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〜ロシア生活を体感する写真レポート〜 今日のモスクワ |
2001年9,10月号
今は昔、言論統制がされていた時代、「今日のソ連邦」というロシア大使館発行の雑誌があり、ロシアを知るための貴重な情報源となっていました(すいません。実はバックナンバーを読んだだけで当時のことはよく知りません)。
「今日のモスクワ」では、今のモスクワで暮らす私たちの日常をビジュアルにお伝えします。
モスクワ郵便事情-パート1-(10/8 カメ) | |
よくモスクワに届く手紙は時間がかかると言われますがまさにその通り(笑)一番遅いのでも1ヶ月以上かかるときもあります。荷物もASL便でさえ1ヶ月かかり、モスクワ在住者は不便な思いをしていると思います。 逆もまた同じようにこちらから出した手紙が日本には1ヶ月くらいかかったり、EMSが何故か航空便より遅いなどという現象も存在します。 今回は僕らが一番お世話になっている(笑)郵便局のことですがここでもいろいろなドラマが繰り広げられております。といいますか、毎回何かしら問題が起こり荷物を送るのも一仕事です。 大体、国際便の小包は決まった郵便局からしか送れず、僕が知っているだけで2つしかモスクワにありません。しかも、僕が通っている郵便局は不便な場所にあり、地下鉄やバスを乗り継いで1時間ほどかかってしまいます。寒い日が続くこの季節、大きな袋をもって郵便局に通う様はまさに”サンタクロース”と言っても過言ではないでしょう。(笑) |
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郵便局につくとまず、小包用の記入用紙4枚と宛名用紙に必要事項を記入します。小包用の記入用紙の上の欄にはロシア語で自分の苗字、住所を書き、その下の欄には相手の苗字、国名、町名をロシア語で書き、そして相手の住所をその国の言葉で書きます。その下の欄は品物の名前と数量、合計金額を書きます。(このとき2kg以下の商品を送る場合は1000ルーブル以下の値段を書いておかないと関税がかかります。)あとは右下にあるサイン欄に自分のサインと日付を書いてできあがりですがそれを4枚書くのはなかなか時間がかかるのでいつもはパソコンで打ち出しております。 次に宛名用紙に相手の苗字、国名、町名をロシア語でそしてその下にはその国の言葉(日本に送るのだったら日本語)で住所を書きます。そして一番下には自分の苗字、住所をロシア語で表記してできあがりです。 このような準備ができたら次は品物を包んでもらうための窓口に行きます。その窓口は2つありまして、順番待ちの人がたくさんいるときには列の少ないところに並ぶのが普通なのですが、ここで考えるのが送る人の荷物の量です。人の少ない列に並んだのはいいのですが、1人が大量に荷物を送るため、たの列より時間がかかってしまうこともしばしばあります。 こうして問題なく自分の番にくれば次は郵便局員による荷物検査がはじまります。今までの経験から送れないものは食品類、切手(封筒で発送可)、証明書(KGB、共産党員証、生徒手帳等)、絵画、イコンなどでマトリョーシュカも5個以上は無理らしいです。もし、ここでひっかかると今度は税関のほうに行かされます。僕自身、税関には行ったことがないのですが行かされると税関職員にいろいろと質問されたりしてそこでも時間が取られてしまいます。おもしろいことにこのチェック、郵便局員の気分次第で、もし荷物が多ければ郵便局員の仕事を少しでもらくにするために税関に行かされたりします。これを回避する方法としてはチョコレートを渡しておりますが、効果絶大で対応が全然違ってきます(苦笑) 無事、チェックが過ぎるとようやくその郵便局員が梱包をしてくれます。さすが梱包のプロ、サクサクと梱包・・・と思いきや郵便局員によっては他の郵便局員と話しながらのんびりとする人も・・・。自分で梱包できない分だけたまに甘い包み方されたりすることも・・・。このとき、書籍は別発送となるので書籍は書籍で発送先が同じところでも別に梱包されます。 梱包が終わるととりあえず梱包代の代金をその窓口で払い、次は発送の窓口へ。窓口も小包用と書籍用の窓口があり、まず小包用の窓口に行きます。そこで”航空便”か”船便”かということを言って、手続きをします。(と言っても郵便局員がデータをPCに打ちこむだけですが) こうしてどうにかこうにか荷物を送ることができるわけです。パート2では郵便局で経験したことについて書きたいと思います。さて、ロシアの郵便局ではどのようなことが起こるのか・・・乞うご期待。 |
モスクワは、初雪が降りました。(9/30 ひよこ) | ||||
「今日は朝から寒いなぁ〜。」と思っていたら、今日、9月最後の日に、モスクワは雪が降りました。 もちろん積もるほどの雪ではありませんが。午後5時前に、強い風と共に雪が吹き付けたので、このまま冬突入?かと心配してしまいました。 天気予報によると、これから2〜3日は最低気温-1〜2℃、日中は7〜10℃程度だそうです。 冬の足音が着実に近づいてきています。
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ロシア秋色・・・仙人と遭遇?!(9/26 ひよこ) | ||||||||||||||||||
日本では「紅葉」ですが、ロシアでは「黄金の秋」。やはり紅く色付く木々より黄色くなる木々が多いからなのでしょう。日が照ると木々は本当に黄金のようにまぶしく感じることができます。 先週まではБабье лето(バービィ・レィエタ)といって、小春日和のような良い天気が続いていて、散歩するには本当に気持のいい日和でした。 「はぁ〜、きれいだなぁ。」などと言って、薄着で歩いていると大変です。風邪をひきます。(←再び風邪をひいて苦しんでいる、学習能力のないひよこです。)
気温もググッと下がってきました。今日のモスクワの気温は日中11〜13℃、朝晩は3〜5℃というところ。モスクワにいらっしゃる方は、寒くないように完璧防寒対策してきて下さいね。 さて、そんなよいお天気の時、もうすでにひよこの日課になっている家の近くにあるに泉に水をくみにいきながら(ちゃんとウチにも水道ありますよ。でも地下水ということでモスクワっ子たちも汲みに来ている泉なので、ついつい散歩がてら。)、「あぁ、随分寒くなったものだ。」などと思っていると。 !!!!! その泉の前に、すごい人を発見! なんと!水着姿で泉の前に立っているのです。
恐る恐る「寒くないんですか?」と訊くと「全然。僕は水をかぶってるんですよ。」 バケツに水を汲んで、それを頭からかぶっているらしい。私はその言葉を発する彼の姿にロシアの仙人を見たように感じました。 「こんな貴重な体験を写真に撮らないわけにはいかない!」と偶然にもデジカメを持っていた私は、仙人さんに写真を撮らせてもらうことをお願いしました。
この寒いのに水浴びをしている「芸術は爆発だ!」系の画家さんかと思いきや、ウラジーミルさんは落ち着いたとても感じのいい人でした。 わざわざ、私に個展のカタログを家から持ってきてくれて、素敵な作品を見せてくれました。 ウラジーミルさんのカタログの中から、幾つか作品をご紹介。
彼の作品は、モスクワの風景画が中心なのだそうです。家をモチーフにしているところが、家族をとても大切にするロシア人らしいかな、と思いました。 黄金の秋のいい日和に素敵な出会いが出来ました。 |
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ロシアでのテロ事件報道(9/17 gonza, ひよこ) |
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9/11の米国テロ事件はロシアでも大きく報道され、TVでは毎日のように経過と現況を伝えています。各局が特番を組み、それでサッカー中継が延期になり、国営放送などは一晩中報道を続けた扱いの大きさは、ロシア経済危機や潜水艦クールスクの沈没事故のときにも見られなかったものでした。 テロ事件が起こった日から、モスクワの人々はテロの被害にあった人たちへの慰霊を込めて、モスクワにあるアメリカ大使館に次々と花束を持って訪れました。老若男女、様々な人々が花束を持ち寄り、テロへの憤りと悲しみを訴える姿が報道されました。花束を持ち寄る人々は長い間、後を絶たず続きました。
「ロシアは2年前(モスクワのアパート爆破事件)、1年前(モスクワの繁華街プーシキン広場爆破事件)と無差別テロを受けており、今回のアメリカでのテロに対して誰よりも痛みを感じ、解ることができる。」とプーチン大統領は国民に対するTV演説で訴えました。
このプーチン大統領の声明は、もちろん政治的な背景もあると思いますが、モスクワでのテロ事件の悲劇が背景にあるからこそ出てきた言葉だと思われます。 また、花束を捧げ黙祷する人々も、自分たちの身近に起こった悲痛なイメージや危機感を重ねて、今回のアメリカの惨劇を見ているのかもしれません。 テロ事件後、モスクワにある献血センターには、毎日たくさんの人々が献血をしにやってくるそうです。もちろん、みなアメリカのテロ事件のために不足している血液を補うために献血しに来ているのです。 献血センターの人は「皆このような大事件になると献血が必要だといってやってくるが、実際には、モスクワでは毎日多くの人が事故などで怪我をし、血液が不足して困っている。」とインタビューに答えていたのが印象的でした。献血センターの人は「大事件の時だけ〜」と言っていましたが、それでもすすんで献血しに来るロシア人達は、やっぱり痛みが解る人たちなのだと思いました。 このテロ報道の中で、ロシアのTV各局では、未確認情報として「日本赤軍がテロを行ったとの声明があった。」と報道されていました。日本人である私たちはこの報道に驚きました。よく聞いてみると「日本赤軍の天野と名乗って、今回のテロの声明があった」とのことでした。でもなぜか声明はアラビア語で行われたらしいです。もちろん、報道しているキャスター自身この情報を疑う見解を示していましたが、この声明についてはテロ事件後、二日ほどたった後も、続いて報道されていました。 今回の事件の中で、火の玉となってビルに突っ込んだ飛行機を形容して、しきりに「カミカゼ」という表現が使われていました。ロシア語では自殺的な行為をよく「カミカゼ」と称します。私も以前、真冬にシベリア鉄道でモスクワからウラジオストックまで走破する素晴らしい(と私は思っていた)計画を、ロシア人の知人にうち明けたところ、それはすごく危険! 「カミカゼ」だ、「ハラキリ」だと、真顔で止められたことがあります。 ほんとうにこれから世界はどうなってしまうのでしょう? なんとか平和に問題が解決してくれればいいのですが・・・。日々暗く、寒くなっていくモスクワで、日本人の私は複雑かつ不安な気持ちで、かたずを飲みながら、事件の推移をうかがっています。 |
ロシア人が沸き立つ?!本の国際見本市 (9/13 ひよこ) | ||||||||||||||||
少し前になりますが9/5〜9/10、モスクワの大規模会場ВВЦ
そんなこともあって、本の見本市はとにかく本を求めるロシア人でごった返してました! 思った通り、すごい人人人!出遅れちゃった〜と思って会場までたどり着くと、『チケット売場』と書いてあるブースに行列が・・・。「え?まさかお金払うの?」普段見本市があるВВЦではお金を払ってパビリオンに入ることはないのです。「チケットが必要なんですか?」と並んでいる人に聞くと、そうだとの答え。仕方なく並ぶことに。しかし、これだけの人なのにチケット売場はたった3つしかないのです。「大々的に見本市をやっている割りには、基本的なところがソ連なんだよね〜。」とか思って30分並び、やっと売場のおばさんのところまでくると「10:00〜14:00 50ルーブル、14:00〜18:00 30ルーブル」と書いてあります。30分並んで、運良く13:30にチケットおばさんのところまで辿り着いた私は、もちろん50ルーブル払いました。 さてチケットを買って、会場へ! 会場は、かなり広い!やっぱり本を愛する国民の見本市。初日にはカシヤーノフ首相が出向いての式典があるほどです。本はロシア人にはなくてはならない文化なのかも。 まずは、お目当てのチェブブックを出版している出版社のブースへ行きたい!でも何処に何があるのかさっぱり分からないのです。日本で開かれる見本市なら大抵会場案内図を配ってますけど、ここはロシア、もちろん配ってない。「あ゛〜!どうしよ。」と思っていると目の前に会場案内の掲示が・・・? 「やればできるじゃん、ロシア。」と思って近づいてみると、出版社がアルファベット順に掲示されてる。でもよ〜く見ると、アルファベットの『A〜M』の項目がない!!!「結局こうだよね。がっくり」ということで、大きな会場を歩き回ることになるのでした。 大小さまざまな出版社がそれぞれ出版している本をディスプレイしたり、販売したり・・・。出版社価格ということで、ロシア人もみんな目の色変えて本を買いあさってます。その中に入ろうと頑張るひよこ。でもロシアのおばさま方にはまだまだ対抗できない。もっと修行しなきゃ! 本の見本市ということで、最近、手に入らなくなったチェブブックなども販売しているかも・・・なんて思って各出版社を回りました。でも残念ながら、ここでも販売していなかったのです。ディスプレイはしていましたが、「それはディスプレイ用なので販売できません。」と一言。が〜っっくり。 何のために来たのやら。ま、とりあえず各出版社のディスプレイやどんな本を売っているのかを見て回ろう。なかなか派手なディスプレイなので、ちょっとご紹介します。
チェブブックは買えなかったけど、ロシア絵画の本などを出版社価格で買えて、ちょっと嬉しい気分で帰ってきました。それにしても、すごい人混みで、ロシア人の本への思い入れを再確認しましたね。 私も、もっと本読まなくちゃ。 (おまけ話) 「さ、歩き疲れたし、そろそろ帰ろうかな。」と思って本の見本市会場を横切ろうとしたとき、物々しい警戒態勢が・・・。「なになに?どうしたの」と思ってみていると、黒い車が止まって大柄の男達が集団になって会場に入っていくのが辛うじて見えました。その時、私より2mほど前にいた女の子の声と思われる声が・・・。「きゃー!ユーリック!」 「ユーリック???ユーリって、もしかして、ユーリ・ルシコフ(モスクワ)市長のこと!?」 しかし、若い女の子にユーリック!って呼ばれてしまうルシコフ市長って・・・。 でも、いつものニコニコ笑顔で応えたんだろうなぁ、きっと。 ルシコフ市長、やっぱりモスクビッチに人気あるんですねぇ。モスクワの人たちは、ペテルブルグを大切にしてるプーチン大統領への対抗意識を燃やしてるのかな? |