2001.6.17/カメ

留学生は見た!!ロシアにおける詐欺の手口


ロシアで留学している人にとって一番問題なのがいろいろな詐欺事件。
毎回日本領事館からのメールにも”〜で盗まれました”とか”空港での札束詐欺にご用心ください”というメールが飛び込んできます。それほどロシアではいろいろな詐欺事件が起こっていたり、恐らく長くCIS諸国に留学している人たちの中にも経験された方もいると思います。

その中でも最近僕が経験したちょっと面白い両替詐欺のことを話したいと思います。

CIS諸国の国々ではそれぞれの通貨があり、まずその国に入るとドルから両替しなければなりません。しかし、ロシア等CIS諸国の国々では他のヨーロッパ諸国と比べ、レートが安定していないために一度に両替をするとレートの変動で損をしてしまうこともあります。そのために大体一度に全額両替せずに月や週に使うだけのお金をまず両替しておいてまた足りない分は後で両替するという方法をとっております。幸いなことに街のいたるところには写真のような看板がたっており、急ぐとき意外にはそれほど困らないようになっておりますが、たまに両替所によってはかなり込むところも出てくるのが現状です。

僕もとりあえず手元には必要なルーブルしか置かず、足りないときにはドルからルーブルに両替するようにしていました。そんなある日のことです。
僕がいつもどおり、近所の両替所のところにお金が足りないので両替をしにいきました。そのときは土曜日で仕事が休みらしいロシア人たちも多数並んでおりました。もちろんこの両替所、レートが高いことで有名で、昼近くになると長蛇の列ができることも当たり前のことでした。
長蛇の列を前にして”面倒臭いな〜”とは思いましたが、いまさらほかの両替所に行くのも面倒だったので最後に並んでいる人の後ろに並ぶことにしました。
すると後ろからまた一人背広をビシっと着こんだおじさんがやってきて、僕に”俺はドルが必要なんだ両替してやろうか?”と一生懸命勧めてきます。しゃべり方からして中央アジアの人間だと思われます。訛りがかなりひどいです。


立ち換えの人は大体ルーブル札を大量に持っており、見せびらかせながら近づいてきます。

とりあえず並ぶのも面倒だし、おじさんの言うレートが少し高いのもあって、とりあえずおじさんから両替することに(よい子はマネしないでください(笑))したのですが、そのおじさんがルーブルを僕に見せながら数えているときにふと、悪い予感がしました。やはり長年の留学生活で培われてきた経験でしょうか、おじさんの持っている500ルーブル札が偽札っぽく見えてきたのです。
ルーブルを数え終わって僕にそのルーブルを渡してくれて、僕もドルを渡そうとしたのですがおじさんは”ちゃんと確認してみろ。”と先に数えるように勧めてきます。まあ、ここでの生活では両替をすればすぐにお金を数えることは当たり前なので念のためにお金を数えてみると・・・なぜか60ルーブル(200円強)ほど足りないではないですか!!もちろん僕はそのおじさんに”60ルーブル足りないじゃないか。”と言うと、おじさんもあわてて、そのルーブル束を僕から受け取り、もう一度数え始めます。そして足りないことがわかると、元の札束を僕に返し、その後に不足分60ルーブルを渡して僕もドルを渡しました。しかし、今度はおじさんのほうが”このドル札汚いからきれいなのに代えてくれ”というではないですか。もちろん代わりのドル札なんかは持っておりません。そのことを言ったにもかかわらずおじさん、ひつこく”ドルを代えてくれ”といってきます。
僕はそのおじさんの言葉を無視してとりあえず前から気になってた500ルーブル札を確認しようと1枚とろうとすると、今度はおじさんが”個人的に両替するのは違法だから見つかればお互い罰金をくらうことになる。早く隠せ!!”と僕が手に持ってるルーブル札を隠すように指示します。
でも、それ以上に500ルーブル札がかなり気になったのでとりあえず1枚札束からとり、太陽に掲げてみるとちゃんとすかしが入っております。
”気のせいか”と思ってもとの札束の中に戻して次の500ルーブル札を調べようとすると・・・なんと何枚かないといけないはずの500ルーブル札がぜんぜんないではないですか!!
”オイオイ、マジですか!?”と思って両替のおじさんに”おじさん、金足りね〜よ。”と言うと、黙って僕が渡したドル札を返し、僕のルーブル札を取っただけで、謝りもせず平気な顔でそこに立っているではないですか。
僕はだまされた怒りよりもなんかおかしくなってそのまま、今度は普通の両替所で両替することにしました。
しかし、やはりロシアというべきでしょうか。


実はこの事件、まだ続きがあり、その次の週同じ両替所にまた両替に行ったのですが今度は僕の後ろに中国人らしきアジア人の人が並びました。少し遅れて今度はおじさんが僕に”一番最後の人は誰だ?”と質問してきます。僕はそのアジア人の人が最後だと言うことを告げると、おじさんはそのアジア人の人の所に行き、”俺はドルが必要なんだがあんた、ルーブルと交換しないか?”と後ろで話しています。
”ん?どっかで聞いたことある会話だな・・・。”と思ってチラッと後ろを向くと、あの詐欺のおじさんではないですか。もちろん先週とは色の違う背広を着ております。
僕はまたおかしくなってちょっと噴出してしまいました。
後ろではアジア人がおじさんと両替することにしぶっております。その間に僕の番が回ってきたのですぐに中で両替をして、両替所の出口に行きました。
外ではやはり相変わらずおじさんとアジア人が問答しております。丁度おじさんは僕に背中を向ける形となっていたのでおじさんには見えないように指で中に入って両替するように指示しました。
もちろんそのアジア人も僕がそうした合図を送ったことがわかったらしく、少し笑って中に入っていったのでした。

CIS諸国にいる日本人留学生のみなさんも気をつけてくださいね。


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