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〜ロシア生活を体感する写真レポート〜
今日のモスクワ

2002年8月号

今は昔、言論統制がされていた時代、「今日のソ連邦」というロシア大使館発行の雑誌があり、ロシアを知るための貴重な情報源となっていました(すいません。実はバックナンバーを読んだだけで当時のことはよく知りません)。
「今日のモスクワ」では、今のモスクワで暮らす私たちの日常をビジュアルにお伝えします。


モスクワ爆弾騒ぎ(8/25 ひよこ)
 8月20日に起こったモスクワのアパート爆発事件は、みなさんまだ記憶に新しい事と思います。この爆発は、モスクワ市内улица Академика Королева(アカデミカ・カラリョーヴァ通り)で起こりました。
 すでに皆さんご存知の通り、警察の公式発表によると、このアパート爆発はガス漏れによる
ガス爆発とのこと。しかし、その発表後も様々な噂が流れたようです。

 消防隊の一人は、「ガス爆発は、こんな爆発のしかたはしない。」と言ったり、またある一人は「爆弾の爆発とは全くちがう。」と言ったり。
このアパートの住民の一人は、こう言っています。
「なんで爆発が起こったかだって!もちろん、支払いの問題だよ。俺達は、住居管理局でこう言われたんだ。
『住居管理局はあなた達から公営費しか取りません。あなた方のアパートのそれ以上の管理は市とは全く関係ありません。』
とね。だから、このアパートには役に立つガスもなかったし、修理もなかった。ガス線が外側に伸びていて、まだよかったよ。この夏、俺はモスクワガスに点検してくれと電話したのさ。でもガス検査員は一人も現れなかったよ。」(新聞МКより)

 結局、公式発表にあったようにガス爆発ということで、事件は解決に向かっています。この爆発の犠牲者の遺族には、20,000ルーブル(約90,000円)が払われるそうです。8/24現在、10名の犠牲者が確認されています。犠牲にあった方々のご冥福をお祈りしたいと思います。

 モスクビッチの多くはこの爆発事件をどう思っているのか?
モスクワの8月は
『魔の月』という噂があります。モスクビッチの誰もが「8月には何かが起こる」と感じています。それはなぜか?

1998年の経済危機も8月でした。この経済危機でモスクワの生活は大きく変わってしまいました。
1999年の8月、クレムリン近くのマネージ広場の地下飲食店街で爆発がありました。夏休み最後の日曜日で、多くの子供たちも、その犠牲となりました。
1999年9月、モスクワの2カ所のアパートで爆発がありました。この爆発で100人以上の方が犠牲になりました(9月初めでした)。
2000年8月、モスクワ都心のプーシキン広場の地下通路で爆発がありました。


 1998年の経済危機以外は、テロによる爆発と考えられています。なぜか8月・9月に起こるテロ。モスクビッチが『魔の月』といって用心深くなるのも分かります。ですから、8月に起こった今回のアパート爆発も、モスクビッチの多くが「またテロか。」と感じたことでしょう。

 
『魔の8月』は、まだ続きます。
 このアパートガス爆発が起こった2日後の8月22日、モスクワ都心の
ルビャンカ広場で爆弾騒ぎが起こったのです。ルビャンカといえば、ФСБ(連邦保安局:元КГБ(KGB))の建物がある広場です。
 特別通行証なしにモスクワ都心に乗り入れようとしていた貨物車を、交通警官が止めました。ウドムルト自治国からきた運転手は、すでに興奮気味で
「車には
1.5トンの爆薬が積んである。プーチン大統領に会わせろ!どうやったら国を救えるか俺がプーチンに教えてやる!」
と言ったそうです。
 交渉のためにやってきた内務次官は爆弾男を説得、まずはオリンピック・プロスペクト通りに車を移動させることに成功。その後の説得により、爆弾男は捕まりました。話によると、爆弾男は45才、ルビャンカ広場でコップ三杯のウォッカをあおり、逮捕されたときは酔っぱらっていたそうです。
 心配されていた積み荷も、警察の調査の結果、ただのセメントであることを確認。とんだ爆弾騒ぎとなりました。

 さらに、8月24日。警察に
クレムリンに爆弾を仕掛けたという脅迫電話がありました。
 警察は、「これは偽りの脅迫電話だ。」と考えたものの、モスクワ市の全警備隊(消防隊や救助隊を含む)に徹底的な警備調査の命令をだしました。
 結局、この爆弾騒ぎも偽りのものと判明。このような、脅迫電話は一日に5〜20件あるそうです。ですが、警察がこれほどまでに神経質になっているのは、やはり『魔の8月』だからでしょうか?

・・・8月最終週、そして9月の「モスクワの日」と祭日がつづくモスクワ。まだまだ気が抜けません。


ロシアの不思議な物体(8/20 カメ)
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 さて、この怪しげな物体、いったいなんなんでしょうか?かなり写真で見る限りはかなり怪しげなものですが、実際の実物を見てもかなりすごいです(笑)
 という冗談はさておいて、これはロシアでも一般的なお菓子(の部類に入るのでしょうね)で食べ物です。よく地下鉄や露店、バザールの近くにあるキオスクなどでぶら下げている光景をよく見かけますが最初は買う勇気のある人は少ないかと思います。
 
 なぜこのようなかたちになるかと言いますと中にはくるみが入っておりまして、そのくるみを糸でつなぎ合わせ、それからまわりのコーティングをするのです。写真では茶色ですが、他にも赤色なんかもありまして、お味は茶色がビター、赤が・・・ちょっと忘れてしまいましたが赤色はまたちがう味なのです。



 見た目のグロテスクさと違って、味のほうはなかなかいけます。歯ごたえがあり(回りのコーティングされているものがなんかグミのように歯ごたえがあります。)、そして中のくるみがカリっとしてて慣れればいけます。
 ロシアでも結構食べてる人がおりまして(まあ、町で売られているくらいですので(^^;)食べ方は一口かじって、糸に沿って引き抜きます。たまに糸まで食いちぎったりしますが・・・。
 
 このような不思議な食べ物を食しにロシアにきてみませんか? 

ロシアの伝統品、マトリョーシュカ(8/14 カメ)
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 ロシアと言いますとやはり思い浮かぶのが写真の”マトリョーシュカ”ですよね。このマトリョーシュカ、日本語では入れ子人形とも呼ばれ、意外と多くの人に知られております。今回のフリマで田舎の割には知ってる人が多かったのはかなりおどろきました。
 基本的な構造としましては写真を見てもらっても分かりますとおり、真中の部分から上下に割れ、中から小さいサイズのものが出てくるのがみててもなかなか面白いです。
 
 実はこのマトリョーシュカ、ロシア人のマトリョーシュカ職人が言うには日本から入ってきたものでカメが思いますにおそらく日本のだるまやこけしをイメージしたものではないかと思います。(実際には日本にもこのマトリョーシュカと同じ物があるのでしょうか・・・?)

 
 いろんなサイトを見て、このマトリョーシュカを調べてみましたが、上下の模様をぴたりとあわせることができたら願いをかなえることができると言われているそうです。これはカメは知りませんでしたが(最近はじめて知ったのでマトリョーシュカ職人に聞くことができませんでしたが・・・。)それはかなり面白いと思います。

 おそらく旧ソ連圏でしたらお土産屋さんで見つけられるくらい伝統的なお土産で、(ただ、カザフスタンの田舎の町には売っておりませんでしたので場所にもよるのかもしれませんが(^^;;)1体1体、職人が描いておりますので微妙に顔が違っていたりもしておりますが、それがまた味があっていいのかもしれません。

 柄にかんしましてもこの写真では載っておりませんが(詳しい柄についてはこちらを参照)ペレストロイカ以前には国家の方針で1つの柄、おそらく皆様にもおなじみな赤い服に黄色いショールをかぶっている女性の柄が主流だったと思いますが、ペレストロイカ以降、マトリョーシュカのデザインについても職人の個性がでておりまして、いろんな柄を見ることができます。
 大体は、大統領のマトリョーシュカや各界の有名人などを描いておりますが、面白いことにディズニーやらロシアアニメなどの柄も現れるようになりました。このようにいろいろな柄がでてくると、職人たちの力量もよく分かるようになり、作品の良し悪しも素人ながらにわかるのではないかと思います。
 
 もちろんマトリョーシュカにもメッカがありまして、セルギエフ・パサーットと呼ばれる町(モスクワから郊外電車で約1時間半程度)が有名です。カメはテレビを見てなかったのですがはなしによるとどうやらモーニング娘も罰ゲーム(笑)で来たようです。
 大体モスクワで売られているマトリョーシュカはそこから持ってこられるみたいです。マトリョーシュカのほかにもこのセルギエフ・パサーットには大きな寺院がありまして、観光名所としても有名ですのでモスクワに来られたときには見学に行っても楽しめるのではないかと思います。


 これは余談のウラワザですが、このマトリョーシュカ木製なので湿度の変化に応じて収縮するのですが、その場合、暖房の上に置けばなおるのです。これも職人のかたから教わりました。

モスクワで見かけた日本の物!!(8/11 カメ)
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 ロシアでは日本ブームとなっていると言われても、実際にみてみないとそうピンと来るものではないと思います。そこで今回、カメがモスクワの町で発見した”これぞ日本!!”というものを独断で紹介いたします(笑)意外なところで意外な日本のものを発見してしまうのでモスクワの町を歩くのは結構楽しいです。

 この他にも皆様からのご連絡もお待ちしております。

 まず、左写真ですが、これはクーラーの看板で”チョーフ”と書いております。おそらくどこかの日本企業の者ではないかと思いますが、果たして今のロシアにどれだけクーラーを買うことができるリッチなロシア人がいるのか疑問なところです。そのほかにも看板から分かりますようにロシアには”芸者”のイメージが強く、輸入チョコではありますが、”ゲイシャチョコ”なるものも販売されております。味は結構いけるのですが輸入物ですので値段が・・・(^^;これも日本のイメージというところでしょうか?(苦笑)




 この写真は日本の化粧品と書いております。実際には日本製で日本で売られているものばかりです。カメは化粧はしないのであまりよくは分からないのですが(^^;これはキオスクで普通に売っておりましたが、中心街のスーパーでも日本製シャンプーが売られているのを発見してビックリした覚えがあります。

 もちろん値段をみると日本より少々高めなのですが・・・。それでも日本ブランドということで買う人がいるのでしょうね。

 余談ですがこのキオスク、日本の化粧品のほかにも薬類が置いてあります。カメ自身の経験なのですが、ロシアで風邪にかかった時には日本の風邪薬ではほとんど聞かないような気がしました。
 ただ、ロシアの薬は少々きつめなので注意が必要なのですが・・・(^^;;



 そして忘れてはいけないのが世界中で有名な”黒澤映画”!!ロシアでももちろん黒澤映画は人気があり、右写真のように有名な映画がビデオとして販売されております。黒澤映画のほかにも有名な”御法度”(ロシアでは”タブー”というタイトルで出ています)や”バトル・ロワイヤル”、”ホワイトアウト”等、いろいろと出ております。

 ちなみにカメが目撃したのですが実はMPEG4(パソコンで見れるCD−ROM)でも発売されておりました。こちらのほうはかなり探さないとみつからないのでは?と言うくらい探します。発見した時には感動しました。

 しかし、侍ものは人気が高いです。外国人には理解が難しいと思うのですが・・・。

このように日本のものを多々見かけるモスクワは結構日本ブームなのでは?というような気がします。


欲しいものを探すならコレ!!(8/7 カメ)
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 8月最初の”今日のモスクワ”ですが、今回も雑誌(?)ネタからはじめたいと思います。ロシアのテレビ番組表や、タウン雑誌はもうすでに皆様ご存知ですが、モスクワでは日本でいう”売ります、買います”に似てる新聞が存在しております。しかも、その売買情報のみというのがおどろきです。
 その名も”イズ・ルーク・ブ・ルーキ”(手から手へ)という新聞で、普通の新聞よりは値段が高いのですが、その値段に見合うだけの大量の情報量を誇っております。
 中をみてみますと、ジャンル別にわかれておりまして 、ここからモスクワの部屋情報を知ることもできますし、楽器が欲しいのでしたら、楽器の欄で必要な楽器を売りたい人の記事を探せばオッケー。見た感じでは不動産情報がかなりの割合を占めているように感じましたが・・・。
 留学生も部屋探しでこの新聞をつかっておりました。ポンチックさんも日本語教師のアルバイトをこの新聞で見つけたという話をきいておりますのでかなりの人が見ているのではないでしょうか。



 ちなみに中を開くと右写真のようになっております。普通の新聞記事のようにまず、その項目のタイトル、そしてあとはそのジャンルに沿っての情報が小さい文字でぎっしりと詰まっているので必要な情報を探すだけでも一苦労かもしれませんが頑張ってみてください。

 ただ、部屋探しの場合、前回も書きましたように日本人と分かりますと相場より高い値段を吹っかけてきますので注意が必要になりますが・・・(^^;


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