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番外編:ロシアのCMに出演(体験記) (2007/8/5追加 by gonza)

どーでもいいことですが・・・

ロシぴろのgonzaとひよこがちょい役出演しているテレビCMが今ロシアで放映中です。

それがセクシーランジェリー姿のロシア女性が大挙出てくるちょっと怪しいものでして・・・。

下着ではなくSocos(ソーカス)という名のジュースのコマーシャルなんですが。


舞台はフランス。スキーリゾートのホテル。

突然ドアが開き、どんどん出てくる肌も露わなロシア美女軍団。

「ええー!?」。スキーを楽しもうとフランスまでやってきた平和ボケ日本人ふたりは仰天して、なすすべもなく首をふるばかり・・・(なんのこっちゃ???)。

さて、どうしてそんなことが起こったのか?? そのオチはCMを見てください。

ロシアの動画サイト「LoadUp」に映像がアップされていました。下のリンクか、画面内の矢印をクリックすればCMが見られます。


ソーカスCM スキーリゾート篇
http://smotri.com/video/view/?id=v232813d045#
テロップとナレーションの意味は次の通り
【テロップ】
АЛЬПИЙСКИЙ КУРОРТ, ФРАНЦИЯ
アルプス地方のリゾート地。フランス。

【最後のナレーション】
≪Одни упиваются сказками о сладкой жизни .
Другие ? пьют сок.
Стопроцентный сок.
Ничего кроме сока≫.

甘い人生話に酔いしれる人もいれば、ジュースを飲む人もいます。
100パーセントジュース『ソーカス』。
果汁のほかになにも入っていません。

↑バックに流れるのは、80年代にヒットしたタコの『踊るリッツの夜』。なつかしいですね

分かりましたか〜?

私たちの出番はほんの3秒程度ですが、撮影は朝から晩までかかりました。いろんな場面を何回も何回も撮り直しされたのですが、最終的に残ったのはこのカットだけ。何度も「首振り」やらされたので、首がいたくなりました(笑)。

大勢のモデルさんたちが下着姿でうろうろするので、目のやり場には困るし・・・。

設定はフランスの高級リゾートホテルですが、実際にはモスクワのホテルのナイトクラブで撮影が行われました。

でも、クラブを3日間借り切り、本格的なセットを組んで、大型照明装置を設置したり、レールでカメラを動かしたり、かなりの気合いの入りようです。

しかもヨーロッパ(イギリス?)から有名な監督と撮影監督を招待しての国際プロジェクトらしい(←スタッフ談)。集められたモデルやキャストは100名以上・・・。

この「外国人監督」。結構絵づくりに凝るので、ダメだし続出。ロシア人スタッフの間に緊張が走り、モデルさんたち、何度も何度も下着姿で歩かされてました。撮影が行われたのは冬だったので、鳥肌立っていました。モデルの仕事もたいへんですね。

しかし、さすがはロシア。撮影の合間に(ランジェリー姿で!)トルストイの『アンナカレーニナ』を読んでいたゴージャスで超美人のモデルさんがいました!(なんで?)。

しかし、CM制作って短い時間に労力と金を湯水のように使うのですね。

経済成長を背景に、ロシア広告業界は絶好調だそうです。テレビ局も羽振りがいいらしく、チャンネルもどんどん増えて、私のモスクワのボロアパートでさえ今や17チャンネル見られます。街は大型広告看板にあふれ、景観問題から市当局は「規制しなければ」といっています。

さて、できあがったCMですが、最初は「ん?」と思ったのですが、結構おもしろかったです。
見るほどに笑えてくる、するめのようなCMだと思いますがどうでしょうか?


実はこのCM、実話をもとにしてまして、ロシアの「オリガルフ」(新興財閥)ミハイル・プロホロフが、フランスの高級スキーリゾートで休暇中にロシア人売春婦ら26人を同伴して、売春斡旋容疑で逮捕された事件をパロッています。

世界最大のニッケル生産会社の社長であるプロホロフ社長は、1本200万円もするのワインを給仕に振る舞ったり、4700万円の時計を売春婦たちに買い与えていたそうです。結局この休暇で30億円以上の金を大判振る舞いしたそうな。

しかもこの男、若くて甘いマスクのプレイボーイというから腹が立つ(!?) 彼の総資産は約8000億円ともいわれてます。どんだけー!?

スリランカの国家収入(約6500億円/07年)より多いではないかー!?

年金では食べていけなくて生活費の足しにするため廃品回収用の空き瓶をゴミ箱からひろっているおじいさん、おばあさんもまだいる一方、こんな人たちもいるのです。ロシアはすごい国です。

しかし、格差社会といわれるようになり、年金システムが破綻しかかっている日本の未来も・・・。ひとごとじゃないかも。

撮影現場風景

「現場」は人でいっぱい。朝からすごい活気です。

ナイトクラブ内に作られたセットの一部。

撮影機材も本格的。

建物の外部には大きなレフ板が設置されました。

トルストイを読んでいた女の子。時間かけて撮ったこの女の子のシーンはかわいそうに全部カットされちゃいました。

世界中から観光客が集まるリゾートホテルという設定のため、外国人顔のエキストラがたくさん来ていました。でも本当の外国人は私たちだけ?
ロシアンモデル軍団

所属モデルを寒さと好奇の目(?)から守るため、モデルエージェントの女社長が一生懸命モデルさんを布団でくるんでいました。

まんなかにいる男前くんが外人監督。

ストッキング直して!衣装にも細かい要求が飛びます。

また撮り直し。ただいま待機中

モデルさんも疲れぎみ。超高ハイヒールで立ち通しはたいへんでしょう。でも、ずっと気を張って立っていたモデルさんもいました。プロだと思いました。

監督の休憩所やスタッフのための食事施設を備えたロケトラックも出動。昼食時には長い行列ができました。私たちも並んでしっかりボルシチとじゃがいもの配給をうけました。


「ソーカス」シリーズCM

この「ソーカス(Sokos)」のCM。実はシリーズものでして、過去には下記の別バージョンもありました。
曲や最後のナレーションはシリーズ共通。どれが一番おもしろいでしょうか?
こちらは以下で見ることができます。

ソーカスCM ペット篇
http://www.youtube.com/watch?v=ii78CO_XICU


ソーカスCM 海辺篇
http://www.youtube.com/watch?v=vG3M51E9Nwc


おまけ話:首振り

監督の要求に従い、目の前を通り過ぎる美しいモデルさんたちのランジェリー姿に、心臓バクバクしながらも、何度も何度も首を振り続けた私。

どうも(イギリス人)監督と気持ちのすれ違いの多かったように感じたロシア人助監督からは事前に

「びっくりしながらも、「ひゅ〜」という感じで、徐々にすけべでにやけた表情になっていってくれ」

と、細かい(?)演技指導が出されました。

「そんなもんできるか!」と思いながらも、自分なりに一生懸命要求をこなそうとしたのですが、本番では、モデルさんたち構わずどんどんどんどん通りすぎるので、そんなことやっていたらとても間に合わない(汗)というか、そんな演技いらない((涙)、ということで、結局、監督から「ただ首を振ってくれ」といわれました(涙涙)。

さて、CM最大の見せ場のモデルさんたちが集団で闊歩するシーン。
ひとつのカットに要した時間は3時間以上!

永遠に続くのではないかと思われた監督の執拗な撮り直し要求に、寒さで鳥肌を立てまくり、極高ヒールでずっと立ち通しのモデルさんたちの間に不穏な空気が流れはじめました。

そこで善良な日本人の私。「高速首振り準備運動」と称して、「ラス、ドゥヴァ、ラス、ドゥヴァ(1,2,1,2)」とひとりで高速で首を動かしていたら、うけてました(汗)。

モデルさんたちをリラックスさせるのには役だったかもしれませんが、あほの東洋人と思われたでしょう。

いまとなっては、すべてがなつかしくも苦い思い出です・・・。

(gonza)


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