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〜ロシア生活を体感する写真レポート〜 今日のモスクワ |
2004年5月号
今は昔、言論統制がされていた時代、「今日のソ連邦」というロシア大使館発行の雑誌があり、ロシアを知るための貴重な情報源となっていました(すいません。実はバックナンバーを読んだだけで当時のことはよく知りません)。
「今日のモスクワ」では、今のモスクワで暮らす私たちの日常をビジュアルにお伝えします。
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戦勝記念日とブラート・オクジャワ生誕80周年。(5/13 ひよこ)
みなさんご存じの通り、5月9日はロシアの戦勝記念日でした。
この日は、ロシアでは国家の大行事といっていい祝日で、他の祝日とは比べモノにならないほど大々的に国家的にお祝いされる日です。
お祝いの花形は、朝から行われる赤の広場の軍隊パレード。
このパレードは大掛かりなもので、この日のためにロシア軍総出(?)で1ヶ月も前からパレードの練習が行われます。今年はかわいそうなことに風雨吹き荒れる夜の予行練習となりました。
昼間はパレードにコンサート、夜は花火と、この日はロシア各地で平和を祈るお祭り騒ぎ。
この日は、第二次世界大戦の時に兵隊として出兵していった老人たち−この老人たちのことを「ветеранベテラン」と呼びます−が主役です。
多くのベテランと呼ばれる老人たちは、胸にたくさんの勲章を付け輝くばかりの笑顔で、ボリショイ劇場前の広場やに集まります。ベラルーシのミンスクや各地から列車でやってくるベテランたちも多く、この日は、まさにおじいさん、おばあさんたちの同窓会の様相。
戦友に会うために、1年間この日を心待ちにしています。
この日、TVや大統領の演説などでは、このような言葉をよく聞きます。
「ベテランのみなさん、あなた達のおかげで、私たちはここに生きていることができ、こうして生活することができるのです。本当にありがとうございます。あなた達に対する感謝は孫の代、曾孫の代になっても語り伝えていかなくてはいきません。どうぞ、いつまでも元気で健やかにお過ごしください。」
とてもすばらしい言葉だと思います。
私は、ベテランたちに対する感謝の気持ちを1年に1度でも言葉にする、この日を素晴らしいと思います。
今年の赤の広場のパレードには、このベテランたちは参加しなかったのですが、2000年の戦後55周年のときには、多くのベテランたちが赤の広場のパレードに参加し、とても感動しました。ベテランたちの顔はいきいきとして、本当に祖国を誇りに思い光り輝いていました。
平和を願う日。それがこの5月9日。
そして、奇しくも、この日に生まれた歌手が、ブラート・オクジャワです。
今年はブラート・オクジャワの生誕80年。
オクジャワが愛してやまないモスクワのアルバート通りやモスクワの幾つかの劇場で、オクジャワの歌を唄う夕べが開かれ、たくさんの人々がオクジャワの歌に酔いしれました。
モスクワ近郊の街Переделкинのオクジャワが生前過ごした家は、彼の妻であるオリガによって「オクジャワの家博物館」として生まれ変わり、ここでもオクジャワに捧げるコンサートが開かれました。
この他にも、5月9日のオクジャワの誕生日には、ポーランドの都市クラクフで国際コンサートが開かれるようになり、今年で2回目を迎えました。これは毎年恒例となるようです。
オクジャワの歌や詩は控えめながら力強く、深く、人生に響くので、いまでも彼はロシアで愛され続けているのです。
しかし、残念なことに、「オクジャワの家博物館」を主催している「オクジャワ財団」は、財政的に厳しい状態のようです。
オクジャワの妻オリガは言います。「年金生活者などから定期的に5〜10ルーブル(約30円)の寄付が届きます。とても感動させられます。」
(というのも、ロシアの年金だけでは普通に生活することができないほど、年金生活者がもらえる年金は少ないのです。)
年金生活者からの寄付は、本当に感動的ですが、それでも財団や「オクジャワの家博物館」が苦しい台所であることには変わりません。今のところ、大口の援助がないというのが現状なのです。
ロシア以外の国では、「オクジャワ」の名前の元多くのイベントが開催されています。
クラクフではオクジャワ国際コンサートが開催されているというのに、オクジャワを生んだロシアでオクジャワ財団が財政難というのは、大変残念なことですね。
それでも、生誕80周年で「オクジャワの家博物館」が誕生したことは喜ばしいことです。
ロシアの心を感じることができるオクジャワの音楽。
オクジャワに興味がある方も、ない方も、一度「オクジャワの家博物館」へ行ってみてはいかがですか?
暖房の季節さようなら。(5/10 ひよこ)
モスクワは4月の終わりから、春の気配を感じる暖かな日が続いていました。
そして5月6日。モスクワでは、ついに今年の「暖房終了宣言」が出されたのです。
ロシアのほとんどの地域は、セントラルヒーティングによる集中暖房で、地方自治体がそのスイッチをON/OFFする仕組みになっています。
モスクワもこの例に漏れず、暖房はセントラルヒーティング。
いつも、このセントラルヒーティングのスイッチをON/OFFするかは、いつも難しい決断です。なぜって、モスクワの気候は変わりやすくて、暑い日が続いたと思ったら、急に寒くなって、そのまま寒い夏(本当に夏にセーターを着つづけるなんてこともあります)に突入なんてことがあるのです。
モスクワの暖房スイッチをOFFにする目安は、昼夜の平均気温が8℃になる日が5日間続いたとき。
5/4の火曜日には昼夜の平均気温が13℃を記録し、このままいけば平均気温が8℃の日が5日間続くと考慮され、ついに5月6日にモスクワセントラルヒーティングが切られました。他にも「(暖房のせいで)部屋が蒸し暑い」という苦情も殺到したということも理由の一つなのだそうです。
そして我が家のお湯が止まる日も宣告されました。
これはロシぴろを読んでくださっている皆さんならよくご存じのはず。ロシアの多くの都市では、夏の1ヶ月間、各家のお湯が止められ水道管の整備がされるのです。詳しくは今日のモスクワ 2001年5・6月号「お湯が出ません」をどうぞ。
なんと、その日は5月11日。
つまり、明日です!!!
明日から29日までお湯が止まってしまうのです。ガーン!
暖房が止まるほど、暖かくなったとはいえ、まだ夜は寒かったりするよぉ。
なんで、もう始まっちゃうんだぁ〜。お湯ー。
でも、こんなこと言ったら、ウラジオのめるさん(めるさんの日記はこちら)に怒られそうなので、この辺にしときます。
ま、それに毎年のことなので、慣れてきてますし。(でも、お湯が出ないのは不便なことです。本当に。)
今年の秋になるまで暖房とは、さよならです。
初秋の肌寒い頃まで、その恩恵を肌に感じることはないでしょう。(う〜む。…ないことを祈ります。お湯が止まることを考えても。)
モスクワは新緑が眩しい季節になりました。
新芽は一日で育つ勢いです。春のモスクワには、いつも生命力の力強さを感じます。
一年中で、いちばんよい季節のモスクワです。
↓上の段は5月6日に撮影した庭の木々です。新芽が出始めたところですね。 | |||
↓下の段は5月10日に撮影した庭の木々です。同じ場所の写真ではありませんが、4日の間にもうすっかり茂ってしまいました。 | |||