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日本庶民にとって手が届きにくい物がとにかく売れるロシア

投稿:ぴえるばやさん


今年は異常なくらいヨーロッパロシアでは「高級」とよばれる類の物が売れます。

例えば、車にいたってはとにかく高級車であればなんでも売れてしまう。その桁というのが300万円や400万円の車ではなく600万円や700万円といった車が次から次へと売れる上、住宅着工件数もここ2年で倍に増えて供給がおいつかない状態で、特に驚いてしまうのがロシアで空調(冷暖房)関係の仕事で納品が全く間に合わないという事がありました。
単純に数が足りないのではなくてロシアの外資系建設業者が廻って探しているのです。つまり需要が爆発的に伸びてしまいロシア向けに元々生産していなかったメーカーがラインをフル稼働させても半年先まで東欧での需要があってさばききれないというのです。まさに「バブル経済元年」と言えます。


しかし日本側は日本国内の景気低迷で相当数の企業がロシアから事実上の撤退をしていますからロシア側の企業にとっても反応が鈍いととられてしまいがちというのも事実でしょうか。
ところが、一度撤退した企業も、日露双方伴にようやく過去の終止符を打つと伴に全く新しいありとあらゆる手法を用いたビジネス展開が始まろうとしています。

1つは日本側にとってはバブル経済の後遺症からリストラや外資導入によりある程度の大手は目処が経ち、日本国内である程度の企業再整備が整いつつあること。特に欧州進出組みにとっては各国に点在していた拠点を統廃合した事で経費が削減出来た事もあるがロシア進出組みも一度手を引いた企業や事業の見直しが計られています。

もう1つは「絵に描いた餅状態」であったロシア経済の建て直しが石油・天然ガスなどの資源輸出を柱といする事で半ば荒療治ともいえる大企業の外貨収益をロシア中央銀行が強制的にルーブル交換をし一般市場にルーブルが流通しだし消費が拡大しつつある事。

そして行方が気になる経済財政システムの本格的な市場経済化がスタートし外国資本の安定した流入で政府主導から民間主導へシフトさせる用意があること。等があげられます。
実際には地方格差が生じているもののロシア連邦全体での統計評価ではGDPも1999年後半2000年で上がりはじめ、2001年以降数パーセント台でGDPが伸びていますので「潜在的な市場」といわれていた時代からシフトアップして「マーケットとして十分な魅力」をのぞかせるようになってきました。


日本というブランドイメージが購買欲をそそる点で今ロシアでもっとも重要なのが、「北米・欧州で評価された日本のブランド製品」がロシアで入手できるかどうかで利益が違ってきます。

というのも実際に身をもってロシア国内の販売会社へ卸た、あるAとBいう名前の日本メーカーの製品があります。Aは日本・アジア・ヨーロッパの一部で使われている製品名で、アメリカではBという製品名で売られています。BというのはAと全く同じ製品ですがBはいわゆる高級ブランド名で全くヨーロッパ向けAも北米向けBも同じ仕様にもかかわらずAは全く売れなかった事があります。
なぜか・・・
得意分野ではなかったA/Bという商材については販売側の要望にまかせていたマーケティングリサーチを改めてしてみた所「ロシアで放送されたアメリカのXXXXというテレビ番組で俳優が使っていたから」という結論が出ました。これは私達日本人も同じ事で、テレビで見た映画で誰かがこんなかっこいい物を使っていた・・・マーケティングリサーチという物は単純に市場調査において今売れている物を評価するのではなく、今後売れるであろう商品・商展開を的確にする必要性があるのと伴に今後どう展開するかを見極める必要性が十分にあります。


日本ブランドは今までの発展途上国と同様の販売戦略法は全くロシアで通用しなくなってきています。それは、庶民向け商品を低価格で良質な物を今売るよりも、高級な物を出来るだけ全面に出し多少に関わらず販売実績を作り上げ、次に庶民でも手が届く商品に時間をかけて厳選しネームバリューと商品を売る方法が一番日本企業にとって進めやすい展開だと思います。

もっと判りやすく言いますと、輸出仕様のトヨタ・セルシオをロシアに持ってくるのではなく北米トヨタ高級車チャンネルのレクサスブランドのセルシオを売って、暫くしてから1000ccクラスのトヨタヤリス(日本名ヴィッツ)を売り歩く・・・と書くと判りやすいでしょうか(笑)
 

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