ラーメン中華
ロシア・ホームステイ手記

−第1回−

洗礼


ロシアの大学へ留学
初めまして。初投稿します。僕は今、モスクワにあるP大学で勉強しているのですが、このページを見ている人の中にはロシアの留学を考えている人もいることでしょう。そこで僕のロシアでの生活について、少し書こうと思います。何か参考になればうれしいです。

僕は初め、大学の寮で生活していたのですが、そこでの生活に疑問を抱き、部屋を借りようと決めました。大学から遠すぎず、おばあちゃんがいるということを条件に探し始めました。なぜおばあちゃんがいることを条件にしたかというと、食事を作ってくれるだろうという、ふぬけた考えからだったのですが、ついていた事に、そのような物件がほどなく見つかり、そこの一室を借りることに決めました。


クバルチーラ
(教科書「ロシア語を話しましょう」より)
そのクバルチーラ(ロシアのアパート)は3部屋とキッチン、バス、トイレから成り、おばあちゃんとその息子さん(45才位)、お孫さん(12才の男の子。両親はすでに亡くなっていて、おばあちゃんが後見人として引き取っています)との生活が始まった訳です。

初めは全てが理想通りに思え、そこでの生活に満足していました。

一週間程たったある晩、おばあちゃんの息子さん(Sさんと呼ぶことにします)がベットの上で唸り始めました。僕はあまり気にしないで、お孫さん(A君と呼ぶことにします)と一緒にテレビを見てたのですが、突然Sさんが立ち上がり、きたない言葉を並べ立て、彼にとって甥にあたるA君に歩み寄り、力まかせにつきとばし、不平を口にし暴れ始めました。

かわいそうなA君は泣きながら洗面台にかけ込み、かぎをかけ泣いていました。おばあちゃんはSさんを落ち着かせようとしたのですが、そのうち二人の間で口論が始まり、どなり声と汚い言葉がクバルチーラに響き渡りました。僕はあっけにとられ、どうすればいいか全く分からず、まさに茫然自失の状態でいました。結局その日は警察を呼びSさんを連れていってもらい、やっと僕らのクバルチーラは平常を取り戻しました。


アルコール依存はロシアの深刻な社会問題
ロシアと言えばウォッカ、ウォッカといえばアル中。そうです。Sさんはアル中だったのです。もちろん僕はショックを受けました。だけどこれが本当のロシア人の家庭なのかもと思い、それを体験できる喜びとともに、変な気持ちになりました。おっちゃん(Sさん)は次の日に帰って来て、何もなかったかのように生活に入ってきました。

この家族の真の姿(!?)をかいま見てしまった僕は、それ以降もさまざまな人生模様を見ることになるのです。

(つづく。予定)
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