めるのロシア日記 調子悪くてあたりまえ

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2006年11月1日(水) 居住証明への道・その2 「金は地球を回してる」

晴れ。 11:00の外気温1.9℃、室内24.3℃、湿度46%

おはようございます。

今日は朝も6時からおき出して、健康診断なんですが、
何をするのか、「行ってみてサプライズがあったほうがいいでショ〜」 という怪しさです。
(そんな健康診断はいやあーーッ。)

健康診断?

そう、例の「居住証明」取得の為の健康診断です。
ビョーキの人はロシアに住んだらアカン!らしいです。
というのも、ロシアという最果ての国は今まで外界の文明と接したことがなかったため
文明人がもたらすビョーキに抵抗力が無く、あっという間に死んでしまうからです。 ←信じなさい

そんな一大事な検査なのですが、

>なのですが?
昨日、オッサンがどっかから 「私の胸部レントゲン診断書」 とってきました。

>え?誰の?
だから、めるさんの。

>このあいだはオカーサンがどっかから「めるさんの非エイズ証明書」とってきたんじゃなかったですか?
そうですとも。

>どうしてですか?
ロシアは奥が深いからです。

で、若干深さが足りなかったので残りの項目は自身が行かねばならず、今から行くワケですよ、わかりましたか?


◎  ◎  ◎  ◎  ◎


さて病院へは車でぶーー、すぐ近くだったので8分で着きました。

「ワ〜、見るからにいんちき病院な〜(笑)、遠慮なしの名前ダシ。」
「あ、あす・・あすくれーぴー?」
「アスクレーピー。(仮名) アスクレーピー、知らないノ?」 
「知らんなー」
「まーた教育足りないカナ、この日本人は。」
「ア・イ・ッ!(蹴られる)・・・・アスクレーピーはギボクラートのルーツですヨ?」
「ギボクラート?」
「ギボクラート、知らないノ?まーた教育足りな・・・」
「義母クラート・・・宜保クラート・・・・・」  ←どっちも手強そう
「昔のギリシアの医者じゃん!ギボクラート知らないなんてどうかし・・」
「あ!ヒポクラテス?・・・そんでアスクレピオス?そんな義母とかピーじゃわからんちゅうねん!」
「そうそう、ソレソレ。アスクレーピーは医学の神様デショ、いんちきなのにずうずしなーと思って」  ←ずうずうしいな?
「そんでこのアスクレーピー(仮名)、何者なん?」
「お金でなんでもやってくれるところ。」 

そらーーー、やっぱし神様やろ。


◎  ◎  ◎  ◎  ◎


建物の中に入ってみると熱帯魚やめずらしい亀のきれいな水槽が置いてあり、
ロビーには大画面のテレビモニター、クラシック音楽が流れ、待合の人が5、6人、
こぎれいな感じです。

ここは、ひとつの廊下に各科の診療室のドアがずらっと並んでそれぞれドクターが一人、
看護士は各科掛け持ちで走り回るといったような感じの、
『民間のごくごく小さな総合いんちきクリニック』とでもいったところでしょうか。
ALL有料なのでガツッと、とられますがかなり繁盛している模様。

「ところで検査、いくらやの?」
「3000ルーブル。」 ←約12000円
「それって・・・、」
「そうネエ、診療所あちこち回ってやったら500ルーブルくらいじゃナイノ?いんちき病院儲かりまくり。」
「ほな、ドクターも儲かりまくりなんやー」
「ところがデスネエ、こういうトコロ、儲かるのはオーナーだけでドクタはぜんぜん儲かりマヘン」 ←なぜか関西弁
「なんでここなん?誰にきいたん?」
「オカーサンがオビルの係りの人から、有料だけどここに行けば全部やってくれて
ひとつの書類にしてくれるヨ、ってきいたんデス。」
「なるほど。オビールと病院がグルになってまた儲かりまくり、ってことか」

と、検査表をもったマネージャーがやってきてこっちの部屋へ入ってくださいというので
ドアをあけると採血室でした。
「どれどれ、うーん、パスポート・・・ん?ロシア語書いてないわね、じゃ6番チャンね。」
というわけで6番チャンと書かれたシールを貼った試験管に採血して次へ。

次のドアのところで待っていると、黒スーツ+ピンクシャツ+スキンヘッド+ピアスという
「別のドア」みたいなオニイサンが中へ入っていきました。
次にドアが開いた時、
「わ。さっきチンピラみたいナ〜、と思った人はドクタでした!今、見えタ!」 と、オッサン。
「ここ、ナ・・ナ、ル、コ、あー、麻薬中毒とか調べるとこ?」
「そう。ドクタが麻薬売ってるところ。ここで儲かった金で麻薬仕入れて売るんデスヨ、
それで中毒患者が増えてまた儲かりまくり。そして自分も時々使うんデス、
『漁師は漁師を見分ける』ですカラ、自分も麻薬つかわないと。」 ←ロシアの諺
というのでなんかヤバイことになるかと期待して診察室に入ったんですが、
脈をとって「目を見て」終わりでした。  ←やはり危険?

そのあと少し待ち時間がありました。

廊下のドアを見渡してみると、「内科」と「乳房外科」のプレートが同じドアに貼ってあります。

「たぶんデスネ、内科で診察した患者さんがおっぱい小さかったら、ところでこんなこともできますケド、どうでショウ?
っておっぱい大きくする手術を勧めてんデスヨ、また儲かりまくり。」
「私もやってもらおうかな、2倍、うーん、3倍くらいに」  ←絡まずマジなのが悲しい。
「ゼロには何をかけてもゼロというのが数学の法そ・・・アイッ!!」  

「・・・・・・・・・・・・・・・・・。ところでな、今検査表みてんやけどВИЧってエイズのことちゃうかったっけ?」
「そうですケド?」
「検査表にエイズ検査入ってんで。」
「へッ?」
「エイズ検査も込みでこの値段なんちゃう?エイズの診断書はあります、って言うた?」
「レントゲンがないからどっかで撮ってきてとは言われたけど、
値段は3000ルーブルです、っていうカラそれだけ払ったダケ」
「あーあ、オカーサン、せっかく調達してきてくれたのに手間も金も無駄になってしもたな」
「エエエーーだって知らなかったも。」
「私はなんもしてへんからいいんやけど別に」
「あの・・・、オカーサンには内緒にしときまセンカ?」
「当然やろ。」

と、次の瞬間目が泳ぐオッサン、
「わ!今の看護婦さん見マシタカ?」
「なになに?」
「スゴイナ〜看護婦さんのストッキング、ナイトクラブからそのままみたい。アッ、ほらほら!」
というのでピンクのチョ〜ミニ白衣のオネイサンが通り過ぎるのを後ろから見ると、
黒いストッキングの後ろ側だけが編み上げになってて、しかもガーターで吊ってありました。
(ガーターがチラみえでエロすぎ)
「ここって。・・・なんなんやろうな。」
「ネエチャンの足でサービスして患者サン増えてまた儲かりまくり。」

すると向かいのドアがバターンと開いて、
「検査、何人ですか?5人?じゃ、半分3番の方へ入って下さい」というので3番へ向かうと、
「検査の人先に入って入って!」と中からオバハンが呼んでるのでダッシュで入りましたが・・・・
ここ、なに屋さん?

「そこ座って下さい」
と言われ、ほそーーーい綿棒が出てきました。

ははーーん、これはハンセン病の検査やな。
鼻の粘膜をとってらい菌がいないかみるやつです。

「じゃあ、脱いで下さい、Tシャツもね、ブラジャーもとってね」

聴診器でぽんぽん、じゃなくてやね、
リンパ節を触って腫れてないかとか、皮膚病や、病気の発疹やできものがないか診るんですね。
そっか、ここ、皮膚病と性感染症の診察室なんやな。
ちゅうわけで、ぱんつ脱がにゃなりまへんで、ダンナ!!
オジョウサン方は内診台にあがらにゃなりまへんで!
サプライズとか言っとる場合じゃありません。

居住証明書の申請に必要な健康診断には性感染症という項目があり、
検査対象は 『梅毒』 『クラミジア感染症』 『軟性下疳』 です。

病気だった人には治療を勧めるはずなのでまた儲かりまくり。 ←居住証はもらえないかもしれませんが

「はい、これで終わりです、5時くらいに診断書出来上がりますから取りに来て下さい」

え。 こんで終わりなんですか?
こんなさっさとできていーーんですか?
いーーんですね?
「だってお金払ってるじゃん、ビョーキでもゲンキでも5時にゲンキな書類ができるダケ。」

そうですか。いんちき病院、ばんざああああああーーーーい!!!
        ↑コラコラ。

「まだ9時前デスヨ〜、ウチ帰ってゴハン食べマショー、いんちき病院はスバラシネー
ほら、お金は地球を回してるんダヨ、
♪マネーメイクスザワールドゴーラン、ザワールドゴーラン、ザワールド〜♪」  ←歌うオッサン

車のラジオから聞こえてきたのは、
ミュージカル『キャバレー』の『マネー・マネー』でした。   ←いやマジで

♪Money makes the world go around、The world go around、The world go around〜♪



<本日の夕ごはん>
両親の家でオカーサンお手製の魚のピローグ

<本日のグルソン>
ミュージカル『キャバレー』より『Money Money』お金は地球を回してる♪
2つ出ますが下のほうの試聴ボタン(オーディオのプレイボタンマークと同じEcouter un extraitと書いてある)をぽちっとな。

2006年11月2日(木) アスクレピオス

晴れ。 14:21の外気温11℃、室内25.8℃、湿度30%

きのう、さんざん「いんちき病院」と言っておきながら、
今日はオッサンの方がアスクレーピー(仮名)に行くと言っています。

「猟銃の許可証が切れてるカラ、どっかで診断書もらわないと。と思ってたケド、
あそこはイイワ〜、現金払ってハイハイポンですぐ出来るじゃん?」

ウチには猟銃があるんですが、登録許可証の期限がおととしで切れてしまってるんです。
去年は更新する時間がとれずにほっておいたんですが、今年はたまたま休暇があるし
鹿撃ちに行きたいらしいので登録することになりました。

銃の登録許可は薬物依存でない、精神的に大きな障害がない、
という診断書が必要になります。
やっぱ「目を見て」脈をとってハイハイポン、で終わりなんでしょうかね。
居住証明よりヤバイ気がしますが・・・・

ところでアスクレーピーと言われて何だかわからなかったアスクレピオスですが、
ギリシア神話に出てくる医学の神様です。
なぜだかロシア人はギリシア神話や古代ギリシアや古代ローマの事に詳しいですねえ〜
オッサンはそれらを描くのも上手なので余計面白いんですが。

まあ、それでアスクレピオス。
この医神のお父さんはアポロンでお母さんはバツグン美人のコロニスです。
コロニスが浮気しているとカラスに告げられた短気なアポロンはコロニスを殺してしまうのですが ←妻殺害オオゴトだ
その時彼女は身ごもっていました、それがアスクレピオスです。

無責任なアポロンは子供の養育を半人半馬のケイロン(ケンタウロス)に任せます。 ←育児放棄かよ
ケイロンはアポロンから音楽、医学、予言を学んだ賢者で、ペリオン山の洞窟に住んで ←しかも馬。
薬草を栽培しながら病人を助けて暮らしていました。  ←いい馬じゃん?
ケイロンから医学を学んだアスクレピオスはケイロンをも凌ぐほどの才能を示し、
独立後はとうとう死者まで生き返らせる事ができるようになります。

しかし冥界の王ハデスは死者が生き返るのは世界の秩序を乱すとゼウスに訴え、
これをもっともだと思ったゼウスは雷でもってアスクレピオスを撃ち殺してしまいます。 ←これまた気が短い
アポロンは怒りと悲しみにくれますが、ゼウスに正面きって反抗はできないため
ゼウスの雷を作っている一族を皆殺しにしてしまいます。 ←とことんダメオヤジ
怒ったゼウスはアポロンを羊飼いにしてしまいましたとさ。

あーあ、アポロンって馬鹿で助平で無責任な情けない神様なんですねえ・・・
・・・・・何の話でしたっけ?
アポロン?
じゃなくてですね、アスクレピオス。
この医神は蛇の巻きついた杖を持っていて「アスクレピオスの杖」と呼ばれます。
蛇は神話の時代から不老長寿再生の象徴で、実際蛇毒を治療に使いました。

ところで、医神には美しい娘がいました。(萌え〜)
ヒュギエイアとパナケイアです。 (息子もいましたが萌えないので省略)
特にヒュギエイアは健康の女神として慕われました。 ←クリムトの絵でどうぞ

お父さんは杖を持っていますが、ヒュギエイアは治療に使う蛇の飼育担当だったので、
蛇に飲ませる水杯を持ち、蛇が巻き付いている姿で描かれます。

杯に蛇?
そう、ロシアに来たなら見たことあるデショ!
もう町中あちこち、杯に巻きついた蛇がウヨウヨ!!

そう〜、ロシアで医学薬学関係のマークとしてどこでもお目にかかるアレですよ。

このマークの由来ですが、アスクレピオスの杖は近代になってヨーロッパで薬局のマークとして使われるようになりました。
それ以前から医者のシンボルもこの蛇杖なので、薬局のマークを区別するために、
薬局マークのほうは杖の上に皿を置いた高脚杯のような形に蛇が舌を浸している図柄になったそうなのですが
まさに蛇に水をやるヒュギエイアですね。

ロシアではこのマーク、薬局だけじゃなくて病院にもお医者のバッヂやハンコにも、
医療関係の本にも書類にもエンボスされていたりプリントされていたり、
軍医の軍章からボタンまで使われています。
古代ギリシアの病院(アスクレピオン)も蛇と杯のマークだったそうですから変じゃないわけですけど・・・・
けど?

ま、病院もお医者も軍医も保健省もロシアでは薬局と同じ、ってことですね。

アスクレピオスも「なんか違う?」と首をかしげる、というお話でした。
(で、猟銃許可はどうなった?)



※業務連絡:ぜろこさん、戦車見れるように再リンクしときました

2006年11月2日(木) 居住証明への道・その3 「そんな人知らないし」

晴れ。 12:46の外気温13℃、室内25.3℃、湿度44%

昨日は猟銃許可証のためいんちき病院にいくはずだったのですが
急遽予定変更になり、居住証明のための書類を翻訳・公証に行く事になりました。

翻訳・公証が必要なのは警察証明書(犯罪履歴証明書)とパスポートです。

この2つではガタガタしました。

まず 警察証明 ですが、とったことがある方はご存知と思いますけど
提出先に出すまでに開封したら無効になってしまうんです。
(封筒に英語でも書いてあります)
そのためなるべく開封しなくていいようにか、中身は日本語、英語、フランス語、ドイツ語、スペイン語で書いてあります。
(ロシア語なんぞあろうわけもありませんが)

以前申請した方にきいたところ、担当官の目の前で開封した後、翻訳・公証に出す、ということでした。
しかしかなりメンドクサイので、英語も書いてあるしこのままでもいーじゃないか?
という勝手な想像のもと、微かな希望を抱いて内務省関係の知人にどうしたらいいかたずねていたら
昨日電話がかかってきてやっぱりロシア語翻訳と公証がいる、という返事だったのです。
でも公証人に出して開封して翻訳公証すればいいっていう事だったので
証明書の有効期限も10日までしかないしさっさとナタリウス(公証人)のところに持っていくことにしました。

パスポートの方はもうワケがわかりませんでした。

パスポートなんか公証できるわけないとか、パスポートは翻訳も公証も要らないとか
あの人は公証しろと言われてこの人は公証要らないと言われてといろいろで、
どうなんやろう?とうやむやのままでした。

ちょうど今、長期居住証明の更新手続きに入っておられる在ウラ邦人の方が
これでかなりガタガタして大変だったお話によると・・・・

最初、パスポートを領事館の翻訳証明付けて出したところ、
「日本の領事館が証明したっていってもそんなのコッチでわからない、○×(領事さん)なんてそんな人知らないし?」
って言われたそうです。
そんな人知らないし?
そんな人・・・・
えらい言われようですね、ちょっと領事館さん、火ぃつけてやりましょうか。

それで結局すったもんだ何回もあっち行ったりこっち来たりで、
そのうち向こうが「ココへ行きなさい」と言われたナタリウスに行ったらあっさり公証してくれたそうです。
なら最初からソコ、言わんかい!!!
・・・・と思うでしょう?
ところがロシアのお役所は何処に行ってもこういう感じなのです。(ため息)

いいですか、
ロシアに来たら常に頭の中に置いておいてください、
「聞かれない事は言わない」、です。
「聞かれない事は知っていても言わない」のです。
「たぶんこうなるだろう、とわかっていても聞かれなかったから言わなかった」なのです。
先を読んでサービスするとか気遣いするとかそういう日本ならフツーの「無料の心配り」はないのです。

そうやってえらい目にあった先人さんが後続の輩を哀れに思って知恵を授けてくれ、
ロシアのガイジン社会はなんとか回っているのであります。
というわけでウチもその方にその貴重な公証場を教えてもらい
きのうパスポートと警察証明をあずけてきました。
パスポートはホンマに公証がいるのかどうか不明のままなのですが
まあ付けとけば文句ないやろ、という事です。
お値段は両方の翻訳&公証で1000ルーブル。

それで明日の3時過ぎに出来てますから取に来てくださいというので行ってきました。
ハイハイポンですぐでした。
あんまりあっさりなのでオロオロしてしまったくらいです。
ホンマ、先人さんに感謝です。

明日からロシアは連休に入るので、休み明けたらいよいよ入管に提出に行きます。



<本日の夕ごはん>
揚げイカのマリネ、青梗菜のにんにく炒め、カバチョクとベーコンの焼き物、トマトときゅうりのサラダ


<本日のグルソン>
Juanes - A Dios Le Pido
ファネス:アディオス・レ・ピード
情熱の貴公子とかいうキャッチがついているコロンビアのええ男、ファネスはロシアでも人気。
アディオスレピード♪お役所行った帰りとかロシア語聞くのもうんざりという時におススメよ。

2006年11月3日(金) 民族統一の日

曇り時々晴れ。 12:01の外気温11.8℃、室内25.4℃、湿度41%

今日ロシアは『民族統一の日』という、ロシア人も「ワケのワカラナイ」祝日です。
振替もあって土、日、月と三連休。

この祝日は去年からなのでそれ以前に外国に行っちゃったロシア人さん方は
ますますワケワカランでしょう。

一応、起源はあるんです。
1612年、ポーランド軍に占領されたモスクワを奪還した日だそうです。
ガイジンの私などはなぜこの日が民族統一なのかワカラナイのですが、
そんな私にも関係あるのがナショナリストのみなさん。
なんだかこの日はロシアのナショナリスト達が高揚する日で、
ガイジンは出て行けー!とロシア各地でデモやったり集会やったり警察と小競り合いしたりきな臭いのです。
だから家でじっとしていました。 ←関係ない

オッサンは「すごくロシヤ人」なので平気ででかけました。
両親がハバロから帰ってきたので迎えに行ったのです。
で、オトーサンの目はどうかというと、
手術自体は普通に成功、結果はまだワカラン、という状態です。

今日はいろいろワカラン日ですね。

ワカラン事ばかりですっきりしないので、
後ろで窓閉めようとしているロシヤ人の、わかるんだけどなんかヘン。というヤツいってみましょう。

「アリちゃん、寒い、寒いヨ〜、寒いだのに。」

すっきりしましたか?

しませんね。

すいません。

おわり。


<本日の夕ごはん>
鶏手羽先のから揚げ、ラワーシをがじがじ、足りなかったのでふりかけごはん。

<本日のグルソン>
Gnarls Barkley:Crazy
ナールズ・バークレイ:クレイジー 
すっきりしないお詫びにロシアのナショナリストに殴られそうなガイジンのビデオでも。
くれえぇぇぜぇぇぇー♪ こういうの好きだ、好きだよ、好きだのに。

2006年11月5日(日) ウラのカーニバル

曇り時々みぞれ。 18:00の外気温4℃、室内22.9℃、湿度55%

きのう天気予報で「暖かいのは今日で終わり」と言っていたとおり、今朝はみぞれになりました。

◇  ◇  ◇  ◇  ◇

「魚買ってくるワ」と市場へでかけていたオッサンが帰ってきました。

「何買うてきたん?」
「サンマ!デジャネイロ!」
ん、ぱーぱーぱ、ぱーぱぱぱーぱぱ、ぱーぱぱぱーぱぱぱーぱぱ♪」  ←踊る
「これってサンマについての歌デシタッケ?」 
「サンバ、サンバ!」
「デジャネイロ!」
「ん、ぱーぱーぱ、ぱーぱぱぱーぱぱ、ぱーぱぱぱーぱぱぱーぱぱ〜♪♪」 ←踊る。
「サンバ、デジャネイロ!」
「ん、ぱーぱーぱ、ぱーぱぱぱーぱぱ、ぱーぱぱぱーぱぱぱーぱぱ〜♪♪♪」 ←二人踊る。
「サンバ、デジャネイロ!」
「センプレァシン!エンシマ、エンシマ、エンシマ、エンシマ、
センプレァシン!、エバジュ、エバジュ、エバジュ、エバジュ♪」

ん。  ←止まる。

「アンタ、よくそんなトコまで覚とるなー」 
「テキトーデス。そんな感じじゃなかったデスカ?」
「そやな〜、デジャネイロ!」

「ぱーぱーぱ、ぱーぱぱぱーぱぱ、ぱーぱぱぱーぱぱぱーぱぱ〜♪♪♪」 ←みんな踊る。
「サンバ!デジャネイロ!」
「ぱーぱーぱ、ぱーぱぱぱーぱぱ、ぱーぱぱぱーぱぱぱーぱぱ〜♪♪♪」 ←サンマ置きざり。
つづく。

許してやってください。



<本日の夕ごはん>
サンマとズバッカのサンバ+大根おろし、鶏レバーのサンバ、野菜サンバ

※ そんなもんあったんだーの歌詞
ありゃオッサン、微妙に合ってるし。

2006年11月6日(月) 菩提樹の蜂蜜

曇りのち晴れ。 14:07の外気温4.4℃、室内23.7℃、湿度44%

「ワ!この蜂蜜、何ナンデスカ?」
「そやかてリーパ、のうなってしもてん。」

蜂蜜のビンにスプーンを突っ込んだまま、オッサンがっかりした様子で突っ立ってます。

ロシア人が一番好きな蜂蜜は何でしょう?
答えは「リーパ」です。 ←липа

リーパというのは日本語で菩提樹と書かれているのがほとんどだと思いますが、
菩提樹と聞いて最初に思い浮かぶのは・・・・・
浮かぶのは?
お釈迦さんが菩提樹の下に座っている姿じゃないでしょうか。
え?
マイアヒ?
そんな人は困ります。

私もロシアに来た頃「菩提樹の蜂蜜ダヨ〜」と言われて違和感を覚えましたが
菩提樹とは「シナノキ」の事です。
日本で菩提樹(シナノキ)は木材や蜂蜜だと「シナノキ」と呼ぶことが多いですから
シナノキの蜂蜜と聞けばああ、と納得するかもしれませんね。

ちなみにお釈迦さんが座っていた菩提樹は、
インドや東南アジアに生えているクワ科の大木でシナノキとはまったく別物。
仏教が広まるにつれ本家・菩提樹が生えない地方で菩提樹の葉によく似たシナノキを
菩提樹の替わりとしてお寺の庭などに植えたのが名前の混同のはじまり。

そんなワケでインドともお釈迦さんとも関係ないロシアの蜂蜜ですが
このリーパの蜂蜜、ロシアでは一番人気です。

買うときはリーパくれ、といえばいいわけですがいろいろ並んでいたら
色が薄い透明っぽいやつがたぶんそれ。
フタをあけたら独特の香りがあるのですぐわかります。

ロシアやドイツでは、味や香りが好まれて最高級とされているこのリーパ、
実は日本では低級品。(ありゃりゃ)
日本人はリーパ蜂蜜の強い香りや独特の後味を嫌うそうで
北海道や東北の一部でしか製品化していないそうです。

いろんな花の蜜から好みのものを選ぼうと思っても
日本では専門店にいかなければなかなか種類がありませんが
ロシアではそのへんの市場で毎日売っています。
養蜂場の道端でもどん、と積んで売っています。
以前モスクワへ行ったときちょうど蜂蜜の展示会をやっていて
サンプルの小瓶を山ほどもらったのですが、未知の味ばかりで驚きました。

「うーん・・・ソバの蜂蜜も無カッタッケ?」  ←オッサンはソバの蜂蜜も好き
「ありません。」
「どしたらいいんデショウ」
「とりあえずこのいろんな花のミックス蜂蜜食っとけば?」
「はい。」

と、言いましたがそのすぐあと、市場へ買いにでかけました。

クマは蜂蜜が好き。


<本日の夕ごはん>
手羽先と大根の中華風煮込み、鶏ハツのスープ、青梗菜と海老の和え物、野菜サラダ

2006年11月7日(火) オカーサン大成功です!

晴れ。 8:28の外気温−1.3℃、室内23.7℃、湿度46%

先月の21日から休暇に入ったオッサンですが結局毎日ほど仕事行ってます。

無駄な休暇とお思いでしょうが、実は仕事する大チャ〜ンス!
休暇中の仕事はぜぇ〜んぶ自分の取り分になるのでやればやっただけ儲かる!のです。
しかも今の時期仕事はいくらでもあり、いつもの職場でいつもの仕事で
お茶なんか飲んでゲームやって、
有給ですから基本給もらいながら現金収入バリバリ!

すげええぇぇぇーーー!と思ったみなさん、
それは間違いです。
基本給も現金収入も、いくらなのかあっと驚くサプライズ。
同乗するなら金をクレ(それは白タク)
同上するなら金を(それはサプライズ)
道場するなら金(それはおけいこ)
同情するなら(めるさんに何か贈っときましょう)

で、今日はそんな仕事からお昼に帰ってきて今から不動産の取引に行きます。
実は店舗を買ったのです。

めるさん、とうとう定食屋でもやるんですか!!
かもめ食堂ですね!!

ちがいます。
オカーサンが「買って!」と言ったからです。

少し前に、貸していたアパートの住人が「若年世帯の住宅特別融資」に当たったから
このアパートを買い取りたいと言ってきました。
昔オッサンが「なんとなく流れで買うことにナッタ」アパートだったので悪くない話だという事になり
そっちを売って賃貸用にまた別のアパートを買いました(まだ建設中)
どっちにしろ家賃は両親の収入に回しています。

ソ連時代なら上々で楽々老後のはずだった両親の年金ですが、
今のご時勢、ウラジオ市内で車持ってそこそこの生活しようと思ったら、
とてもじゃないがやっていけません。
しかも老後は長いよ50代で、新しい仕事に就くには遅い50代。
(あ、オトーサンは還暦ちょうど)

オトーサンが目を患って予定より早く仕事を辞める事になってしまったし、
オカーサンの職場も、その場所を市が競売に出す事になり、
いつまで営業できるかわからない状態でだんだん先細りになってしまったし、
不安材料がいっぱいです。 ←退職金なんてものはない
家賃はかなり確実な収入になるので手放すと同時にまた買ってもそれはいいのですが。

いいのですが?

その新しく買ったアパートの1階に店舗の出物があるので、
「オカーサンが、賃貸用にどうしても欲しいから買って!って言うんだも。」 
で、店舗も買うことになったのです。
しかも現金取引だからすぐなんとかしろやて。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

私も、
私も、
「どうしても買って!」と言って店買ってくれる、
そんな息子が欲しいいいいいぃぃぃぃぃーーーーーッ!!!!

いままでオカーサンは子供の育て方を間違えたな〜と思っていましたが、
とんでもありませんでした。
オカーサン、大成功です。

これを読んだお母さん、息子はこのように育てましょう。
将来結婚できないかもしれませんがあなたは死ぬまで楽園です。
そのあとは?
死んでるからどーでもいんじゃないの?

ところで、店舗現金買いすげええぇぇぇーーー!と思ったみなさん、
それは間違いです。
店舗もいくらなのかあっと驚くサプライズ。
「オッサン、いくらなん?」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
なにいいぃぃぃーーーーーーッ!!!    ←私がサプライズ。



<本日の夕ごはん>
サンマ塩焼き、ごはん。そんだけ。

2006年11月8日(水) 居住証明への道・その4 「行き止まり」

晴れ。

まあ最初から言いますと、タイトル通り居住証明の申請がダメになりました。

書類が全部揃ったので、
リョーシャの奥さんから教えてもらった入管のイリーナに電話すると
「じゃ、12時に持ってきて」というのでいそいそと出掛けました。

実は水曜日、入管の窓口はお休み。
お休みだから誰も申請に来ないので持って来て、という事です。

申請に来ないのに持って来て?

ま、つまりイリーナ様が順番待ちのリストとか並ぶのとかすっとばして
さっさとやってやるからコイ!ってことです。
ありがたや〜〜

で、入管はとんでもないところにありました。
教えられたビルの辺りにきたらめっちゃヤバイ感じで黒っぽい人がたむろしてるし、
今にも崩れそうなビルの、麻薬使いまわしの注射器が散乱してそうな入り口が
ひとつふたつと開いているようなところ。
入り口を見て回ってもわからないので、恐る恐る黒っぽい人に聞くと、
一番奥の麻薬倉庫みたいなドアを指差しました。
半信半疑で階段を上っていくと、ありましたよ、ちゃんと双頭の鷲のプレートがかかってます。
・・・・・それにしてもココ、怪しすぎやし!!
これがガイジンに開かれたロシアの窓なのか?  
ロシアでガイジンがどう扱われているか象徴するような場所ですね。

シーンと静かな感じのドアを押してイリーナ様を呼びました。

「こんにちは。ナターシャからきいてるわ、じゃ、こっちの部屋へ」
というので3人で事務室のような小部屋に入って早速書類チェック。

「今働いてないの?」
「こっちへ来てから辞めたばかりです」  ←オオウソ
「うーん、残念だけどこの状態では申請できないわね、仕事してないなら夫の個人招待のビザじゃないと。」

え。

つまり専業主婦が金や縁故でポン、のビジネスビザじゃダメってことですか?

「書類も全部揃ってるし、記入間違いもないけどビザがダメね。」










・・・・・・・やっと気をとりなおしました。

ごもっともでございます、イリーナ様。
いろいろいんちきなロシアなので、おのれ自身がいんちきなのを忘れていました。
もちろん亭主もボンクラです。
すごすごと入管を後にしました。
その後ろ姿に崩れそうな建物がよく似合っていたことでしょうね。

まあ自分も申請しようかな〜と興味津々だった方はここまで読めば事態が掴めたと思いますが
一応説明しますと、
滞在資格(ビザ種類)と身分が合ってない、ってことですね。

たとえばロシア人の配偶者であっても仕事を持っていて
そのためにロシアの法人から招待状が出ているビジネスビザだとか、
研究や留学で学校や団体から招待状が出ているビザで滞在しているならそれで申請して問題ありません。
まったくの専業主婦(書類上)として居住しようと思ったら滞在、そして居住資格はロシア人の配偶者以外ないので
招待者がロシア人配偶者でなければおかしい、というかそれ以外ありません。
もし今、金や縁故でポンのビジネスビザを使っている人は注意しましょう。

こんな基本的な誤りに気づかず進んできてしまった自分は
完全にいんちきロシアに染まってしまったのかと怖くなりました。

でもなんでこんなことが最初にわからなかったのか?

実はうまいことやろうとしたのが裏目に出たのです。
こういうややこしい事をやるときは誰でも、自分の周りに関係者がいないか考えてみるわけですよ、
ロシア名物 「知り合いの知り合い」 ですね。
今回はアモーンなリョーシャの奥さんがオビール勤めなので ←強力警察コンビ
そのナターシャに聞いてみたところ、このような事がわかりました。
                        ↓
ウラジオの居住証明の申請数は入管の正常処理能力を超えているため
受付に並んで待つどころか受付順番のリストくらいあって
一回行ったくらいじゃリストに載せてもらうのが関の山。
そして自分の順番が来た時に初めて担当者と話ができる、ってくらいのモンである。

そこでナターシャが、
書類が揃ったら待ちなしですぐ審査の受付をするようイリーナに連絡しておくから
書類ができたらイリーナに電話して、と言ってくれたのであります。

それで我々が入管に行ったのは申請するまさにその時がはじめて。
これは最初から入管に出向いて申請の条件などを聞いていたら有り得なかったミスです。
また最初からイリーナという知らない人に電話してあれこれ聞けるほど図太くもなかったのです。
微妙なコネ使ってラクにやろう、でもなんとなく遠慮気味という、
中途半端で浅ましい根性が招いた結果なのでありました。
(↑ロシアンスタンダードではありますが)

そんなふうで、ごもっともなお話だったのでキレたりせず帰ったのですが、
「あーあ。書類揃えるの大変ダッタデスネエ・・・・お金も無駄にナッチャッタ」
というオッサンの言葉で、
8月の酷暑の中をあえぐように県警まで歩く自分の姿がフラッシュバックしてきて
あきらめきれない気持ちがガアアアアーーッ↑↑と沸いてきました。

「ビザ変更(滞在資格変更)してやりなおそうか?」   ↑UP
「すぐならこの書類使えるカナ?」
「あ。警察証明あさってで失効してしまうんやった・・・・・」  ↓DOWN
「あれとるの大変だったデスネエ・・」
「日本に帰らんでも領事館経由でとろうかな?」 ↑UP
「でも今のビザあと10ヶ月も残ってるから変更するのもったいなくないデスカ?」
「それもそうやな・・・」  ↓DOWN
「400ドルほど無駄になっちゃいましたネエ・・・・」 
「そうや、ぱんつも脱いでんで!!」  ↑↑激UP
「でも今のビザ代がもったいないデス、やっぱり来年にしまショウ」
「・・・そうか。ほなこのビザ切れるまでコッソリ滞在しとくか」 ↓DOWN

家に帰ってからも気持ちがアップダウンし、
あの時こうすればよかったとか、なんでわからなかったとか、
どうしてこういう風に聞いてくれなかったのかとか、調べなかったのかとか、
私はこう言ったはずとか、愚痴がだんだんオッサンを責める口調になってきて、
とうとうオジちゃんブチ切れ。

「アリちゃんは自分の言う日本語が全部ワタシにわかると思ってるかもしれないケド
きっとワタシはわかってないし、ワタシが言う日本語だって全部アリちゃんに伝わってないと思う。
ダケドもっとわかんない夫婦だっていっぱいいると思うヨ、
わかんなくて、間違って、それが国際結婚ッ!!」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
まったくそのとおりだと思いました。

かなり反省しました。

申請は行き止まりになったけど、オジちゃんとはずっと一緒に歩いてくから頼むな。


<本日の夕ごはん>
サンマとズバッカの塩焼き+大根おろし、トマトとわかめの甘味噌和え、鶏足のロースト

<本日のグルソン>
Александр Иванов: Мечты
アレクサンドル・イワノフ : メチュティ
この季節ぴったりなセンチメンタルナンバー。ジャルコエレェェータ♪ イントロ長いです
ビデオクリップなんかも
オフィシャルサイトなんかも

2006年11月9日(木) ホントは大好きなんです

晴れ。 8:12の外気温2.8℃、室内23℃、湿度42%

朝、オトーサンを診療所に送ってから、オッサン今日も仕事に行きました。

ロシアの2段階医療のお話は以前書いたことがありますが、
かつて居住地区で割り振られていた診療所は、今は自分で選んで決めることができます。
ウチの家族は中心の方にある診療所を登録しているので行き来が大変なのですが
近所の診療所は「アブナイらしい」ので仕方ありません。
ま、どっちもヤブには変わりありませんが。

大成功のオカーサンはあのあとさっさと別の仕事も見つけてきて、きのうから行っています。
仕事がないわぁ〜などとつぶやいて不運を嘆いたりボンヤリなんかしません、
良くも悪くもとにかく速い、行動あるのみ、です。
さすがです。

そういうとこはちょっと好きなんですけど。

ですけど?

いえ別に。



※ 2段階医療のお話は2005年2月2日僕が医者をやめた理由・ロシア編

<本日の夕ごはん>
ソム(なまず)とケタ(白鮭)のピローグ(パイ)、サリャンカ、野菜サラダ

<本日のグルソン>
今かなりキテるビヤンカ。ビアンカでないところがロシア(笑)
Бьянка: Были танцы
ビヤンカ:ブィリ・タンツゥィ
ブリタンツゥィ♪
オフィシャルサイトでどんなコが見るべし。

2006年11月10日(金) 微妙なバランス

晴れ。 13:16の外気温−1.2℃、室内23.4℃、湿度34%

今日は寒いです。

良く晴れて寒いこんな日はなにか開放感がありますね。
箱のフタが開いて冷気で満たされたような感じ。

◎  ◎  ◎  ◎  ◎

ボーリャから明日の正午くらいに訪ねたいけど居るか?と電話がありました。

「12時?なんか食わせろ、って事?」
「だれがそんな事言うんデスカ・・・・たぶん、何かお礼を持ってくるつもりデショウ。」

オッサンはこのあいだ仕事でボーリャに便宜を図ったようなので
どうもお礼を持ってくるらしいです。  ←それって、

ロシア名物 『知り合いの知り合い』 や 同じく 『金かコネ』 のコネにも微妙なバランスがあって
特に男性はかなり細かく相手への負担を計算します。

うーん、これ頼みたいけど10くらいかな、この前あれを頼まれたからそれで8、
残りの2はコニャック1本でいいか、とか  ←それって、
借りばっかりだったからこの依頼、まあ難しいから10くらいか、そんでチャラでいいよね、とか
そんなふうに相手への貸し借りをかなり厳密に覚えていて、
対等になるよう配慮、実行します。  ←それって、

じゃ女性は?

女性の頼みごとはだいたいどーでもいーよーな事なのでそれほど神経質にならないようですけど?

ロシアへ来たばかりの頃は
ロシア人は知り合いになるとすごく親切で親身になってくれて、と思っていたけど
ようく観察してみるとなにも素朴で馬鹿親切なわけじゃないってことがわかりました。
旅人やお客にやたら親切なのはそれが日常じゃないから。

あ、でも親族・親友・ツンドラ行き倒れは別ですよ、
溺れそうなほど深くて濃ゆ〜〜い親切です。 

ボーリャ夫妻は「オカーサンの」友達なのでおもてなしもしないで返したら大変、
とりあえず今から部屋を掃除しながら何食らわせるか考えます。

献立に見合うものを持ってくるかわかりませんが。 
 
(チッサイ声デ言イマスケド、ソレッテ賄賂デワ?)


<本日の夕ごはん>
大蒜茎とタコの味噌炒め、焼きカバチョク、きゅうりときくらげの和え物、野菜スープ

<本日のグルソン>
Eros Ramazzotti : Bambino nel tempo
エロス・ラマゾッティ:バンビーノ・ネル・テンポ
まあなんていうかエロは大好きなんです
寝る店舗?ふとん屋か。

2006年11月11日(土) 突然のごちそう


晴れ。

今日はボーリャが来るので朝も早うから起きだし、
食事を仕込んで掃除して着替えて化粧してとくるくる働きました。

なんせ『オカーサンの友達』ですから粗相はできません。

オッサンは、
グォォォォォー ←いびき
ギシギシ、    ←寝返り
ボリボリ、    ←アタマかく
ガシガシ、    ←尻かく
プー。       ←おなら

あ、起きてきました。
そんならま、いいな、と思い居間の方でテーブルの準備をしていたのですが
キッチンに戻ってみたら起き抜けのままボゲーと座って、から揚げつまみ食いしてます。

「あんた!はよ着替えな・・・・」 と、ベルが鳴り、
私がアワワとなっているうちにオッサンさっさとドアを開け
「こんにちは〜ボリス・セルゲイヴィチ〜!どうぞどうぞ」
「いや、これからダーチャに行くからここで失礼するよ。この間はすまなかったな、これよかったら。」
といってフランス製高級コニャック登場。

食事やお茶を勧めても車で奥さんが待ってるからと、本当にすぐ帰る様子だったので
鶏の唐揚げをビニール袋に突っ込み、
「これ、ダーチャで食べて下さい」と言って持って帰ってもらいました。

簡単に済んでよかったです。
よかったんですが。
が?

一生懸命家も自分もきれえにしてごちそう作ってがんばりましたけど
オッサンぱんつ一丁でお出迎え。  ←しかも寝ぐせでまだらヒゲ

そんでいってことなんですか?
そんぐらいの客ってことなんですか?

なんか阿呆らしい気分になっているところへ
「お客さんが来ると家がキレイになりますネエ〜、朝ゴハンもゴーカだし!!」
とうれしそうに言うので、
目の前のゴハンは全部ラップされて両親のところへ持って行かれましたとさ。
(突然のごちそうにオトーサン小躍り)

2006年11月12日(日) ネリマ?

晴れ。 20:26の外気温0.7℃、室内22.6度、湿度29%

市場に魚買いに行ったら見たことない魚がありました。



「ネリマ 1kg150ルーブル ハンカ湖産」 

ネリマは三法寺池じゃなかったっけ?  ←それは練馬。

「ハンカ湖産」って書いてあるので淡水魚には違いないんですが
ネリマはサケ科で鱒の仲間、しかもレノックなんかと同じできれいな水にしか棲まないはずです。
それがあんな汚いハンカ湖に?

ちなみにハンカ湖とはウラジオから300km程度、
沿海州と中国の国境にある大きな湖で、国境線は湖の中を通っています。
東側にシベリア鉄道が走っているので窓から見えるかもしれませんね。
面積は4190Ku、琵琶湖の6倍以上ですが水深が浅く、
一番深いところでも6.5mくらいしかありません。琵琶湖は100m超えてるでしょう。
それで、貯水量は琵琶湖が27.5km3なのにハンカは18.3km3しかありません。
そんな浅くて水が少ないハンカに中国が汚水ばんばん垂れ流して(ロシアもちょっと垂れ流して)
更に汚染しているので、ウラジオ人には 「ハンカは汚い湖」 という頭があります。

オッサンは自分でもハンカに釣りに行くので、ハンカ湖産と書いてあるだけで
買う気がガタッと落ちるそうですが、捕れたばかりのピチピチだったので
50cmくらいの小さめを2匹買ってみることにしました。  ←1匹は両親に

「ニェリマが湖なんかにいるとは知らなかったナ〜、これホントにニェリマ?
なんか汚くって・・・見た目はスダク(スズキ科の魚)みたいな感じ。」
「で、この魚、なんな?何の魚かわからんとどうやって料理したらいいかわからん。」
「そんなこと言ってもワタシもわかりマセン。だいたい市場の魚は売ってるほうもテキトーデショ?
どうせロシアではスープか粉つけて焼くしかないじゃん、名前が違ってたって誰も気にしないも!」
「・・・・・・・・・・・。」

さばいてみたら身でわかるかなーと思いましたがうすピンクの白身でした。
硬い小骨がたくさんあって骨抜きではなかなかとれません。
塩焼きとフライにしてみました。
川魚特有の臭いがありましたが料理したら気になりませんでした。
味も悪くなかったので名前のことはなんか忘れちゃう感じ?でどうでもよくなりました。

そういうワケで魚は不明のままです。


<本日の夕ごはん>
ネリマらしい魚の塩焼きとフライ、野菜サラダ、味噌汁とごはん

<本日のグルソン>
日本デビューもしているドイツのボーイズ達はロシアでもなかなか人気。
TOKIO・HOTEL : Schwarz ←なんて読むかわかりまへん
とっても新しいボーイズ達なのにとっても懐かしいこのカンジ。で、お気に入りの一曲。
日本にもオフィシャルサイトがあったんですね。

2006年11月13日(月) 有名より名物

曇り。 12:50の外気温 町の中心11℃、ウチ7.5℃、室内24.3℃、湿度40%

ゆうべはなんかワカラン魚の事なんかきれーサッパリ忘れてしまう出来事がありました。

ウラのサッカークラブ、『ルーチ・エネルギヤ』が今期最後のホームの試合で勝ったんですッ!
しかも順位が上がってUEFAカップの予選出場範囲内に入りましたッ。
もおおおおぉぉぉぉ〜おろおろしてしまうほどです。

今期2度目のプレミアに上がったばかりのヘボクラブ、
夏あたりまで低迷でチケットの売れ行きが悪いのがニュースになったくらい。
それがなんと今では5位ッ!
最初はプレミア落ちしなきゃいっか、と生暖かく見守っていたウラジオの皆さんも
今では暑苦しい声援を送っています。
ルーチがプレミアに上がっただけでもスゴイというのは
ウラに来てスタジアムをみたらわかります、こんなとこからよく出たな〜というカンジ。
今年やっとナイター設備してピッチにヒーターも入れたんですよ〜
水浸しのときはウラジオ航空のヘリが超低空ホバリングして乾かしてたんです〜。

ルーチにはスター選手といえる選手はいないのですが。
ですが?
名物選手はいます。  

アージンジャルの双子、「スルラン&ベスラン・アージンジャル」です。 ←お気に入り。

まだいるんですよ。

二人の「ドミートリ・スミルノフ」です。
おんなじ名前なので試合の時はドミートリ・ニコラエヴィチとドミートリ・アレクサンドロヴィチと
父姓付きで呼ばれます。

いいでしょう〜〜。  ←とても嬉しそう

(あっ、コラ、待たんかい、試合見てから帰らんかッ。)

そんな名物選手が4人もいる素敵なクラブ、「ルーチ・エネルギヤ」って
どういう意味かというと「エネルギー光線」です。
・・・・・ダサっ。
だって電力会社のクラブだったんだもーん。  ←今はいろいろ
そんな事言ったらトップのツェスカーなんか「陸軍中央スポーツクラブ」やし! 
(それはダサくないんじゃ?)

まだまだルーチがスゴイことがあるんですよ。

プレミアリーグは16クラブあるんですがほとんど西に集中していて
ウラル山脈より東なのはトムスクの「トムィ」とルーチの2つだけ。
しかも中央シベリアより東なのはルーチだけ。
モスクワ(州も)のクラブは7つもあるというのに!!
だからアウェイで試合の時はいつも8時間とか飛行機乗ってえんやこらと行ってるんです。
時差も5時間、7時間とあるので大変なんですよ。
別名「太平洋のクラブ」と呼ばれています。

スゴイですね〜〜。  ←感涙です

それでプレイの特徴とかどういう攻撃が得意とか何か特筆することはないんですか?

ありません。

双子がいるとか名前がダサいとかモスクワまで遠いとかそゆ事だけなんですか?

そんだけです。
あ、
そういえばきのう試合の日やったのでルーチの帽子とマフラーして ←ウール製の冬バージョン
オッサンと車の部品屋へフォグランプ買いに行ったんですよ、
そしたら店のおじちゃんに男の子と間違えられてしまいました〜
「ロシヤ人のオジチャンにサッカー見に連れて行ってもらう男の子」やと思ったんやて。
「ワタシのオクサンなんですケド・・・・」ってつぶやいてたけどな、オッサン。
つぶやかずに大きな声で言って欲しかったですけど。

それで?

え?そんだけです。



<本日の夕ゴハン>
ネリマらしい魚のポアレ+フレッシュトマトソース、ネリマらしい魚のウハー、青梗菜の大蒜炒め、野菜サラダ

※我らがルーチ・エネルギヤのオフィシャルサイトはコチラ。

2006年11月14日(火) 湿布アイス


晴れ。 13:23の外気温2.1℃、室内23.4℃、湿度35%

キッチンへ行ったら、
オッサンがアイスの1キロパックをコッソリ冷凍庫に入れようとしてました。

「コラ。」
「ワ!」
「何買った?」
「湿布。」   


ふむ。
見事なボケじゃの。
見逃すこととするか。



<本日の夕ゴハン>
牛肉のソテー辛味ソース掛け、ババリア風ソーセージと芋ピューレのプレート、コーンスープ

2006年11月15日(水) おばちゃんがんばる。


晴れ。10:25の外気温1.3℃、室内23.1℃、湿度37%

依然休暇中のオッサンですが今日も仕事に行きました。

といっても今日は職場のワーリャおばちゃんの誕生日なので、
当然昼真っから宴会です。 ←もちろん仕事中

おばちゃんは67歳になりましたが現役バリバリのバリ島ガムラン! (意味不明)

オッサンの職場は定年がないらしいので(誰も知らない)ちゃんと仕事できるなら
いつまで勤めていてもいいらしいです。
分室のほうの主任はこれまた現役バリバリバリューのリューバおばちゃん、
なんと御歳76歳!
「もお〜、ババ元気すぎてェ〜もうチョット落ち着いて欲シイ。」 そうです。

さてワーリャおばちゃんは新しいものに抵抗がないので、
職場にパソコンが入った時もさっさと自分でも買ってスキルを身につけました。
暇な時は職場内のネットワークで対戦ゲームやっています。(コラコラ)
仕事はキャリアがあればあるほどいいのと同時に
最新テクノロジーにもついて行かなければならないわけですが、
そんな中で戦力として十二分に任を果たしているおばちゃんはスゴイです。
去年、経費で誰かをモスクワに研修に出せる事になったときには
部長がおばちゃんをやろうか、と言っておばちゃんが行きました。

予算が無いので経費で研修に行けるのは貴重な事であり、誰もが行きたいのですが
これからの若手でもなく中堅でもなく66歳のおばちゃんが行きました。
だれも嫌な顔をしなかったそうです。
そしてスキルアップしたおばちゃんは今日もバリバリ最前線で働いています。

そんなワーリャおばちゃんに、私からもささやかなプレゼントをあげました。

がんばれ、おばちゃん。


<本日の夕ごはん>
ベトナム麺の焼きそば、春雨の中華風サラダ

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