20040828G
ぴえるばや特派員

ロシア旅客機同時遭難・墜落事件


航空路と墜落現場の地図

2004年8月26日深夜現在の情報を簡単に取りまとめた物です。

モスクワ夏時間8月24日23時前後に数分の間隔をあけて、モスクワ・ドモジェドボ空港を離陸した国内線旅客機2機が遭難・空中爆発と考えられる墜落となりました。

■ボルガ航空 正式名称/ボルガ・エアーエクスプレスВОЛГА  АВИА ЭКСПРЕСС

ツポレフ134型機(Ту-134)1047便22:20離陸。乗客34名・乗務員8名を乗せボルゴグラード(グマルク)へ向かっていた所モスクワ州南のトゥーラ州でモスクワ時間24日22:56頃コントロールのレーダーから消滅
■シベリア航空 正式名称/航空会社シベリアавиакомпании "Сибирь"
ツポレフ154型機(Ту-154) 機体番号RA-85556 21;25離陸乗客44名・乗務員8名を乗せ、ソチ(アドリェル)へ向かっていた所ロストフ州上空でモスクワ時間24日22:59頃から数分間非常事態を知らせる信号が送信されたが23:04頃コントロールのレーダーから消滅※シベリア航空公式サイト http://www.s7.ru/  にて同社の見解が掲載されています。



ロストフ州 シベリア航空1047便 墜落現場HTB(エヌテーヴェー)画面より


不可解な事件・事故??

 航空機事故・事件史上9.11米国同時多発テロに続く航空機を使ったテロという事であれば今回で2度目という事になります。
8月29日にロシア連邦チェチェン共和国の大統領選挙を控えており、当初は英国ロンドンに亡命中のチェチェン武装勢力による犯行ではないかという憶測もありましたが、ロシア政府の公式見解ではチェチェンテロリストによる犯行とは断言できないとしていますが、非常事態省・連邦保安局などはテロによる事件として調査を進めている模様です。


現在確定・ほぼ確定している情報

■チェチェン武装勢力(マスハドフ派)が今回の事件に関与していないと声明を出しているが、いくつかあるグループによるテロかどうか、そしてチェチェンテロリストによるテロとは断定出来ない。あらゆる捜査機関との連携で原因追求と遺体捜索に当たっている。
■空中で爆発した事により、機体が広範囲に散乱し遺体回収も困難を極めているが、地元住民の協力により捜索を続けている。
■プーチン大統領の指示で、ロシア国内外を発着する全ての航空機・船舶の厳重な検査体制を実施し、空港・港などの民間施設をも含めて内務省の部隊が警備指揮をとる。
■在ロシア(モスクワにある)アメリカ大使からロシア外務省を通じて我が国(ロシア)の捜査機関協力の申し出があるが必要と判断した場合にアメリカ他とさらなる連携を考慮している。
■当該航空機に搭乗手続きを済ませた人物の中にコーカサス地方の人物名が乗客リストにある。
■シベリア航空機は航空路管制レーダーから消失する前に非常事態を知らせる信号を送信している。
■フライトレコーダー・ボイスレコーダーを回収し分析を急いでいる。
■英国のマスハドフ派スポークスマンは「我々の関与を否定するが、チェチェン人が犯行に関与していないとはいいきれない状況にある」と公表している。

 しかし、不可解な事件として犯行声明がどこからも出ていないという点です。マスハードフ派をロシアプーチン政権は「テロリスト」として見ていますが、マスハードフ派の関与を否定するロシア政府高官の主張もあり、又手口が今までのロシア連邦内で使われてきた過激派のテログループなどは犯行声明もしくは予告が出されており、9.11(September Eleven)のテロを思い出させるあたらしい手口という事でロシア国内ではチェチェン大統領選挙をひかえた不安材料となっていますが、ロシア国内の移動には航空機はかかせない移動手段の為、徹底したチェック体制がとられていますが地方空港など人員不足の空港もあり統一されたチェック体制は無理ではないかという意見も報じられています。

 

 

ツポレフ134型機 参考資料 http://www.e-ticket.ru/aircraft/TU-134_vc.asp   ツポレフ154型機 参考資料 http://www.e-ticket.ru/aircraft/tu154.asp 

 

情報ソース ラジオロシア・エヌテーヴェー・エコーモスクワ・ラジオスヴァボーダ・BBC・VOA・ドイチェヴェレTV・ガゼータルー他

 




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