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net版 v1.8 20051123
ロシア新発見マガジン 今年は穏やかな天候が続き、「黄金の秋」が例年より長く楽しめました。かえで、ななかまど、菩提樹、白樺の木が、いっせいに黄色や橙色に染まる最高に美しい季節でした!色とりどりの落ち葉のじゅうたんで覆われた森の並木道は、まるで琥珀の海のよう。駆け足で通りすぎるロシアの秋は、人をせつない気持ちにさせますが、これから本格シーズンをむかえる演劇、オペラ、バレエ、音楽、冬のスポーツなど。ファンにとって楽しみな季節がやってきました。
Privet !ロシアはロシア新発見マガジン。現地から、日本では知られない楽しいトピックをお伝えします。
2005年
10/11月
合併号
(第5号)
プリヴェット!ロシア *「プリヴェット」とはロシア語で「やぁ!」「こんにちは!」のこと。Privet!ロシアは、ロシアとの新しい出会いを伝えます。

キジー島にて。湖に飛び込む島の男の子。 このあとは↓
船はヨーロッパロシアの湖水地方をめぐります。今回は、.修道院がある村「ゴーリツィ」(1)美しい木造教会がある世界遺産の島「キジー島」(2)たのしいロシアの伝統的な村の雰囲気を伝えるテーマパーク「マンドロギ」(3)に寄港しながら、サンクトペテルブルグ(4)を目指します。

ざっぶ〜ん
ロシアお役立ちメモ
時差:(モスクワ、サンクト・ペテルブルグ)−6時間
10/30から冬時間になりました
気温
モスクワ:-1〜+5℃
サンクトペテルブルグ:+4〜+7℃
為替
28.8ルーブル=1USドル
物価はどのくらい?(モスクワ)
柿1kg
:約60〜100ルーブル(約240〜400円)ぐらい/ぶどう1kg:60〜100ルーブル(約240〜400円)ぐらい/みかん1kg:約50〜70ルーブル(約200〜280円)ぐらい。
【どんな服装で行けばいいの?】(モスクワ・ペテルブルク)
11月に入って、だいぶ冷え込んできました。雪も降り始めています。フードのついた防水加工のコートがあると外で快適に過ごせます。ただ、室内は暖かいのでセーターやフリースなど臨機応変に対応できる服があると役立ちます。道が凍り始めていますので、滑りにくく暖かい靴があると安心でしょう。
(2005年11月10日の情報です)
日は沈む。大河と空の裂け目を船は進む。
時がゆっくりと過ぎていく
さて、一夜明けると、次の寄港地に到着・・・。
 私たちが旅行したのは、ちょうど白夜の頃。今まで私は「白夜」というのは、空がぼんやり明るいだけの「日が暮れない夜」だと思っていました。

 でも、
船から見た「白夜」は、まるで違った幻想の世界でした。水路に映る暗がりの森と濃紺の夜空の間に、うっすら白く光を放つ空。自然の偉大さと美しさを感じずにはいられません。暗くしんとした水路を音もなく流れるように進む船は、まるで天の河を下っているようでした。
深夜1時頃。幻想的な風景

<ゴーリツィ>

修道院の城壁

ゴーリツィは水路岸にある、自然が美しいのどかな小さな村。
湖畔からバスで少し行くと、
白い城壁で囲まれた壮大なキリロ・ベロゼリスキー修道院が姿をあらわします。

イワン雷帝ゆかりの古い修道院、キリロ・ベロゼリスキー修道院の歴史は古く、16世紀まで遡ります。ところどころ崩れた城壁が、時代の荒波を乗り越えてきた歴史を感じさせます。

城壁内には、さまざまな礼拝堂や聖堂がありますが、いくつかはいまも実際に使われている「生きた修道院」です。
広い敷地には、
かわいい野花が咲き乱れてロシアの良き田舎風景を楽しむことができます。

見所は、敷地の奥にある
広大な湖。修道院の門を抜けると、さーと広がる美しい湖。この湖の水で顔を洗うと若返る!?という話もあるそうな・・・。ここに行ったら、ぜひ試してみてくださいね。

修道院内のウスペンスキー聖堂 

青空に映える白壁

効き目あり?!若返りの湖

<世界遺産・キジー島>
世界遺産にも指定されている木造教会群が知られるキジー島。実は私たち、前にもここに来たことがあるのです。そのときは列車で近くの街に行き、自力で小型船に乗ってやっとたどりついたのですが、そのときの木造教会と島の自然の美しさが忘れられず、ぜひもう一度訪れたいと願っていました。

そんなこともあり、船から青い
オネガ湖に日を受けて輝くたまねぎ頭の木造教会群が見えたとき、涙が出そうになりました。その姿は、神々しくも雄大で、私たちを歓迎してくれているように見えました。

釘を一本も使っていないといわれるこの木造教会。細部まで計算されてつくられた驚異的な「作品」なのです。
うろこ模様のドーム屋根は、ひとつひとつカーブの違う無数の小さな木片がジグソーパズルのように組み合わされてできています。プレオブラジェンスカヤ教会だけで3万個以上の木片が使われているそうです。
小さな
木片はヤマナラシという木から作られています。このヤマナラシの木片、雨が降ると湿気を吸って黒くなり、太陽に照らされると乾いて白くなり、光と影が素晴らしい階調を織りなして、ドーム屋根が銀色に光り輝きだすという仕組みなのです。屋根を銀色に塗っているわけじゃないんですよ!

さて、たくさんある玉葱ドーム。一体いくつあるか気になりませんか? イエスが十字架に磔にされたのが33歳、それで木造教会群のドーム総数は33個なのだそうです。
キジー島の波止場に到着。遠くに見える教会。以前のキジー島訪問では、写真のような小型船に乗ってやって来て、その日のうちに町まで帰らなければならなかったのです。今回は客船ですので安心です。

キジー島の木造教会群。左からポクロフスカヤ教会、
鐘楼、一番大きな教会がプレオブラジェンスカヤ教会。

オネガ湖に浮かぶ木造教会群

小さな木片が組み合わされた
ドーム

湖に映えるシルエット

青い湖と島の大自然

風車などの木造建築もあります

可憐な クィーン アンズ レース

バターカップ

湖畔でひと休み

はいチーズ。島の子供たち
 キジー島の素晴らしさは、この木造教会だけではありません。キジー島は島全体が屋外博物館になっています。木造教会は島の先端にありますが、ぜひ島の中心部まで散策に行ってみてください。そこは古い木造礼拝堂が建つ小高い丘になっています。丘の上から碧くきらめくような湖や、そこに点々と浮かぶ島々が見渡せ、その美しさに心が洗われます。

 広い草原には、小さな白い花びらが集まったような
クィーン アンズ レース(Queen Anne's Lace)や、黄色い花が可愛いバターカップ(Buttercup)、クローバーやたんぽぽの綿帽子など、素朴で愛らしい草花が咲き乱れています。

 島には50人ほどの住人がいて、散歩をしていると、住人達がゆったりと日光浴をしたり魚釣りをしている光景が目に入ります。島全体が自然保護区になっているとはいえ、
キジーは人と自然が共存する島でもあるのです。華やかな春の季節からオネガ湖が凍る厳しい冬まで、一年を通して彼らはここに住んでいるのです。

 いつまでも、自然溢れるキジー島の美しさに浸っていたいのですが、キジー島への交通機関は船だけで、宿泊施設もありません。
船に乗り遅れないようにしてくださいね!!

<マンドロギ>
ロシア人に愛され続ける詩人プーシキン。プーシキンは「ルスランとリュドミラ」、「金鶏」、「金の魚」など多くのおとぎ話を書き残した詩人で、その
ロシアおとぎ話の不思議な世界をテーマ・パークにしてしまったのがマンドロギなのです。船がマンドロギに着いたときから、おとぎ話の雰囲気漂う空気にワクワクドキドキ。もしかしたら、それは昼食のロシア風バーベキュー「シャシリク」を待ち望む私たちのお腹の音かも知れません(笑)。

そんな興奮の中、夢の国マンドロギの探索開始!
野草が生い茂り、可憐な草花が咲き誇る・・・とはいっても、やはりテーマ・パーク、きちんと
遊歩道も整備されていて、かわいい草花を見ながら楽しく散策できます。

静かなる池を渡ると、そこは鬱蒼と茂るロシアの森。プーシキンの童話の登場人物たちが次々と現れ、おとぎ話の世界に迷い込んでしまったようです。
小さな動物園にもなっていて、熊もいるし(!)、身近にかわいい小動物たちを見てちょっと得した気分。
ちょうどお腹が空く頃に
野外テントでシャシリクをほおばります。
腹ごしらえができたら、
アーチェリーに挑戦したり、馬小屋に行ってみるのもいいですね。
手工芸センターでは職人さん達の手さばきを見ることができて、手作り体験もできます。
ウォッカ・テイスティングができるウォッカ博物館もありました。
街や教会の観光だけでなく、船旅の中にマンドロギのようなロシア民族テーマ・パークが入っていたのは意外でしたが、子供のように楽しく遊ぶことができて、これが結構嬉しかったです。


澄んだ湖と青い空。
プーシキンの夢の島へようこそ

プーシキンの島へは、自分たちで筏を漕いで渡ります

おとぎ話の主人公達が待つ森

たぬき(?)もいます。

素晴らしい職人芸を体験

馬って、かわいい〜!

キター!待望のシャシリク!

船の旅で気になるのは、同じ船の人々と仲良くできるかどうか・・・。内気で人見知りな(?)日本人の私たちは、言葉の通じない他の国からの人々とうまくやっていけるかどうか、心配していたのでした。
でも、そんな心配はご無用。
イベントや学習会、パーティなど、よく考えられたプログラムがたくさん用意されていて、初対面の人たちとも徐々にうち解けあっていき、最終日には別れの熱い言葉を語るようにまでなってしまったのです。私たちにとっては、こんな風に他国の人々と交流を持てたというのは結構感動の旅だったのです。

楽しいプログラムの数々・・・

『簡単ロシア語講座』
「スパシーバ(ありがとう)」からはじまって、お買い物に使える便利なフレーズまで、優しく教えてくれるので、みんなで楽しみながらロシア語を覚えていけます。写真は「ピーヴァ」(ビールのこと)の発音練習(必須単語?)

そのまま『ロシア民謡を歌おう』に移行。お馴染み「カチューシャ」に「カリンカ」、母なるヴォルガを謡った「ステンカ・ラージン」など、ドイツ人、イタリア人、イギリス人、アメリカ人、日本人みんな揃っての大合唱となりました。

『船上国際交流会議』って、早い話が通訳を介してのおしゃべり。イタリア人とロシア人と日本人が余暇の過ごし方の違いについて話し合いました。

ロシア民謡グループ「コラージュ」のミニコンサート。この歌と演奏がすばらしかった! 伝統的なロシア音楽を思う存分味わうことができました。

『操縦室の船長訪問会』。舵を握らせてもらったり、大きな双眼鏡をのぞかせてもらったり、気分は船長!

『海賊パーティ』。海賊ルックコンテスト優勝者!

ゲーム大会。任務は股下につるしたビール瓶でピンポン球を打って誘導すること。男の股間をかけた(?)真剣勝負です!

『ヘアースタイルコンテスト』出場者の美女たち。船内の美容室で丁寧に髪を結ってもらいました。

ドイツ人の大宴会では、民謡の大合唱がはじまりました。すごい盛り上がりは、ドイツのビアホールを思わせるものでした。
とにかく毎日毎晩、イベント・プログラムが用意されていて、乗客を飽きさせないような工夫に感激したのですが、そんななか驚かされたのが、こういったイベントに思いっきりノッテ、とことん楽しんじゃおうというドイツやイタリアの人々の意気込みと熱意(笑)でした。


私たち日本人も負けてはいられない、ということで日本代表(って、3人しかいないんですが)で、かくし芸大会で「カチューシャ」を熱唱。歌詞をなんとか調べて、日本語で歌ったのですが、異国情緒をかもしだしたのか、みんな大喜びしてくれました。

いつも優しい「コラージュ」のビクトルさん

民族楽器の使い方を教わって、一緒にコンサート即席出演
それだけではありません。私は通訳のおばさん(中央アジアはタタール地方出身らしい)に突如「タタール人をやらないか?」(!?)と強引にスカウトされ、ドイツ人演芸大会に飛び込み出演させられました。その役は、タタール人のあやしいじいさん(?)。顔にマジックでおもいっきりヒゲを描かれ、杖をつきながらステージにのぼり、通訳のおばさんに誘われるまま、狂ったように踊ったあげく、勢いよく(←ここが大切らしい・・・)ぶったおれるというもの(痛いよ〜)。そのあとなぜかドイツ人医師たちが出てきて(?)、注射を打たれて(??)、担架で運ばれる(???)のです(なんの話なんだ?)。頭はクラクラするし、ドイツ人医師は怖くて何言ってるか分からないし(笑)、あせりました。観客からは大喝采を浴び、ビデオまで撮られたのですが・・・(はずかしい・・・)。
「カチューシャ」と「恋のバカンス」を日本語とロシア語で大熱唱の日露混合グループ

ドイツ人観客を前にタタールじいさんを熱演。あろうことか、次の日にもイタリア人観客の前で同じことをやらされました(涙)。猿回しのおさるになったような気分です(笑)
最後の晩は、さよならディナー
かわいいケーキの行進です。
旅が終わる日、乗客たちは、素晴らしいサービスを尽くしてくれたクルー達ひとりひとりにお礼を言いながら下船していきました。
そして、プログラムを通して仲良くなった乗客たち同士、
言葉は通じなくても抱き合ったり握手をしたり、それぞれの国の言葉でお別れの挨拶を交わしました。

私たちが旅したのは白夜の頃で、とても素晴らしい風景でした。でも、春は眩しいばかりの新緑、秋は日光のように輝く黄金色の黄葉と、それぞれの季節ごとにロシアの素晴らしい景色を体感できると思います。
この旅の思い出は、いつまでも忘れられません。
本当に楽しい素敵な船の旅でした。
船旅うら話

ロシアの蚊(接写拡大写真です)
川なので夏はが多かったです。水路に沈む夕日を見ていると、ブス、ブスっと狙ってきます。 それほど恐れることはないですが、虫除けスプレーなどあると便利かもしれません。
じっとこちらの様子をうかがうカモメ
キジー島ではカモメがまれに人を襲うことがあります。巣の近くに寄ろうとしたとき、親鳥が決死のアタックをかけてきたのでおののきました。
「さようなら」
船では毎日「今日のカクテル」をすすめられます。最後の日のカクテルは「ダスヴィダーニヤ(さようなら)」でした。注文しようとしたらウエートレスになぜか「おすすめしません」と注意されました。それでも無理に注文して飲んでみたら・・・。後はご想像におまかせします。
ロシアの船旅をしてみたいなぁと思った方。詳しくは、こちらへお問い合わせください。→ ネットトラベルサービス
モスクワの中心。トベルスカヤ通りの大型書店は夜遅く(早朝2時!)まで営業しています。大きな本屋さんはいつもたくさんの人でにぎわっています。
ソ連時代から、ロシア人は「読む国民」と呼ばれ、世界で最も読書好きの国として知られてきました。もっとも、最近はロシアでも読書離れが進行中。インターネットやビデオ、DVD、ショッピング、携帯チャットなど、読書以外の娯楽が増えたこともあり、「まったく本を買わない」という人も増えているようです。それでも2004年にロシアで一年間に発行された書籍は6億8千万冊。これは日本で1年間に発行される書籍7億冊と匹敵する数字です。
実はソ連崩壊の年、1991年にはロシアで一年間に発行される書籍数は
16億冊と膨大でした。今は書籍数は減りましたが、逆にタイトル数は急増し、多種多様な書籍が出回るようになりました。

モスクワでも本屋さんが増え、街の中心の大型書店の広大な売り場には、ありとあやゆるジャンルの本が並べられています。

ロシアで人気なのはなんといって探偵小説。売り上げのベスト6位まで、ユーモア探偵小説の女性作家たちがしめているのです。トップはダリヤ・ドンツォーヴァ女史で、彼女の推理小説のシリーズは2004年の一年間で
1800万冊売れたというから驚きです(日本における売り上げ最大の本は『広辞苑』で発行数1300万部)。
書店の目立つ場所に「日本の小説コーナー」が
そんななか、最近ブームになっているのが日本の小説や日本をテーマにした本。芥川龍之介から太宰治、三島由紀夫などの古典から吉本ばなな、村上龍、鈴木光司など、さまざまな日本の小説が翻訳され書店の目立つ場所に置かれています。 最近は横溝正史の「犬神家の一族」と「八つ墓村」が出版され話題になってます。

しかし、なんといっても一番人気は、
昨今の日本文学ブームのさきがけともなった村上春樹。ハルキ本はどれもベストセラーとなっています。
その村上春樹をロシアで
最初に翻訳・紹介したのがドミトリー・コヴァレーニンという人。この人は自著の村上春樹の解説本も出しているのですが、その中にある「村上春樹がロシアで出版されるまでにいたったエピソード」が実に面白いので紹介します。

コヴァレーニン氏は翻訳家としてデビューする前、日本に来て、新潟の港で通訳として働いていたそうです。朝から晩まで労働に追われるだけの毎日。文学を志しながらも自身の進む道を見失って悩んでいたコヴァレーニン氏は、村上春樹の「羊をめぐる冒険」と出会い、その世界にすっかり魅了されてしまいます。そして誰に頼まれたわけでもないのに、仕事が終わった後のアパートの部屋で
夜な夜な翻訳をはじめ、3年かけてやっと完成。その後ロシアに帰った彼は、これを出版したいと思ったのですが、出版社とどうやってコンタクトをとればよいか分からない。そこで彼は自分のサイトをつくって、村上春樹の私的ロシア語訳をインターネット上で公開します。そのうちネットで村上春樹が知る人ぞ知る存在となり、大きな反響を得て、ついに出版社から話がきます。喜んだコヴァレーニン氏でしたが、出版の条件はなんと「出版に関わる費用をコヴァレーニン氏が負担すること」でした。資金の持ち合わせのなかった彼はあきらめざるをえなかったのです。
もうダメかと絶望しかけた彼の前に、「村上春樹の出版にかかる費用をすべて負担しよう」という謎の人物が現れます。コヴァレーニン氏にもよく分からないそうですが、その人物、どうやら「闇の仕事」(?)をしている人らしいです。でも村上春樹の大ファンでぜひ出版に力を貸したいという。「ふだんは悪いことをしているので、たまには良いことをしたい」(??)と言うその人のバックアップで、ドミトリー・コヴァレーニン訳による村上春樹の「羊をめぐる冒険」がやっと、ロシアではじめて出版されたのです。

ロシアの
インターネットの翻訳小説の無許可掲載→闇のフィクサーによる協力→出版→ベストセラーという経緯がいかにも現代ロシア的で面白いのですが、やはりなんといっても、コヴァレーニン氏の村上春樹への愛や情熱が、周りを動かし、不可能を可能にしたといえるでしょう。その後、村上春樹はロシアで大ベストセラーになり、現代日本文学ブームを呼び起こします。たくさんのロシア人が日本文学を手にすることになったことを考えると彼の功績は多大なものがあります。この話をきいたとき、たったひとりの夢や情熱が、誰かに伝わり、世界を変えるきっかけになることもあるのだと知って、感動しました。ちなみにドミトリー・コヴァレーニンの翻訳は原作の雰囲気を見事にロシア語で伝えており、素晴らしいです。時間と情熱をつぎこんだ彼の訳もベストセラーに大きく貢献していると思います。

これがロシア語版・村上春樹「羊をめぐる冒険」。羊と寿司とお箸の組み合わせがけっこうポップです。

ロシア語版・吉本ばなな「キッチン」。お箸を持った黒髪女性が印象的なデザイン。やはり日本色を強調せざるには・・・。
編集者のつぶやき
この時期、ロシアの人々は秋の終わりを惜しむように森や公園を散歩しまくっています(冬になっても散歩してますが・・・。)。ロシア人の心の中には、明るい光に満ちた日々の終わりをわびしく思う反面、森の木々が黄金に染まり散っていく姿を愛する複雑な気持ちがあると思います。
プーシキンの有名な詩に「秋」というのがあるのですが、そこにロシア人の秋を愛し、同時に憂う気持ちがよくあらわれています。

心沈むころ、目に映る魅惑の季節
わたしにはきみの別れの美しさが心地よい
ふくよかな自然がしおれていく姿や
紫や金に着飾った森が好きだ
木陰の風のざわめき ひんやりとした息づかい
波立つ霧に覆われた空
わずかな日差し、最初の寒波
遠くに見る白髪の冬の脅威

ロシアの秋はあっという間に終わり、長い冬がやってきます。でもロシアの人々は厳しい寒さなどものともしません。辺り一面が真っ白な雪でつつまれ、子供たちが元気よく外でそり遊びをする冬は、劇場やホールで連日すばらしいバレエや、オペラ、コンサート、演劇が催され、スケートやスキー、ホッケーなどのスポーツが本格化する季節でもあるのです。ウォッカが最高においしい時期でもあります。人は冬にさまざまな喜びを見いだすのです。(g,ひ)
Privet!ロシア
(プリヴェット!ロシア
net版
ツムラーレコーポレーション(モスクワ)
発行日:2005年11月16日
記事・編集・写真:gonza, ひよこ
ロシアや北欧への旅行とビザのことならネットトラベルサービス
Privet!ロシアでご紹介した旅のことをはじめ、ロシアへの旅行のことなら、 おまかせください!
ロシア(モスクワ、サンクトペテルスブルグ)や北欧、東欧各国に日本人スタッフが駐在し、 個人・団体旅行の手配、ビザ取得、航空券、ホテルなどのお世話をさせていただいています。
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