夏になるとロシアの街角に突如出現する黄色いタンク。これ何だと思いますか?
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夏のロシアのけだるい午後。広がる薄青空と黄色いタンク。おばさんが物憂げに座り続けている様子は、まるで時間がとまってしまったかのようです。 |
日本で夏の味というと、かき氷
やところてん
。氷を浮かべた白いカルピス
(←なつかしいな♪)を思い浮かべる人もいるでしょう・・・。(いいな〜)。
ロシア人にとっての夏の味は、なんといっても、冷たく冷やした黒のクヴァ〜〜ス(クワス:кваc)。
そして夏の風物詩といえばこの黄色いタンクです。
この黄色いタンクの中には、清涼飲料「クワス」がたっぷり入っていて、おばさんが蛇口からじょぼじょぼとプラスチックのコップに注いでくれます。
暑い夏の日は、冷えたクワスをぐいと飲みほすのがロシア流。ペットボトル持参でリッター単位で購入している人もいます。
クワスはライ麦や大麦を発酵させたロシアの伝統的な清浄飲料水で、家庭では黒パンを材料につくられます。(1)黒パンを家庭によって独自の作り方があったりして、ですからロシア人にとって家庭の味であるんですね。
クワスは見かけも味も黒ビール
に似ていますが、アルコールをほとんど含まず、ほんのり甘くて、独自のコク味があります。
プラスチックのコップに注いでくれます。サイズは小と大。特大(ペットボトル持参のこと)もあります。 |
初めはとまどうかもしれません。
でも慣れるとハマる!このクワス。
私も最初ちょっと苦手でした。
でも、そのうち病みつきになり、@ヽ(T◇T)ノ クレェ〜!
今や毎日コレ飲まないと手が震えます(アル中かっ!)。
クワスは、すぐれた健康飲料でもあるのです。
生きた酵母が使われおり、ケフィア等の発酵乳のように、腸内の悪玉菌を倒し、胃腸の調子を整えます。
また、不足しがちな各種ビタミンやアミノ酸をたっぷり含み、身体の新陳代謝を促進し、血流を改善し、滋養強壮にも効くそうです。
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ソ連が崩壊後、西側の大手飲料メーカーがロシアで活発なマーケティング戦略を展開しはじめた90年代。
皆がコカコーラやペプシなどの欧米ブランドの清浄飲料水を求めるようになり、クワスは日陰においやられました。
しかし、ここ数年、化合物を含まない自然で体に良い飲み物として見直され、クワス人気急上昇。
ペットボトルや缶のクワスもたくさん出回るようになり、猛暑も手伝って多くの店で品切れに。
ロシアにおける2006年度のクワス市場は約3億6千万リットルで、2004年から毎年50%の高い伸びを続けているそうです。
今年はさらなる成長が見込まれるとのことで、参入メーカーも増え、今やコカコーラ社やペプシ社までクワス飲料を発売予定です。
クワス人気の背景には、欧米資本の大量流入に翻弄された90年代の反動と、石油高騰で経済に自信をつけ、自国の文化やモノに誇りをもとう!という今のロシアの動きもあるかもしれません。
そんな今注目のクワス。ロシアにお寄りの際は、ぜひ一度お試しあれ。さらに挑戦してみたい人には、「アクローシカ(オクローシカ)」っていうクワスを使った冷たいスープなんかもありますよ。
これがアクローシカ。細かく刻んだソーセージや
さて、ここで、ネットで見つけたクワスのおもしろCM映像をご紹介!(第1弾)
ちょっとエロっぽいCM。Квас
Лидский
「クワスだ。『リーツキー』!」
天然発酵クワス。「ほらそれ!」「そっちそっち!」
『リーツキー』は裏切らない!
ソ連農業コルホーズ風CM。Квас
Никола。
本物の黒パン穀物からつくるクワス。わしらの先代もみんな飲んでおったでの。祝いの日にも。友との乾杯の席にもクワスはあった。クワスさえあれば病気とも縁なしじゃった。
それからじゃ。大量の飲み物が洪水がやってきたのは・・・。
しかし、ニコーラは言いよった。
「身体に悪いものはもうたくさん!。ニセモノはもういらない! 皆には『ニコーラ』があるではないか。ビタミンと天然麦芽の産物が。」
クワス『ニコーラ』。『ニコーラ』を飲みなさい。
その他
ロシアサウナ(バーニャ)ときたらクワス。
http://video.mail.ru/mail/dublfil/38/69.html
疲れたときにはクワス。Очаково(海外CM)
http://video.mail.ru/mail/movsar2004/15/125.html
ロシアンぴろしき / gonza
http://www.rosianotomo.com