ったに違いありません。

コントロールは4箇所くらい開いてますがどこに並んでもいいです。
パスポートを出して審査を受けますが英語、またはロシア語で簡単な質問がある場合がありますけど
わかれば答えればいいし、わからなかったら「??」と首でも傾げとけば、まずスルーです。

ビザシールの近くに入国のスタンプを押し、入出国カードにもスタンプを押して半分ちぎって出国分が返されます。
カードはなくさないようにしましょうね。

コントロールを抜けたら次の部屋に続くドアが開いているので入ります。
じゃーん、そこが税関。

毎度毎度、冷や汗が滝のように流れる瞬間ですッ!

部屋をぐるっと回るかんじで通路になっていて、税関職員があちこちに立っている中を回っていくのですが
これがもう緊張するってなんて・・・・・いつ呼び止められやしないかとハラハラです。(私だけでしょうが)
税関申告品のデスクがありますがロシア人以外誰も立ち寄っているのを見たことがありません。
なんせ、全てが『ノーチェック』なので日本人は全部の前をただ通り過ぎるだけ。
職員も「行け、行け」と促します。
ありがたいですね。

・・・・・・・・しかし、いつも思うのですが。
こんなことでほんまにいーんでしょうか?
(ま、いっか。)

ドアを出たらもう、そこは自由なロシア!!
やったーーーー!!
今回も無事税関通過。
ありがたや〜ありがたや〜なんまいだ〜なんまいだ〜

「もしもし、オッサン、今税関抜けたとこ。」
「ワタシも、もう駐車場にきてマスヨー」

やすきよのおっちゃんも無事に出てきました。
おっちゃんたちのおかげでほんまに助かりました。大感謝です。
そう、感謝は態度で示そうよ、
もちろんおっちゃんたちをホテルまで車で送ってチェックインのお手伝いくらいはしますとも!

「コンニチハー」
のんきな感じでオッサン登場。

「オッサン、このおじちゃん達が荷物持ってくれてめちゃ助かったんよ。ウラジオストクホテルに泊まるそうやから送ってくれん?」
「そうですか。アリガトウゴザイマシター。もちろん送りマスヨー」
「すいませんねえ、そやけどご主人、こない普通に日本語しゃべらはったらなんや不思議な感じするわ〜」
「関西からデスカ?」
「はい、私は大坂でこっちのヒトは西宮ですねん。」 (西宮というのは大坂と神戸の真ん中あたり)
「へー。ワタシはニホンで大和路線沿いに住んで・・・・・」 ←ウチのおっちゃん
「へっ。私、前に久宝寺に住んでましてー」   ←西宮のおっちゃん 
あとは勝手に3人で、どこの焼肉屋へ行ったの、河内音頭祭がどうの、西宮ゑびすがどうのと盛り上がり、
ウラジオストクホテルまで。
チェックインのお手伝いをして、両替できるところをきいて(日曜だから)教え、
お互いお礼を言い合ってやすきよとおわかれ。

明日はシベリア鉄道でモスクワを目指すおふたり。
弥次喜多珍道中ならぬやすきよ珍道中になることは間違いなし。
よい旅を!
いつかまた鶴橋の焼肉屋で!

こうしてルーシ号の旅は終わり、私はまたウラジオへ帰ってきたのでありました。

電話を切ったオッサンが、「オカーサンが今うちのアパートに向ってるって。」

やれやれ。
私が荒波を航海するのはこれからです。



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆【旅の引きE:下船】◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

○朝食が済んでから下船までにパスポートを受け取りに行きましょう。
フロント前のロビーに人が集まり始めた頃がいいでしょうかね、早すぎると誰もいません。

船のマネージャがパスポートの束を持ってうろうろしているのですぐわかると思いますけど、
 こんな人。
向こうもパスポートを渡さなければならないので目ざとく見つけてくれますから安心して。
受け取りのとき、入出国カードもいっしょにくれますのでカードにサインしなければなりません。
カードは無くさないように!
カードの見本

11番のところにサインするだけ。あとは船側が書いてくれます。

○船室のカギをフロントに返すのを忘れないように。(特に日本で下船する場合)

○下船が近づくとロビーは人でゴチャゴチャになり、みんな荷物が多いので列があるんやらないんやら、
 誰が先なんやら後なんやらわからない状態になりますが、隙間があったらねじ込み、臆せず前へ前へと行きましょう。

○パスポートコントロールでは滅多に質問されませんが、もし質問されるとすると、
 「旅行目的は?」とか、「何日滞在しますか?」 とか「どこを訪問しますか?」など簡単なことです。
 ロシア語で聞いてきますがわからなそうと思うと英語で聞いてくる場合もありますけど、
 大抵わからなそうという時点でスルーです。あーはいはい、結構結構、みたいな(笑)

 もししつこく何か言ってくる場合は、ビザに間違いがあるとか重大な事もありますので、
 こっちがロシア語がわからないと解ると、英語ができる担当者を呼んだりしますから事情はなんとかわかると思いますが
 ビザの間違いはなんともなりませんので出発前に十分確認しましょう。
 (特に日付、パスポート番号間違いなど)

○税関申告で何を申告しなければいけないかという事は、外務省の査証、出入国審査等3.税関申告をご覧下さい。

 これを見たら私なんぞはスゴイ関税をとられるはずなのですが、
 ルーシ号はなんせノーチェック、『海の駅』の税関の場合、普通の旅行者が税関申告をしているのは見たことがありません。
 しかし重ね重ね書きますが、いつなんどきチェックが始まるかわかりませんので、
 めるさんが大丈夫と書いていたとかいうクレームは無しということで、ひとつ宜しくお願いします。

○税関を抜けると待合室に出ます。
 鉄道駅や、駅前、ウラジオストクホテル、プリモリエホテルに出る場合は、
 出たらまっすぐ前の出口から階段を上がって『海の駅』の建物内に出るとそこは2階です。
 右手にすぐ出口があり陸橋と繋がっていますので渡れば左に鉄道駅とバスターミナル、
 前は駅前広場、目の前の坂はウラジオストクホテル、プリモリエホテルへの道です。
 車の場合は待合室に出て、左手にあるドアから階段を下りて外に出れば駐車場の横にでます。

○船は日曜に着くので困るのは両替。
 旅行社のパンフレットなどには両替はヒュンダイホテルで、と書かれていますが
 実際にはウラジオストクホテルでもできます。
 というのはフロント両替はお休みなんですけどフロント向かいの売店で闇両替やってるんです。
 堂々と看板?出しているので闇なのかなんなのか・・・というのはまあつっこまないで。
 その他のホテルは情報おまちしています。

○また、宿泊せずシベリア鉄道に乗る方は、ホテルのロビーや市内のいたるところにATMがあるので、
 国際キャッシュカードで自分の口座からルーブルで引き出したり、
 クレジットカードでキャッシングしたりしてルーブルを手に入れることができます。

○おまけ
 ソ連時代(横浜からナホトカ航路)1989年(90年度クルーズ)のルーシ号のパンフレットです。
 クルーズクライアーさん
 ひえええぇぇぇー!ピカピカのルーシ号!

 ルーシ号の旅で何か質問がございましたら私でわかることならお答えします。メールでどうぞ。

それでは皆さん、よい旅を! 

(私は今からオカーサンという荒波を・・)

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