2002.8.31HK

はっさく1号スズダリに行く〜中編〜

はっさく1号さん投稿記事
 

 そして訪れたのが一件のかわいらしい家。おじさんのお母様が住んでいる所でした。おばあさんの一人暮らしで、彼女の名はニーナ。ここでも最初は「悪いけど無理だよ!」と言い放たれたのですが結局6人全員(勿論ベッドは6つもなかったけれど)泊めてくれることになり、なんとか私たちはその日の宿を得たのでした。それはまさしく『電○少年』の世界。さすがロシア!さすが田舎!と感謝感激で私たちは胸がいっぱいに。

  「チョーチャニ―ナ(ニーナおばさん)って呼んで。それともバーブシュカ(おばあちゃん)の方がいいかしら?」

  「いえ、チョーチャニーナで!」

  ということでチョーチャニ―ナと呼ぶことになったのに、何故か常にバーブシュカと呼び続ける韓国人の子ら。国民性の違いなのでしょうか。私達がいくらチョーチャニーナと呼んでいても、彼女らは一向に構わずバーブシュカ!バーブシュカ!と呼び続けるのでした(苦笑)。

  ニ―ナは話してみるとかなり知的なおばあさんで、近所の食料品店まで案内してくれたりお湯を沸かしてくれたりと、つかず離れずの素晴らしいハジャーイカだったのです。後で知ったのですが彼女は普段から家を宿として提供しているとの事で、(勿論お金を払って泊まります)替えシーツの多さには驚かされました。

  ともかくやっと休むことができ安心して再び元気を取り戻した私たちは、夕食がてら夕暮れ時のスズダリの街をお散歩に出かけました。春の夕暮れに映える中世教会群の美しさ、景色そのものの美しさにはっさく1号は再び胸がいっぱいに。本当に、なんともいえない美しさなのです。そうまるで、過去のある時のまま時が止まってしまったかの様な。(大袈裟ではありませんよ年の為^^;)そういうセリフがすんなり出てきてしまうほど綺麗だったのです。

  道端ではいろいろなお土産が売っていますがその多くが彼らの手作りです。こんな時女の子はついつい沢山買い込んでしまうもの。あきれる男の子をよそ目に私たちはさっきまでぐったり疲れていたとは思えない勢いでお店を回り始めました。ついあれもこれもと欲しくなり、スズダリならではの物からモスクワでも普通に買えそうな物までちょこちょこと買ううちに、知らず知らず荷物は増えていくのでした。

  さてその後ちょっとおしゃれな感じのレストランで夕食を済ませたのですが、そこではお土産物として売っているお馴染みホフロマ塗りの食器やスプーンが使用されており、これも地元の人にとっては実用的なものなんだという事を知りました。

  食事を終える頃には既に辺りは暗くなり、ああ帰る家があるって、眠る場所があるってなんて幸せなんだろう・・と喜びを噛み締めながら一行はニ―ナの待つ家へと帰ったのでした。

  ところが夜のことです。順番にシャワーを浴びることになり私は2番目に浴びたのですが、浴び始めて間もなく温かかったお湯が段々ぬるくなりついには水になってしまったではありませんか・・!!五月といえども夜はまだまだ冷えます。余りの寒さにとりあえず中断してタオルにくるまり震えていると、そこへニーナが現れてふうっとため息をつき「ここは田舎。モスクワじゃないのよ。」と一言。どうやらここではお湯の出る量が一日20リットルと決まっているらしく(彼女の家だけかも知れませんが)、彼女が言うには次の日までもうお湯は出ないとのこと。「さ、先に言ってよ〜・・・!!!」という私の心の叫びもむなしく彼女は再びベッドに戻ってしまいました。「さ、寒い・・でもとりあえずシャンプー流さなきゃ・・」と頑張って水で髪を洗い流し身体も流して、なんとか入浴終了。これはなかなかしんどかったです。田舎を甘くみていました。(まあモスクワにいても時々お湯がでなくなったりしますが・・^^;

〜続く〜


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