めるのロシア日記 調子悪くてあたりまえ

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2005年9月1日(木) いろいろ出費がかさみます

今日、9月1日はロシアの入学式。

日本の小+中+・高校にあたる11年教育のロシアのシュコーラは、
なにせ入学式が一回しかないのでこの日は特別大切です。
新一年生になるコドモを持った親+ジジババ×2は6つの財布から大大奮発で
大切なお子様を飾り立てます。

スーツのおぼっちゃまとアタマにどでかいりぼんをクツケたおじょうさまが
その格好に似合わないボロボロアパートから華々しくお出ましです。
どうか親と同じようになりませんように、良識と常識のある大人にな・・(ゲシッ)

そしてちょうど去年の今日、
北オセチアのベスランでは入学式の最中にテロリストが学校を占拠したのです。
そして3日目、治安部隊が強行突入して300人以上の人質が亡くなりました。
事件の全貌はまだ明らかになってはいません。

そして今日我が家では電気が全てお亡くなりになりました。
こちらは原因も対策もはっきりしています、大元のヒューズが飛んだのです。
交換以外どうにもなりません、明日までおそるおそるの生活です。

2時頃、洗濯の途中で停電したのです。
ムカ・ムカ・ムカツキましたがまあいつものことなので電気がなくても出来る事をやっていました。
ええ、「昼寝」ってやつです。

いつもはコドモ達の声でうるさいうちのアパート前も今日はシーンとしているので、
うっかり寝過ごしていたところへオカーサンがやってきました。

「元気?何してたの?」
「はあ、皿洗いとか・・・電気ないし」 ←もじゃもじゃヘッドでバレバレ
「また電気ないのッ?」
「はあ、2時頃から・・・」
「どっか修理してんでしょ。しょうがないわね」 と言って、
キッチン棚の取っ手を付けてから家中の掃除をして(もう勘弁して下さい・涙)お帰りになりました。

ところが停電は夕方になってもなおらず、オッサンも帰ってきました。

「今日なー2時くらいから停電しとん。ゴハンも炊けんしカップラーメンも食べられへんー」
「エ?停電デスカ?じゃーウチだけデス、アパート電気ついてるもん。」
「へ?ウチだけなん?ほなちょっと配電盤見てくれへん?」
と言ってオッサンに廊下に出てみてもらったのですが、
「だめですネエ〜、改装で配線が変わっていてどれがうちのかワカリマセン。
ちょっと両親に電話してミマス。」

自分の家の配線がどれかわからんなどという事でいいわけなかろう、と
ツッコミたい気持ちが湧き上がりましたがこの時点ですでに9時半。
腹も減っているしややこしいことにしたくなかったので
「もう今日は外食、外食!」といって携帯で両親のところに電話しながら階段を駆け下りました。

「ダメですネエ〜。オトーサンに聞いたケド、オカーサンしかわからないんダッテ。
でもオカーサン今いないんダッテ。どこ行ったかわからないんダッテ。」
こんな時間に妻がどこに行ったかワカランなどということでいいわけなかろう、と
オトーサンにツッコミたい気持ちが湧き上がりましたがこの時点ですでに10時。
腹ペコなのによその夫婦のややこしい事はあかん、あかん、余計な事はあかん。

さて10時も過ぎてしまった夕ご飯やけど車やし飲むわけにもいかんので
ガッツリ喰うだけ喰いたかったんですが、
閉店近い店のやる気無さにイヤ〜な気分になってココロ消耗したくなかったので
「まともな日本料理店」へ行ってしまいました。

浦には「まとも」な和食の店、数店あります。
以前はいろいろ「?」な店もありましたが、
今は日本料理と看板揚げているところはみんなそれなりだと思います、
安心して食べてください。

今日行った「M」という店で我々が食べたものをご紹介しましょう。

・ 握り寿司盛り合わせ(イカ、イクラ、おひょう、マグロ、鮭)
・ う巻き一皿(5個)
・ 樺太鱒巻き一皿(5個)
・ ノルウェーサーモン巻き一皿(5個)
・ 鶏照り焼き
・ みそラーメン ←日本の普通のラーメン風、ぜんぜん変じゃない
・ 醤油ラーメン ←日本の普通のラーメン風、ぜんぜん変じゃない
・ 日本茶(急須で)

合計1,510ルーブル也。
約6000円というところでしょうか。
料理はチョ→まともでおいしかったです。

しかしルーブル建ての家計で、平日の夜に停電でやむなく外食・・・にしては高くつきました。
反省しています。
ラーメンをぞぞぞぞぞぞーとすすったら、オッサンに怒られました。
反省しませんッ。
ラーメンはすすらんとまずくて嫌ッ。

▽  ▽  ▽  ▽  ▽

満腹で家に帰ってオカーサンが言うとおりに配線を触ってみたのですが電気は復活しませんでした。
ちょっとアセりました。(大汗)
オカーサンがアパートの緊急管理のところに電話して、修理のおじさんがやってきました。
すでに午前0時。

「大元のヒューズが飛んでるな〜、明日交換にくるけど、とりあえずなんとかしとくから
電力の大きいものは使わないように。コレ飛んだらもう明日朝電気なしだよ」
と脅されました。

ここ数日の頻繁な停電時、停電がなおって電気が点くときに
大きな電圧がぼんとかかることが何回も何回も繰り返されたので、
寿命がきかかっていたヤツがとうとう逝ってしまったらしいです。
そんでもって修理屋さんにお金も払わねばならなくなりました。

今晩はシャワーもなしで(なにせ今お湯も止まっていますから)静かに寝るとします。
おやすみなさい。


<本日の夕ご飯>
停電のため外食で日本料理を食べ、高くつきました。(特にお茶)

2005年9月2日(金) 次から次へと

今日はいろんな人が来ました。

朝7時半にコムソモリスク・ナ・アムーレという長い名前の町から
オッサンの北の村同級生、コーリャがやってきました。

コーリャは冬休みの1月にも我が家に滞在していたのですが
その頃日記をサボっていたので初登場です。

夜行列車で着いてうちに来て、
「うわ〜改装したの?スゲエ」と言ってからお茶を飲んだあと、
おもむろに短パンとランニングになり、「散歩に行ってきます」といって出かけていきました。
コーリャは何か「健康好き」な感じです、
体躯も小柄ながらカッチリしていて筋肉質、腹も出ていません。
角刈りで片耳ピアスの内視鏡医です。
・ ・・・・・・・・・・・・
いえ、そういう方じゃありません、奥さんも子供もいますッ。

冬の休暇も一人でやってきたのですが、今回も一人です。
いつも一週間くらい滞在していくのですが、休暇先が浦なんですか?
こんな町に何が楽しくてやってくるんですか?
オッサンに、
「コーリャ、いっつも浦に何しにくるん?」 ときいたところ、
「さあーワカリマセン」 という返事でした。

コーリャは今日から1週間滞在。

◎  ◎  ◎  ◎  ◎

10時頃、オカーサンがベトナムちゃんを連れてやってきました。

ベトナムちゃんは北のキムさんが修理して床が水浸しになるバスルームを救わんと
オカーサンがスカウトしてきたのです。
今度はベトナムちゃんですか。
・・・・・あの〜オカーサン、どこでそーゆー人スカウトしてくるんでしょう?

彼は「トーリャ」というロシア名を名乗ったのですが、
ベトナムの人はなぜかみんな小柄なので「ベトナムちゃん」になってしまいました。
家中の改装箇所を見て回って、さかんに「間違っている」「正しくない」「いい加減」
を連発したのですが、
そのたびにオカーサンが「間違ってるのッ?」「悪いのッ?」とハイテンションで聞き返していました。

ベトナムちゃんが帰ったあと、すかさずどっかに電話したと思ったら、
「ターニャ!アンタがいいって言ったキムさんはぜんぜんダメじゃないのッ!」
と文句言っていました・・・・。

オカーサン・・・
北の方はベトナムの方を、ベトナムの方は北の方をおたがい悪く言い合うものなんです、
そういうのは「常識」なんです・・・・
国に帰るまでに僅かな時間しかないんですから。
激っしくライバルなんですから。

ベトナムちゃんは明日の10時に修理に来る事になりました。

◎  ◎  ◎  ◎  ◎

2時頃、アパートの電気工事屋がきました。

きのう逝ってしまった大元のヒューズを交換するらしいです。
改装で、電気コードの配線が変わっているため難儀なご様子。
ちゃっちゃと済むかと思ったら3時間くらいかかりました。

ありがとうございました、おつかれさまでした。
これで真っ暗な夜から救われます。

◎  ◎  ◎  ◎  ◎

6時頃、オッサンが帰ってきました。

この人には別に用事がないので、来てくれなくていいです。


<本日の夕ご飯>
大根のサラダ、ポテトサラダ、枝豆、焼きそば、きのこと野菜と豚肉の炒め物

奴らはそのあとおいしいと評判のビールバーに行ったが混んでいて入れず
まずい店でビールだけ飲んで1時にお帰り。

2005年9月3日(土) 海へ海へと

今日は朝10時にベトナムちゃんが修理にくるはずでしたが来ませんでした。

やっぱりロシアはそんな具合で?
いえいえ、ベトナムちゃんはロシヤ人じゃありませんから遅れてきたりすっぽかしたりはしません。
原因は「スカッと晴れた」ことです。
週末でスカッと晴れたらロシヤ人は海にきまっとるやんけ!!!!!!
それ以外のなにがあるんじゃ!!!!!

今朝早くオカーサンがベトナムちゃんに電話して
「悪いけど(海行くから)留守にするので月曜日にしてくれない?」 と言ったようです。
もしもーし?
オカーサーーン?
私は居ますよ〜?
花粉症ですから。
しかもそうとう重症です。
こんなスカッと晴れて風の強い日にお外でキャンプなんていう自虐行為は致しません。
え?
私じゃ現場監督にならないからダメ?
あ、そうですか。
そんなら仕方ないです。

急だったので午前中に海行きの準備していたのですが、
「ウエットスーツ持ってく〜?」
「うーん、どしようカナ、あそこは砂底で良くないんデスヨ・・・」  
「あ、帽子もでてきた」
「あ、ほんとダ。寒い時潜るには要るんデスヨ」
と言いながら潜水用の帽子をムリムリッとかぶってみたらば・・・←スピードスケートの帽子を思い出して下さい
ワハハハハハハハハハハーーーーー!!!
コーリャが大声で笑っています。
「オマエ、テロリストじゃねーのか、ベスランやったのオマエだろ!!」 ←ベスラン小学校事件一周年
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
オッサンは鏡の前に立って黙っているので覗いてみると。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ほっぺたが・・・はみ出しとるの。」 

顔の真ん中が丸く開いたぴったり帽子からぽっぺたがむにゅうううと内側にはみ出してます。
自分でもびっくりしたのか黙って静かに帽子をとりました。

さあッ!気を取り直して海行きまショ、海ッ!
魚釣ってきてくださいよ〜
ようさん釣ってくださいよ〜
頼みますよ〜

お昼からコーリャも連れてみんなで海へ出かけました。


☆  ☆  ☆  ☆  ☆

さあッ!今日は楽しい一人の夜ですよッ!

ひとりごはんですからとっておきの氷見うどんを釜揚げして食らいました。
夜遅く、ロシア暮らしの先輩奥さんの所に電話したらもうお休みだったようなのですが
ご主人が気を遣って起こして下さり(ひぇ〜ごめんなさい)そのあと1時半まで長電話してしまいましたとさ。

何をそんなに話すことがあるかって?

ここには書けんようなことに決まっとるやんけ。


<本日のひとりごはん>
氷見うどん釜揚げ

2005年9月4日(日) バカムスコとカレイを喰らう

スカッと晴れ。 18:04の外気温20.4℃、室内23℃、湿度44%

海へ行ったオッサンとコーリャが夜12時近くになって帰って来ました。

昼間ですか?
市場に買い物行こうと思ったら日差しがめっちゃ強かったので
サングラスを探しているうちに市場が終わっていました。
このサングラス、オノレの目ン玉のせいでむやみに高いレンズなので血相変えて探しました。
でもまだ出てきてません、
困りました。
それ以外は鼻づまりでアタマぼーっとしてダラダラしていました。
ええ、それだけの日曜日です。
不毛です。

「へへへへへ〜魚をいっぱい釣ったヨ〜」
「ほう、どれどれ。」
といってアイスボックスを開けてみたら
うお!!  ←魚?
結構な釣果じゃありませんか。
ホッケ6匹、カレイ11匹、ブチョク(カジカ)7匹。

だいたい魚狙いの時はたいした釣果がないんです。
そんで市場で先に釣っておいて夕ご飯のおかずを作り、帰りを待っていたりする訳なんですが。
今回は海でもさんざん食べてきたらしいのでこれだけ持って帰れるのは上々ですね。
コーリャは海釣りをする機会がまずないのですごくおもしろくて楽しかったようです。

「もう遅いけどせっかくやからちっさいカレイを丸揚げしよか?」
「いいデスネエ〜、渋滞したから夕ゴハンって言えるものは食べてないし」
というのでから揚げしようと思って鍋に油をだぶだぶ入れていたら
コーリャがびっくりして「どうしてそんなに油をたくさん入れるの?」というので
「まあまあ、見ときなさい。」と言ってカレイを入れると
ジャーーッッッ!となるのにまたびっくりして何ができあがるんだろう?と不安そうな表情になりました。

このたっぷりの油の海で泳がせる日本風の「揚げ物」という料理は
ロシアの家庭料理では一般的でないのではじめてみる人はだいたいびっくりします。
特に男の人。
女の人は自分がやったことがなくても知っているからそれほど驚きませんが
男の人はびっくりします。
特に食材を入れて油がジャーーッッッとなるときちょっと怖いと思う人が多いようです。

ヒレがカリカリのカレイの山ができあがりました。
このカリカリがおいしいんです〜オッサン大好物です。
でもコーリャはこわごわです、
ヒレを食べるなんて!という感じですが食べてみたら以外においしかったようで
深夜に三人してカリカリカリカリカリカリとカレイをいただきました。
たいへんおいしゅうございました。
合掌。

明日はまた別の同級生、サーシャが飛行機でモスクワからハバロに着く予定です。
そしてハバロから夜行列車で浦まで。
同級生たちが釣ったこの魚をサーシャにも食べさせようと思い、半分冷凍しました。

ベッドに転がって半分寝かけているオッサンに、
「今日はようけ魚釣れてよかったなー、こんな釣れること滅多にないやん?」
というと
「いっつも魚ぜんぜん釣れなかったネエーって言われるカラ、
今日はオトーサンが釣ったやつも全部持ってキチャッタ。」
「え。 ほなオトーサンとオカーサンとこに魚いっこも置いてこんかったん?」
「そう。」

なッ。なんちゅう・・・
オトーサン、オカーサン、
こッ、こんな自分勝手なバカムスコでいーんですか?


<本日のひとりごはん>

焼きナス、昆布の佃煮、ごはん、味噌汁

2005年9月10日(土) ロシア名物マトリョーシカ

曇り。 11:30の外気温21.4℃、室内25℃、湿度69%

ウチのおっさん連中は昨夜は午前2時頃帰ってきたようですが、
寝ぼけまなこで鍵を開けてやった程度でよく覚えていません。

今日はそれぞれ故郷に向けて出発・・・・のはずだったんですが
なんか、
「海」
行くらしいです。

すでに予定より2日も遅れてるのに、いーーーーのかおまいら!!!

なにやら、どうせ遅れて週末になったんやから
海に行ってからコムソモリスク・ナ・アムーレに帰りたい、とコーリャが懇願したそうです。
コムソには海ないですもんね・・・アムール川も冷たいし・・・
「両親はもうきのう別の海岸に行っちゃってるから合流して三湖海岸に行く」
・・・・・・・・・もう行っちゃってるんですか、あのヒトたちは。
浦には海ありますもんね・・・水も温かいし・・・
ちゅうか、どーーすぃてそんなに海が好きなんですかあああああーーー(毎年これを叫んでいる気がする)
どーーすぃて休暇は海しかないんですかあああああああーーーー
もう一生分行ったでしょおおおおおおーーーー

連中は泳げるあいだは全部休暇、仕事はウワノソラでございます。
まあこれはウチのロシヤ人に限ったことではありませんが・・・

そんなんでも9月も2週目ですから今年最後の海になるかも?と思うと
(奴らはスーツで潜るので10月でも海に行くが)
私も行ってみたい衝動に駆られたのですが、
相変わらず劇花粉症のうえに目バチコまでできて片目潰れかけなのでやめました。

しかし今気温20℃で曇りなんですけど・・・
まあ海水は冷めにくいので気温より暖かかったりするから泳げるんですけどね。
あ、この暖かい海水が取り巻いているせいで半島である浦の秋は長いそうです。

じゃ、ま、ウチでホタテとウニでも待つとしましょうか。

タオルや毛布を出してみんなに渡したら、サーシャが
「おいおい、オレはモスクワに帰るよ〜」といいました。
え?
帰る?
帰るの?サーシャ?
そうですかー
そうですよ、それがマトモです、ええ!
休暇でなくて仕事ですやん!!
欲しい部品等は全部調達できなかったようですが、もう時間がないので帰る事にしたそうです。
なんせ10日間走りづめのロシア横断ラリー!!
2回目とはいえ、ス・ゴ・イですね〜〜〜
趣味のラリーやのうて陸送ラリーです、途中なんかあったらすべてパーです。
今回は浦を出る前に警察に捕まったりしないようにしてください。
ちゅか冷静に考えたら命がけの旅です、どうか死なないようにしてください。
日本から持ってきた交通安全のお守りを持たせましたが、
日本の神さんではなんかぬるいような気がして心配なんですが・・・・。

今回は3人で6台の車と4台のバイクといろいろを持って帰ります。
????
3人なのに6台の車?

そうです、これこそロシア名物、
「マトリョーシカ」
ただし車の。

トラックの上にワゴンを乗せて〜
ワゴンの中にバイクを詰めて〜
その隙間に部品をねじこんで〜

大型トラック→ワゴン→バイク→部品
大型トラック→セダン→バイク→部品
大型トラック→軽トラ→アクアバイク→ボートエンジン

とまあ、こんな具合にですね、入れ子状態で陸送して帰るわけです。
そうでなければ飛行機で浦くんだりまできてロシア横断9000キロキャラバンして帰る意味がありません。
ロシアの道を走っていると、
「車マトリョーシカ」は時々見かけるもうひとつのロシア名物。  ←ホンマか?

サーシャ、セルゲイ、イーゴリの3人のリペツク隊、準備完了、
モスクワへ向かってゴー。

オッサン、コーリャの三湖海岸隊、準備完了、
ナホトカへ向かってゴー。

出立の重みがかなり違うけど、人生一瞬先は闇。
サーシャ達は元気に着いたのに海で遊んでる連中は帰らないかもしれないし。(ひえええー)
それぞれに行ってらっしゃい、気をつけて!


<本日のひとりごはん>
今から考えます

2005年9月12日(月) だからロシヤのオトコは

曇り。12:25の外気温23.4℃、室内24.2℃、湿度58%

今朝コーリャはオッサンの出勤と一緒に駅まで帰りの切符を買いに行きました。

今日コムソに帰るんです。

今日帰るのに今日切符買ってていんですか。
橿原からなんば行くのとは訳が違いまっせ。  ←?

「買っとこうと思ったんだけど海行ったからね〜、
席があれば今日の2時の列車で帰る、なければ・・・考える」

おウチに帰るより海が大事ですね。そうです、そうそう。

10時頃、「切符買えた〜」と言って帰ってきました。
ヨ・カ・ッ・タですね〜
これでおウチに帰れます。
これで朝、モジャモジャヘッドを直す時間寝てられます、ありがとう!!コーリャ。

荷造りはチョ→かんたん、小さなスポーツバッグ一個でやってきて
スーパーのカサカサ袋が一個増えただけです、
ポイ、ポイ、ポイ、で はい、おしまい。
荷物の少ない男って素敵。

12時頃家を出るといったのでサンドイッチなんか作っておりましたところ、
どこかへ出かけたと思ったら
「バラの花束」
なんか抱えて帰ってきました。

・・・・・・・・・・・
・・ったく。
こーゆーとこがよおおおお、ロシヤのオトコはッ!!!
ロシヤのオトコなんだよおおおおおおおおッッッ!!!!

「よくしてくれてありがとう!食事は何でもおいしくて、おいしくて。
いい奥さんだね、快適に過ごせたことを感謝しています」

え。えっ、まあ・・・いややわ〜。
照れるわ。

でも あれ喰わそうこれ喰わそうと、食べる機会のなさそうなもんを
いろいろ作った身としてはそう言って頂けるのが一番うれしいです、
こちらこそありがとうございます、
こんな、誰かさんは絶対くれない「花束」まで!!!

「向こうに何時に着くの?」
「ハバロに明日の朝着いて、乗り換えてコムソモリスクに着くのは夕方5時かな。もう寒いよ。」

むう。
どいつもこいつも遠くから来やがって。
もっと近くからこれんのか、ロシヤ人。
家に着くまでこっちが心配やろう、ロシヤ人。
日本かて朝ごはん食べて行ってキマースで、夕ごはんは日本で食べれるねんで。

「じゃ、いろいろありがとう、最後までおいしかった。」
「こっちこそ! レーナとスターッツアによろしく!」
「うん、ありがとう、ダスヴィダーニヤ」

サンドイッチを食べてコーリャはコムソモリスク・ナ・アムーレに帰って行きました。

◇  ◇  ◇  ◇  ◇ 

さてと。
ではウニ開けるかの。

いつもの事ですが採りすぎです、ウニ。
たくさんあるのはわかりますが拾いすぎです、ウニ。
日本で高いのはわかりますが欲出しすぎです、オッサン。

アイスボックス一杯のウニを前にため息つきました。
とりあえず夕ご飯の寿司用に20個あけて軍艦巻き。
ご飯の後で
「さあ、残りのウニ開けなあかんからオッサン、殻割って」 と言うと、
「ワタシはちょっと両親の所へ行く用事がありますカラ・・・」 と言いながら
スタコラ逃げて行ってしまいました。

・・ったく。
こーゆーとこがよおおおお、ロシヤのオトコはッ!!!
ロシヤのオトコなんだよおおおおおおおおッッッ!!!!

開けても開けても終わらない・・・
ウニまみれ。
全部で72個ありました・・・
自分で食べるだけ採取しませんか?貴重な海洋資源です。

殻を片付けていたらオッサンが帰ってきました。

「うあ〜アリちゃん、全身ウニくさい。」
「うるさいッ。誰のせいと思てんねん、人をウニ女にしてからにもおお〜」
「だって見たら拾うでショウ。このあいだMでウニの軍艦巻きは2個で200ルーブルだったんですヨ」
「え。ほな一個400円か。」
「それくらいデスネエ」
「2個のウニで3個寿司作ったとして72個で108個!ええーーと、43,200円やん!!」
「拾うでショウ〜〜?」
「拾うわなー」

・・ったく。
こーゆーとこがよおおおお、日本のオバハンはッ!!!
日本のオバハンなんだよおおおおおおおおッッッ!!!!


<本日のウニ臭い夕ご飯>
ウニ軍艦巻き、カサゴの煮付け、カレイのあらとブチョクの味噌汁、たたききゅうり

2005年9月20日(火) マンモスでおつりください

晴れ時々くもり一時にわか雨。 11:50の外気温16.9℃、室内22.9℃、湿度44%

10時半頃オカーサンがパスポートをとりにきました。
今から滞在登録に行ってもらうのですがどうなるか・・・・
ちょっと不安だったのですが昼ごはん食べたら忘れました。

夕ご飯の支度をしていたらオッサンから電話がかかってきて、
「今日ネー、奥さんもって食事の誘いを受けたからアリちゃんも一緒に行きますヨー」
ご飯がほとんど出来上がっていたのでちょっとムッとしましたが
「誰?どこ?」
「Kさんで、店はM」  ←日本料理店
と言ったのであっさりレンジの火を止め、材料をタッパーに移しました。

Kさんは去年こんなロクデナシの私にタダ酒を飲ませてくれたいい人です。
「私はアル中です」と公言して憚らない『石の肝臓』の持ち主なんですが
飲んだらこっちがえらいことになったので顔を会わせるのはちょっとごにょごにょ・・・
オッサンから
「今日は飲みすぎないでくれませんか、すいませんが、お願いですが、」と懇願されながら出かけました。

パツキン美人秘書さん2人を引き連れて現れたKさんは相変わらずのアル中、
でなくてキュートな日本のオジチャンでした。
「Kさん、そのホタテ柄のネクタイ、チャーミングですねえ〜」
「そうか?ヤクーツクで大酒飲みのサーシャって男と酔っ払って交換してしもたんや。
オレのイタリヤ製とこんな中国製でしかもこっちが交換してくれって言うたんやから、
って1000ルーブルまで払ってオレって阿呆?」
「いやああ、ホタテがおいしそうだからその価値あります、すごくいいです」 ←めるさん、苦しいです。

刺身、串焼き、から揚げ、照り焼きとガンガン注文しているオッサンが、
「Kさん、ここ寿司は悪くないですヨ」というと、
「寿司は最後やで」と、さすがアル中発言!!
「??」という顔のオッサンに
「ほら、なんでも喰え、トロでもハマチでも。」
こちらは遠慮せずにバリバリ食わせていただきました。

「ところで、先週までヤクーツクに営業行って来たんですわ。」
「それはまたえらいところに〜」
「うちのブースにオレとおんなじ顔のオヤジが2人きてオレの顔をじーっと見るわけです。」
「はは。」 ←大汗
「で、実は2人で新しい会社を作ろうと思っている、それでオマエんとこの製品を買いたい、
売ってくれるか?って言うたんですよ」
「いいじゃないですか〜」
「まあ、先があるんですわ、
そんではい売りまっせ、ポータブルなら2万ドルくらいからありますって説明しようとしたら、」
「したら?」
「支払いはマンモスでどうか、って言うわけ」
「ま、マンモスですか!!!」
「せやねん。本気かこいつらーって思たけど真剣やねん、目が。
で、我々はマンモスの牙つき頭部を持っている、これは日本で5万ドルで売れるはずだ、売れたら代金の2万ドルを差し引いておつり3万ドルを返してくれ、って。」
「お釣り返せですかー!」
「もうな〜〜ほんまびっくりしたけどむこう本気やからな〜なかなか引かへん。
多分愛知万博のマンモスのことがあったからこりゃいける!と思たんやないかー。
今まで石炭で支払うからどうか、とかそういうのはあったけどマンモスちゅうんはほんまびっくりしたわ〜。」
「で、どうなったんですか?」
「丁重にお断りしましたッ、ははは。」

ロシアで営業したことがある日本の方はきっとこれをみて苦笑いをしているんじゃないでしょうか〜
こういうことはモノの大小に係わらずロシアではよくあります。

でも私ならですね、
しょうがありませんね、ってマンモス持って帰って1万ドルでしか売れなかったからあと一頭よこせ、
といってガッツリ稼ぎます。 ←まるでエスキモーを騙す悪商人です、めるさん。

Kさんはそのあと普通のアル中オヤジになって、もう一軒行くっちゅうとるやろ!と
美人秘書を困らせたので
「我々がなんとかしますから」といって預かり、新婚の秘書さんにはお帰りいただきました。
そしてバーにお連れして思う存分飲ませたところ帰り際、
「そんなに気に入ったかーほなそこの亭主にこれをさせえ」といってホタテネクタイを私に下さいました。

ホタテよりマンモスください。


<本日の夕ご飯>
高級日本料理(経費に感謝)

※Kさんと飲んでえらいことになった話2004年3月17日

2005年9月21日(水) 楽しい話

曇り。 12:30の外気温15.4℃、室内23.5℃、湿度35%

些細な事件があり、うかつにも涙ぐんでしまいました。
アリの目にも涙ってやつです。  ←?

本気で言ってんのとちゃう、という事は重々わかっているのですが
自分の意思と関係ないところで涙がぽろぽろ零れて止まらなくなってしまったんです。
オッサンはもう、めっちゃオロオロしていろいろ「楽しい話」をして気分転換させようとしてくれました。

「アリちゃん、泣かないで〜。そう、今日ワタシは面白いアネクドトをきいたヨ〜、
アノネ、夫婦2人が乗った車が大事故にあって病院に運ばれマシタ。
旦那さんのほうは脳しんとうで気絶しただけだったけど奥さんは重体でERに運ばれチャッタ。
旦那さんの意識が戻ったところにドクターがきて、
『奥さんは重体で救急救命室です、腕のケガがひどくて退院できたとしても家事をするのは無理でしょう、
料理から掃除洗濯、これからはご自身でやらないといけませんね、
それに奥さんにご飯を食べさせたりトイレやお風呂の介助もしないといけません。
残念ですけど夜の夫婦生活も無理だと思います。
脊髄もやられてしまったので脚が動きませんからこれから車椅子の生活です、
奥さんの車椅子を押してあげ・・・』
その話を聞きながらだんだんうなだれていく旦那さんにドクターが、
『ハッハー!冗談だって!ダイジョーブ、奥さんは死んだよッ』 」


笑えん。


<本日の夕ご飯>
にんにく茎と豚肉の炒め物、トマトとワカメの和え物、豆腐サラダ、赤だし

2005年9月22日(木) 効果的ダイエット

曇り時々雨。 14:39の外気温14.7℃、室内21.4℃、湿度55%

我が家の必需品、韓国製ザラトイ・マヨネーズが切れたので
買いに行こうと思ったんですが思っただけで終わりました。
今日一日何やってたんだっけ?
思い出せません。
「アリちゃん、家で退屈していまセンカ?それが心配で心配で」 とオッサンはいつも言いますが
一日中家にいても忙しいばかりで退屈なんて事はこれっぽっちもありません。
でも何していたか思い出せないんです、
そんな毎日です、
誰か叱ってください。

△  △  △  △  △ 

オッサンが黙々とご飯を食べています。
ドーパミン大放出。
急に立ち上がりました。
ナニゴト?

「すっごくおいしくてどうしていいかワカラナイ。」
・・・・・・・・・・・・。 ←弛緩
「どうもこうもないやろ。座って食うか、立って食うか。」
「そういう事じゃなくてエエッ!食べるのが止まらないんデス、太りマス」 ←本人、悲壮な感じ
「太ってるからもうどーでもええんちゃう?」
と言ったら箸をカラーンとおいて、エアロバイクで走り出しました。

なるほど。
この手か。
食べるなとか痩せろとか言ってもあかんのやな。
もうどーでもええ、太っててもええ、なんでもええ、トドでも象でももうどうでもええねん、
食え食え、もっと食え、もっと食っていい豚になれ!  
アンタが太ってる事なんか誰にも何でもどうでもええねん! ←めるさん言い過ぎでは。

これからのダイエットはコレです、みなさん。

私はといえば一人になったテーブルで
「旨い煮魚には日本酒やな」 とオッサンの食べ残したカレイの煮付けを丁寧につつきながら
冷でちびちびやりました。
旨いな。
沁みるな。

箸の国に生まれてよかったと思いました。
目に入るのが汗だくの太ったロシア人やのうて涼しい坪庭だったらもっとよかったです。


<本日の夕ご飯>
揚げナスのエビあんかけ、カレイの煮付け、Грибы по-рязански(リャザン風きのこ)、野菜サラダ

※我が家の必需品、オットギさんのザラトイ・マヨネーズええ、某社のコピーでしょう。

2005年9月23日(金) キケンな冷蔵庫

晴れ。 9:16の外気温12.9℃、室内22℃、湿度62%

オッサンがパソコンで写真を整理していました。
先週日本人会さんで行ったレイニケ島の写真です。

「うあースゴイ写真がある〜見て見て!」
「どれ。うあ!ホンマやな〜」
「この女性を知っていマスカ?」
「大変有名な方です。解凍したらウサギ肉だったという・・・」
「ナンデスカ、ソレ?」
「あんな、ロシアへ赴任したばっかの頃市場で冷凍肉買わはってな、
解凍したらウサギでたまげた、ちゅう伝説の持ち主様。」
「へ〜。人の足じゃなくてヨカッタですネエ。」
「なんや、それ。」
「ジェーニャはネエ、よくヒトを持って帰りマシタ。」
「・・・・? 話、見えんな。」
「ジェーニャは手術で切ったところで気になるやつがあると後で調べるために
病院の冷蔵庫にしまっておくんですケド、
冷蔵庫がいっぱいだとウチに持って帰っちゃうソウデス。
それでターニャ(奥さん)が料理しようと思って肉を解凍したら足の指だったとか、
関節だったとかあって。」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「あー、ジェーニャがまだお母サンと住んでたときお母サンも言ってましたネエ、
ウチの冷凍庫にはヒトの骨とか肉とかあるからうっかり解凍したらキケン、キケン、って。」

えーと。
聞かなかったことにさせて下さい。


<本日の夕ご飯>
カレーライス、野菜サラダ

※そんなジェーニャはこんな人2005年2月3日

2005年9月24日(土) 終いの三湖海岸・その壱

やたら晴れ。

今日は我が家の光、オトーサンの誕生日です。

オトーサンの誕生日ですけど海です、海。
スカーーーーッと秋晴れです。
秋晴れですけど海です、海。
窓から見える葉っぱが黄色くなってきてるんですけど海です、海。

ゆうべオカーサンから電話がかかってきて、
「明日はオトーサンの誕生日だけど今年最後の三湖海岸になるかもしれないから絶対海行くわよッ!
誕生日のプレゼントは釣竿にしましょ、途中アルチョム(隣町)で買ってきて!」
というのでバタバタと準備しました。
去年、オトーサンの誕生日をオッサンが忘れていて難儀なことになったので
今年はちゃんとプレゼントも買って海でお祝いするんだからま、いっか。

もちろん泊まりです。
毛布とダウンも用意しました。
ダウンを用意せなあかんのに海です、海。
しかも泳ぐらしいです、ロシヤ人。
ま、去年も10月まで泳いでましたけどね、オカーサンは。

☆  ☆  ☆  ☆  ☆

朝も早よから出発したんですがやっぱりハマってしまいました、ダーチャ渋滞。
浦から郊外へ向かう道は一本しかないので土曜の朝はすごく渋滞するんです。

のろのろのろのろと進んでいるところへ「ヒュゥゥゥゥーーー!」とパトカーのサイレンが聞こえると
「よっしゃああ!!」で、ウインカーを左に出します。
どうしてかって?
「パトカーの後に続きなさい!」という警官のアナウンスと共に
パトカーが対向車線を逆走して走行車線にしてくれるのです。 ←最初信じられなかった。
モタモタしているとあっという間に後続車でいっぱいになって入れないので、
鋭いタイミングで神業のようにパッと入ります。
私には到底できない芸当・・・・。
ぶいーーーんと逆走して渋滞を抜け、オッサンゴキゲンになりました。
向こうからやってくる結婚式の車にクラクションを鳴らしてお祝いしています。
ウラジオとその周辺の町では金曜と土曜しか結婚登録できないので、
今日は屋根に結婚指輪を模った大きなリングを2個つけて花で飾った結婚式の車がたーくさん。
8月・9月は特に多いんです、気候がいいこともありますが
この時期は野菜や果物が安くておもてなしの費用が割安で済むからなんですね〜!
妙に現実的且つロシア的なカンジがします。

オカーサンから忘れずに竿を買ってこい!と電話が入り、
アルチョムに入ってすぐ店に向かいました。
オッサンがいろいろ悩んでよしこれにする、と言った竿は390ルーブル。←1550円
ええええーーー???
そんな安くていいん?
オトーサンの誕生日プレゼントなのに?
プレゼントなのに?
オトーサンなのに?
と何度も言いましたが無視されました。
アタマにきたので「アリちゃんにも買え!」と言ったら
「しょうがないデスネエ」と言って取り上げた竿は120ルーブル。←470円
「どうせ釣れないんですカラ」
「ぬぁんやと?リバディアで釣れたの私だけやったやんか、私だけカレイ釣った!」
と訴えたら無言で交換した竿が160ルーブル。←630円
「そう変わらんやんけ〜!」と暴れましたが無視されました。

なんか気分が収まらないまま水や食料品を買い込み出発したんですが
オッサンは気分高揚しているらしく、ぺらぺらようしゃべってうっとおしかったので
ソーセージをラワーシ(ぞうりパン)にはさんで口に捻じ込みましたところ静かになりました。

周辺はまだまだ緑の多い森ですが、白樺はもう黄色くなりかけていて葉を落としているものもあります。
山葡萄が真っ赤に紅葉しているのが目に入りました。

さてナホトカを過ぎ、ヴォストーチヌィ港を横目で見ながらウランゲリの町に入ります。
ウランで下痢ですよッ、相当ヤバイです。
舗装道路があるのはここまで。
ここから山一つ越えて向こう側の海にでるまで15kmくらいなんですが
スゴイ道なので40分くらいかかります。
山道を入ったすぐの斜面にウランゲリの人達のダーチャ群がみえました。

「なあ、いっつも思うんやけどウランゲリの人わざわざこんなとこにダーチャ作らんでも
アパートの横好きなだけ耕したらいんちゃうん?自然の中とか森の空気がどうのこうのってレベルちゃうやん、アパート自体そんなとこなんやから。」
「まー、なんていうかーそうなんですケド・・・ダーチャはですネエ、
自分の家から見えるような所にあったらつまらないでショウ?」
「朝起きて窓からあ、イモの花が咲いとる、とか見えたらいいと思うがの。」
「ダーチャの窓から見えるならいいですケド、アパートから見えたらだたの労働デスッ。」
そうですか。
そりゃすいませんでした。

ところでこの山道は何度通ってもスゴイです、
「う・わ・わ・わ・わ・わ・わ」「や・や・や・や・や・や」
「オッパ・パ・パ・パ・パ・パ」「オイ・オイ・オイ・オイ」
「な・なんか、うちら鍋に入ったジャガイモみたいやな・な・な、
こう鍋をごろごろごろごろ・ろ・ろ・ろ」
「そ・そ・そですネエ・エ・エ・エ」
でも三湖海岸に人が増えないように絶対舗装しないで欲しいというのが我々の切なる願いです。
この国は犬より人間のほうがマナーを知らないですから。

柏の木々の間にちらっと青いものが見えました。
「あーもう着きましたネ」
いきなり目の前にコバルトブルーの海が広がりました。
この瞬間は何度来てもなにかこみ上げるものがあります、
素晴らしい透明の水、真っ白な砂浜、沖にのんびり浮かぶ島、なだらかな緑の稜線。

えーっと、ここ「日本海」のはずなんだけどなんかセイシェルみたい! ←知らんけど
なんか珊瑚礁でブルーラグーンでスティールドラムとか聴こえてきそう!!
と誤解してしまうようなエメラルドグリーンのそれはそれは静かな美しい海なのです。
北の日本海でイメージするこぶしの効いた波しぶきドドーーンってやつちゃうんです。

しかしこの海岸もシーズン時は人が多くてここまできれいじゃありません、
泳げるか泳げないかギリギリの、晴れている日が多い秋口が狙い目なんです、
よく覚えておいてくださいよ〜(いえ、来て欲しくはないんですけど)

2年ほど前から管理海岸になってしまい入場料をとられるようになりました。
一人いくらのところと車一台一泊いくらという場所があります。
うちは車泊まりなので一台一泊で100ルーブル。
去年までは金だけとってなんもしないと文句が出たので
今年はトイレを作ったり、ゴミ袋をくれて後でちゃんと片付けてくれるようになりました。
まあ適当ですけどね、そこらへんはロシアですから。

砂浜に入っていくと両親はもうテントを作り始めていました。

「オトーサン、誕生日おめでとう!!」
何はともあれ最初のあいさつはコレです。
「おお、ありがとう!誰も言ってくれなかった」 ←と言って泣きまね。
「ちゃんとシャンペンも持ってきました、釣竿も買ったよ!」
そこへオッサン登場、
「パー!ボート準備してすぐ釣り行こう!」 ←パーとはパパの略です。
「あー、来たか。水が冷たくてちょっと泳げなかったよ、釣り行くか。」
というので私とオカーサンはテント、オッサンとオトーサンはボートの準備をしました。
「ユーリーさん達はどうなってる?」
「今ボンベにガス入れてるところ、って電話あったヨ」
と言っていたらいいタイミングでユーリーさんがアクアバイクを引っ張ってやってきました。

三湖海岸に行く時はもうセットといっていいくらい、海仲間のチンピラ連中が一緒です。
いえ語弊がありました、ユーリーさんは私の中で高感度NO.1の兄貴なので
チンピラではありません。
(それ以外はウチのオッサン含め全部チンピラ)

ボートの準備ができたので、オトーサンとオッサンと私は釣りに出ることにしました。
たぶん今釣れるのはホッケ、ガシラ、カレイ、ブチョク(ニジカジカ)のあたりです、
みんなが一番好きなのはカレイですからカレイがたくさん釣れるといいんやけどな!

あー、なんてきれいな透明の水!
沖へでてもかなり長いあいだ底が見えます。
ウラジオあたりじゃもうこんな海絶滅しちゃったよ・・・・

まず沖に浮かんでいる島まで行って潜り、えさにするムール貝を採ります。
そこからポイントまで行って3人で新しい釣竿も出して釣り始めたんですが・・・
くーるわ、くるわ、ブチョクが。
もうバンバン上がります、もうええちゅうねん、ブチョクゥゥ〜〜
ブチキ、ニェナーーーダァァァァ!!!

日本でもカジカはカレイ釣りの外道でよくかかりませんか?
どんなえさでも食いつきやがるのでロシアでは別名「ぱっくん魚」と呼ばれています。
まあ味噌汁や煮魚にしたら悪くないんですがアタマでっかくて食べるところが少ないから
ロシアでも外道で完全雑魚扱い、食べ方はスープ、猫を飼っている人はえさにする、です。
市場でもたまに売っていますが最低の値段です(キロ20円とか)

もう釣れて釣れてしょうがないのでリリースしようとしたらオッサンに怒られました。
「釣った魚を逃がすな!」・・・って逃がしてやろうや。誰がこんなに食べるねん!
ちゅか誰がこのぱっくん魚を捌くねん!
ポイントを変えてもえさを変えてもぱっくん魚しか釣れないのでみんなうんざりして帰ろうと思ったら。
錨が海底の岩にはまり込んだらしくどうやっても抜けません。

錨をあきらめて帰る事にしました。
「錨と引き換えがこんなぱっくん魚か・・・。」
オッサンの顔に怒りの色が浮かんだので慌ててなだめました。
「いいやん、おいしいスープ作れるし、キティにもご飯できたしな〜
バアチャンちのカーチャ(猫)にもあげたら喜ぶし、冷凍しとけばいいしー」
こんなでっかいオジちゃんにボートの上で暴れてもらって海に沈みたくありません。
ぶーーーんと浜まで帰ってきたらセルゲイのキャンピングカーが見えました。
これでチンピラが全員集合。

「おう、何釣れた?」
「ブチョクだけ。」
「がはははは、ウチの猫にもらってくわ〜」
「何いってんのよ、ウハーにしたらおいしいんだから」 ←オカーサン。
「でもユーラがホタテとってきたから殻はずすの手伝って、すぐご飯にしよう!」
という一言でみんなホタテの方に行ってしまい、
「ブチョクどうしたらいんですか・・・・」 ←1人呆然とする私
「ひどいなーリリースするなとか言っといて釣ったらそれきりか、かわいちょーね、ぱっくん魚チャン・・・」 ←とりあえずうろこ引いてはらわたをとりアイスボックスに放り込む私
「かわいちょーね、ぱっくん魚チャン」 ←ナンボやっても終わらない
「くぁわいちょーねえ、」 ←イライラしてくる
「ええいッ!オッサン、ちょっと来いッ!」 ←キレた。

でも来たのはオトーサンでした。
手伝ってくれました。
ありがとう、オトーサン。

薄暗くなってきたころ、
「さあッ、みなさん、今日は特別なお祝いの日です、パパの誕生日です!」
オカーサンの言葉で宴会のはじまり〜♪
オトーサンの誕生日を祝って乾杯し、あとはもう飲んで食ってなにがなんだかぐちゃぐちゃ・・・
真っ暗になったころ、ぱっと電気が消えました。 ←車から引いて電球をつけていた
「わーーーきれい!」
みんな一斉に夜空を見上げて歓声をあげます。
ほんますごい星!!!
船乗りだったセルゲイがいろいろ星の説明をして、
「さあ、わかったかな、じゃ電気つけるぞ〜」
一瞬の闇、永遠の宇宙。

チンピラ達がバカ話で盛り上がり始める頃、こっちはすっかり眠くなりもそもそと車の中へ。

そういえば海も今年最後になるだろうから投稿記事にしようかと考え
いろいろな場面で写真撮っておこうと思ったんですが、
海にきたら「なんか忘れちゃうかんじ」でどーでもよくなってしまいました。
これぞ正しい休暇のありかたです。

おやすみなさい。


<本日の三湖海岸夕ご飯>
生ホタテ、ホタテの殻焼き、ホタテと玉ねぎの炒め物、カレーライス、ジャガイモときのこの炒め物、タバカチキン、野菜サラダ、ブチョクの塩焼き、シャンペン、コニャック、ウオッカ、ワイン、ビールetc・・・

2005年9月25日(日) 終いの三湖海岸・その弐

あいかわらず晴れ。

おはようございます。
朝から萎えるほど晴れてる、ここ三湖海岸から中継です。
今日も素晴らしく美しい海ッ!
ウインドサーフィンやウェイクボードの練習をしている人が見えます。
沖には2隻の船が浮かんでいます。

チンピラ達が波打ち際にアクアバイクを運んでいくのが見えます。
オッサンとオトーサンは朝早く釣りにでかけました、
今頃ボートをブチョクで満杯にしていることでしょう。

こんな素晴らしい海でこんな時間(10時)にボンヤリ起きてくるボケは私だけです。
よろよろと波に曳かれるように海岸に下りて行くと、
オカーサンがぎりぎりビキニで日焼けしていました。
オカーサン、もう十分焼きすぎなんですからこれ以上焼いたらネオナチに狙われませんか・・・
などと余計な事を考えながら笑顔で
「オカーサンおはよう〜!」
「起きたのね、おはよう!お茶した?ふきんの下にカルバサとかチーズあるわよ」
「うん、まだ。今からいただきます」
「ゆうべね、食料の袋をうっかりテントの外に出してたら夜中に犬がきて
カルバサとかチーズとか食われちゃったのよッ!」
「え!犬が食っちゃった?」
「そう、黒い大きい犬、管理人のとこにいるアイツよ。なんかガサガサすると思って
外に出てみたら犬が袋にアタマ突っ込んでて」
「ひゃー、たいへん」
「追っ払ったんだけど半分くらい食べられてたわね」

夜中になんかオカーサンがわめいてるなあ・・と思ったんですが
そんなことになっていたとは。
油断なりませんな。
いえ、オカーサンじゃなくて。

☆  ☆  ☆  ☆  ☆

黒犬の食った残りのチーズでお茶したあと、
2時間ほど波打ち際を端から端までまでゆっくり歩いてみました。
人がいないので浜にはゴミがぜんぜんなくて清清しい気分です、
ロシアでは森でも川でも、こんなとこまで!という所までどこへ行ってもゴミだらけなので
ゴミなしの所にくるとちょっと新鮮。

砂浜に寝そべっているおっぱいちゃんが5人くらい・・・
気温は体感28℃くらいか。
風があって気持ちいいです。
さすがに泳いでいる人はいません。
小魚が打ち上げられてびちびちやっています。
浜のほうに目をやると可憐な花が潮風に吹かれています。
あざみ、ハマナス、リンドウ、おみなえし、浜なでしこ、松虫草・・・
美しいな。
夏には来たいと思わない海やけどこんな時期はホンマいいな。

帰りは浜のほうに上がって真っ赤に熟したハマナスの実を摘みながら帰りました。

ハマナスの実はシポーヴニクといってロシアではヴァレニエ(ロシア風ゆるいジャム)にします。
シポーヴニクは一般的に「野ばら」の実を指しますが、
沿海にはハマナスがたくさんあるのでこの辺ではハマナスの実もシポーヴニクと呼びます。
どちらもバラ科で実にはビタミンCがたくさん含まれているので他のベリーと同様、
青物がないロシアの冬のビタミン補給としてよく摘まれ
野ばらの実は乾燥してお茶、ハマナスはヴァレニエやお茶にします。

ハマナスのヴァレニエは独特のうまみがあってうちの家族も好きなのですが、
一個ずつ割って中の種を出さないといけないので摘んだ後の手間がたいへん!
それを考えると摘む気がうせてしまうらしく、あんなに頻繁に海に行くオカーサンも
最近は摘まなくなりました。

がしかし。

海岸から眺めると、緑の中に点々と大粒ルビーのように輝くシポーヴニク。
見てしまったらもう摘まずにはおれません、
パケットいっぱい摘んで採集本能を満たし帰還。
むふふ、おいしいヴァレニエを作るぞッ。
と、そこへちょうどオトーサンとオッサンが釣りから帰ってきました。

ボートからでっかいバケツを2個下ろすのが見えたので海のほうにおりていってみたら・・・
ブチョク満杯でした。 ←いっきに盛り下がる
ま・・・・40匹くらいはおるかな。
「もお〜ッ、ぱっくん魚、いらんーーー!なんでこんな釣るんッ!!」
「カレイ一匹釣るまでがんばろうって釣ったケド、釣っても釣ってもブチョクでエ〜
でも後からは逃がしたヨ、それにホッケ釣ったし。」
「どこ!ホッケちゃん、おらんやん。」
「ほら、4匹」
「・・・・・・・・・・・。」

「このぱっくん、どうせいちゅうねん・・・。」
「うちのキチと、カチャと、セルゲイの猫とユーラの猫と、」
「管理人のとこにおった灰色の猫にもな」
「ソデスネエ・・・。」
オトーサンは始終無言。

日本語のやりとりでもブチョク釣りすぎに文句言われているのがわかったのかオカーサン登場、
「ウハーにすればおいしいんだからみんなで食べましょ、あんたウハー作りなさい!」 ←魚スープ
といってさっさとはらわたを取り始めたので、
みんなで砂浜に座りこんでとりあえず全部、うろこ引いてはらわたとることにしました。
「わ!コイツ、ナマコ食っとる!」
ぱっくん魚の腹からでっかいナマコがそのまま出てきた時はびっくらこきました。
さすがぱっくん。

みんなだんだん無口になってきた頃、アクアバイクで暴走していたユーリーさんが帰ってきたので
オッサンはシメタ!とばかりに2人でホタテをとりに出かけてしまい、
オトーサンとオカーサンと私の三人、無言でぱっくん魚を処理しました・・・

女王様のいいつけ通りテントでウハーの準備をしていると何やら海岸のほうが騒がしく・・・??
「アリちゃーーーん、タコ!タコーーー、タコ捕ったヨーーー!!」

おおおおおおお?タコ?

走って行くと、その辺で甲羅干ししていた人まで集まってみんなでキャーキャーやってます。
ユーリーさんがうねうねして逃げようとするタコを両手でさばいてみんなに見せていました。
ロシアで生きたタコを見る機会はなかなかないですからねえ〜♪
キモチ悪いけど触ってみたいという連中が順番にタコを持ってワーワー言っています、
離そうとしても吸盤がくっついて離れず半泣きのオネイチャンもいます〜
タコチャンがこっちに回ってきました。
「墨吹かないかなァ?」
「大丈夫、海でさんざん吐いたから。三匹いたんだよ、でも逃げられちゃって一匹しか捕まえられなかった。」
とユーリーさん。
「タコの味を知らないこのバカの連中は可愛そうダカラ海に逃がしてやろうと言うんですケド・・・」
とオッサン。

なに!!!
生タコチャンを味わえることなんぞ滅多にないのに海に放られてたまるか!
えええいッ、このタコチャンは私のもんや、
可愛そうやが往生してくれ、そしておいしく腹に収まってくれえええーーー!
とタコを握り、テントに向かってスタコラ逃走する私。
「コラ待て!×☆○+?・!△□>>(*!!」  ←なんか後ろで言ってるが無視

テントに帰ってきたらウハーのために沸かしていた海水がちょうど沸騰していました。
うーん・・・。
タコチャンを生で食べたい・・・。
だけどみんなにも食べさせてタコのおいしさをわかってもらい、
私が可愛そうなタコを食べる残酷なニホンジンじゃないと証明したい・・・・
バケツでむぎゅむぎゅタコを洗いながら暫し思案。
バケツから引き上げると必死のタコチャンを一瞬見つめ、次の瞬間鍋に放り込みました。
ぶっしゅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!
と墨を吹いて断末魔のタコチャーーーーン!!
ひえええええええええーーーー!!なんまんだぶ、なんまんだぶ、
やっぱり残酷なニホンジンですううううううう!!!

タコチャン、口がこう、ちゅーとチュウの形に飛び出したままのゆでダコチャンになってしまいました・・・。
(いま実際にちゅーとやってみた人、そんなアナタが大好きです)

なんや可愛そう・・・と思いながらも食べようとしているところへみんなが戻ってきました。

テントを遠巻きに見ています。 ←ネットなので中が丸見え
タコの足をナイフで切って今まさに食べようとしている姿は
「なんて残酷なニホンジンの女!」でしょう。

ええいッ、構っておれるか。
食ってやる、
「ウマイッ!ぷりぷりッ!」
の一言にオッサンも中に入ってきてタコ足を切り、
「ウーーマイッ!やっぱり生だと柔らかくてオイシデスネ〜ユーラにも食べさせマショウ」
というので捕ってくれたユーリーさんにも切ってあげたら、
「・・・・・どこがおいしいのかわからない。ゴムみたい。」

ひえええええーーーやっぱり残酷なニホンジンじゃん!
どーする、自分。

オッサンが、煮タコが好きなオトーサンに切って持って行ったら「もっとくれ」と言われたらしく、
「タコはビニール袋にしまってウチに持って帰りマショウ、もうタコはアリマセンッ!」
というのでタコは「もう無い」こととなり、クーラーボックスにしまわれました。
残酷なニホンジンのままの私はどうしたら汚名挽回できますか?(涙)

☆  ☆  ☆  ☆  ☆

ホタテの準備もでき、こっちのウハーも出来上がったので昼ごはんにすることにしました。

「うん、ブチョクのウハー、悪くない。」
好評だったので一安心です。
この連中は自分でホタテを捕るし、慣れているのでホタテを生でも食べますが、
大体のロシア人は貝柱だけをゆでるか油で炒めて食べます。
ひもはプロフ(ピラフ)に炊き込んだりしますがあとは捨ててしまうんですよ〜
カモメのえさです、もったいないですねえ!
あ、今日はツブ貝もありましたよ。 ←刺身で食った

みんなおなかいっぱいになって砂浜で昼寝(日焼けとも言う)しはじめました。

「さ、我々はその間にウニを採りに行きマス」 と、オッサンがオトーサンを誘ったので、
「待てコラ。私が行く!」 と言って立ち上がると、
オトーサンが「大丈夫か?ボートを動かせるか?」と心配そうです。
というのは、潜っているオッサンに合わせてボートを移動していかなければならないので
磯の流れが複雑なウニのポイントでちゃんとボートを漕いだりエンジンかけて動かせるのか、というのです。

大丈夫かどうかそんなことはわかりません。
わかりませんが。
オトーサンに行かせたら、行かせたら、オッサンがすき放題ウニを拾うやんけ!!
剥くの誰と思てんねん、もおおおお、72個とか剥くの嫌や・・・。
絶対30個で阻止したる、ボートが転覆しようがオッサンを置き去りにしようが、
「大丈夫ですッ。」

心配そうなオッサンと2人、島へ向けて出かけました。

ボートの上からでもウニがたくさん見えます、
ムラサキウニが多いですがバフンウニ(ロシア語では緑ウニ)もたくさんいるので
直径だいたい8センチ以上のバフンウニだけを拾います。

潜りながらあちこち移動していくオッサンに合わせてオッパ、オッパとボートを漕いでいくのですが
オトーサンが心配しただけあるな〜、岩や流れでなかなか難しい。
しかもオッサン、早い、早い。
でぶは浮力がつくと地上では見られない動きをしますね。(あっ差別的用語が)
ポカと浮き上がったオッサンが随分遠いときもあり文句言われます。
10個、20個・・・だんだんウニが増えてきました・・・・
「あと10個でいいから!」
29、30、31、32・・・・
「もういいちゅうねん!!」
「今何個デスカ?」
「32個!」
「偶数は良くないですネエ、39個にシマショウ」 ←さっさと潜る
「どっから39やねん!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・ ←潜っている
・・・・・・・・・・・・・・・・  ←浮き上がってきた
「ぷはーッ、ふう。9は日本で縁起がよくないです、40も4だし偶数ですカラ50個にシマシタ。」
「・・・・・・・・・・・・・・。」 ←半泣き。

「さあッ、島で着替えてテントに帰りマショウ〜」
というので島に向かってボートを漕ぎ、岩の上にオッサンのビーサンが
乗っているのが見えたのでそこに着けました。
「あの・・・・。」
「はい?」
「どしてワタシのサンダリがここにあるんでショウ?」
「脱いだからやろ。」
「でもワタシは今日ココへ来ていませんヨ?」
??
「アリャ!ワタシはきのうここへサンダリ脱いだまま帰っちゃったんデスネ!」
「・・・・・・・・・・・・・。」 ←脱力。

一晩この島の岩の上にあったというわけです。
流されなくてよかったの。
ちゅか偶然ココにきてよかったのー、私に感謝しなさい。

ボートに戻る途中でまた2個ウニを拾い、結局52個のウニとホタテ1個を積んで浜に帰りました。
オトーサンに任せても同じ事だったかもしれません・・・・

☆  ☆  ☆  ☆  ☆

浜に着いたらもうテントを解体して帰りの準備をしていました。

着いたばかりの別の家族が悲鳴を上げながら海に入って嬉しそうに泳いでいます。
冷たいと思うがな〜
まあ15℃あれば泳ぐけどな、ロシヤジン。

さてそんなロシヤジンを横目で見ながら、
ウニを欲しい人は誰もいませんからさっさとクーラーボックスに放り込み、
みんなでボートやアクアバイクを揚げて一休憩。
オカーサンは懲りずに日焼け。  ←だから焼きすぎだってば。
その間に浜を少し歩いてリンドウを数本摘みました。

浜の中に草が茂っている所が点々とありリンドウが咲いているのですが
足を踏み入れると青草の下はゴミの山。
やはりそうきたか。
ロシアンスタンダード、外から見えないところにはゴミ。
捨てるほうも片付けるほうも見えないところはないと同じ。
「管理海岸」に何も期待はしとらんがせめて「見える」ところに捨ててくれんか。
見えたら嫌でも片付けるやろう、
海が好きなら海を大切にしようや、ロシヤ人。 ←おなじみ。
ゴミとか原潜とか捨てるのやめようや。

ゴミをまとめて全部が片付け終りました。

海におりていってみたくなりました。
透明の水。

センチメンタルとは縁のないオジちゃんが「帰りますヨーーー!」と呼んだので
波打ち際の水に入りながら少し歩いて今年終いの海にお別れ。

管理小屋のゲートが開き、ドロボーの黒犬ともお別れ。
ぎゃンぎゃン吼えやがるので窓を開けて、
「貴様はウチのカルバサとチーズを黙って食ったやろ!!一言私に謝れ!」
と言ってやりましたがわからないようでした。
ドロボーのうえにアタマも悪いようです。

さよなら、三湖海岸。
来年もきれいでいてくれよ。

またあのスゴイ山道を4台で鍋とジャガイモのように通り、
ウランで下痢のダーチャを見てまた同じ事を言い、
ユーリーさんの親戚のガレージで「ちょっと失敬」したらしいガソリンを格安で売ってもらい
今回の海行きのガソリン代をタダにしました。
原油の高騰はロシアの市井人に大打撃を与えています。←とってつけたような言い訳。

満タンでパルチザンスクの田舎道を爆走しながら、
「アリちゃんはロシア風の外の遊びに慣れたみたいですネエ、
最初は三湖海岸に行く途中でもうグッタリで、行ってもあれがないとかこれはいやとか
汚いとか痛いとかかゆいとかばっかりデシタ。」

えーと。
今でもその通りなんやけど。
なんやけど、なんていうか、
出発したら「なんか忘れちゃうカンジ」でもうどーでもよくなるんです。
コレが慣れっていうんですか?
慣れっていうんですかッ?
自分でも気づきませんでした。
手遅れにならないうちに更生せんと!!

☆  ☆  ☆  ☆  ☆

アルチョム(隣町)でみんなと別れ、ウチに着いたのはもう午前0時でした。
いろいろ用事もしたので帰りは5時間半ほど。
大荷物をおろしていたらパサッと包みが落ちました。

ああ、リンドウや。

とりあえずこれだけ活けて今日はもう寝ることにするかな。
52個のウニも大漁のぱっくん魚も頭の痛いことは明日考えよう。

今夜はリンドウのような青い海だけを思い出して・・・・などと
センチなほうに転びそうになるところを
「お腹すいたも!ゴハン、ゴハン!」
という一声であっさりいつもの「調子悪くてあたりまえ」となり
今年の三湖海岸、終了。


<本日の午前零時の夕ご飯>
ウニ。ドシラクラーメン。

※「なんか忘れちゃうカンジ」になる前に撮った海の写真ウラジオから車で4時間程度、ウランゲリの山向こう、通称三湖海岸です。

2005年9月26日(月) 輸送機事故の真相

晴れ時々曇り。 12:57の外気温20℃、室内24.3℃、湿度53%

ゆうべ先送りにした頭の痛いことをする当日です。

オッサンは「腰痛いヨ〜、アリちゃん寝れるからイイネエ・・・」と言って仕事に行きました。
私も肩から背中、腰、腕と筋肉痛でヘロへロです。
しかし待っているウニ、ホタテ、タコ、魚、シポーヴニク、洗濯もん・・・
寝てなんかおれません。

ロシア暮らしの先輩奥さんから電話がかかってきて、
「週末電話したんだけど出なかったから天気いいし海行ったと思った」と言われました。
図星です。さすがです、奥さん。

ロシア暮らしの後輩奥さんからも電話がかかってきました。
こちらの奥さんは日本人会さんの島行き途中のビンゴ大会で私の出した景品、
「日本の庶民的普通の夕ご飯ご招待券・但し山の上」をGETした奥様です。
マジで??と思いましたが大マジでした。
だってココまでこなきゃあきませんよ?
それに私より料理上手そうな奥様なんやもん。
「今日やったら寿司なんよ!ホタテもウニもタコもなんでもあるんやけどな〜」
とお誘いしたのですがご主人が出張からお帰りになる10月半ばに一緒に、というお返事でした。
正しいです。
まっとうな奥様です。
オノレを反省しました。

さて魚はピンセットで虫を丁寧にとり、今日の献立分だけ残して冷凍しました。
日本の鮮魚売り場じゃないですから寄生虫はジョーシキです、
ブチョクやホッケはある程度の大きさになるとたいがい虫がいて、
この連中は加熱で大丈夫ですけど見えるところにおったらやっぱり気持ち悪いですやん。

そしてウニ。
・・・・・・・・・・・・・・・・。 ←ため息

寿司飯用に米を準備して、よっしゃあ、と気合をいれて52個、一気に剥きました。
海水と同じくらいの塩水に放ち、とりあえず冷蔵庫へ。
疲れた・・・・・。

お次はホタテ。
殻をはずして貝柱とひもだけになっているので、ひもは白くなるまで塩もみして洗い冷凍、
貝柱は寿司用と冷凍用。

お次はタコチャン。
タコチャン・・・・足が、足がほとんど食われてるッ。
誰ッ、誰なのッ! ←アイツです
胴を細く切ってマリネ液へ。

シポーヴニクは洗ってざるに入れ今晩ボチボチ種とるか・・・・

と、ちょうどそこへオッサンお帰り。
「はああああ〜もうへろへろデス。疲レタ・・・ゴハンは?」
「私もへろへろやけどゴハンは作りました、ウニも剥きました。」
「ゴーメンネーー、食べマショウ!」 ←ウニを剥かなくていいとわかり急に元気になる

夕ご飯はウニ、ホタテ、タコの寿司、タコのマリネサラダ、ホッケの塩焼き、
ブチョクと野菜の味噌汁と、きのうの海の名残の品です。

「タコうまいな〜、私ホタテよりタコが好きやし。ユーリーさんよう捕ってくれはったわ!」
「ユーラは海に出ると別人になりますネエ・・」
「そうな、あんな優しくてニコニコしとんのに海走っとる時とか潜る時とかめっちゃ
ハイテンションで怖いくらい。
飛行機乗っとるときもそうなんやろうか?」 ←パイロットで時々スチュワード
「ユーラは今、飛行機乗ってませんヨ」
「へ?何しとん?」
「うーん、何してるといわれると何してるのカナ・・。」
「なんで?スチュワードも辞めたん?」
「うーん、冬も仕事が欲しくてスチュワードをやったケド、給料が安くて困ってしまって。
それでまた輸送機の飛行士に戻ろうとしましたケド、輸送機の飛行士はやりたい人ばっかりで
空きがアリマセン、旅客機の飛行士もアリマセン、スチュワードしかありません、
って言われて辞めたんだそうデス」
「わ!そうやったんかー」
「日本ではそいういう仕事の人の給料は良いそうデスネ。
ウラジオストク航空はどんどん航空券の値段も上がってるし、
アバカンとかマガダン航空とか小さな航空会社をどんどん吸収して儲かってるみたいですケド、
働く人はそういう小さい航空会社の人をその会社の時の安い給料のままで使って
今までウラジオ航空の社員だった人をどんどん締め出しているそうデス、
だから今ウラジオ航空のスチュワデスとか飛行士とかウラジオの人じゃない人ばっかり。
ほら、正月にウチに来たタマーラもマガダン航空の人だったデショ?」
「そんなことになっとるとは・・・オネエのリョーシャももうおらへんのかな、淋しい・・。」
「特に旅客機はダメですネエ、正規の給料しかないし」
「というは?」
「ロシアの給料というのは多くの人が二階建てデス。
それは正規の給料とそうでない給料がアル、ってコト。
そうでない給料は税金もないし、だいたい正規の給料が高い仕事なんてほとんどないでショウ?
ダカラそうでない給料がたくさん入る仕事をみんなしたいわけじゃん、
給料が安いはずの交通警察とか税関とかの職員になりたくてもなかなかなれナイヨ?
どして?二階の給料がたくさんあるもん。
輸送機の飛行士も同じ。
飛行機の貨物なんて何トン運ぶと思いマスカ?中見たことある?空っぽでショ。
なんかわけわからないものが一緒に入っててもわからないし、
1トンくらいオーバーしたところでどうってことないデショウ。

たとえばこの辺ではネ、アルチョムに大きな鶏工場があるデショ、
そこで工場から直接卵を買って飛行機のすきまいっぱい積んでサハリンに飛んだら高く売れる。
サハリンは物価高いから。
もう5トンくらい平気でやるよ、連中は。
あんまり重いんで飛行機がウーンって頑張って飛ぶから燃料が切れるギリギリでなんとか着いたとか、
ユーラが言ってたには、カムチャツカに行こうとした時重くてとうとう離陸できなかった、とか
着陸でオーバーランしてもう少しで建物に激突するところだったとか、そういう話はしょっちゅうあるヨ。
時々貨物機がわけわからないところで落ちてるけどあれはそういう荷物をどっかへ内緒で
運ぼうとして落ちちゃったヤツ。
軍の輸送機なんか特にひどい。誰も捕まえれないから危ないものを運んだりしてる。
まあ、そういうわけだからみんな輸送機の飛行士になりたくてユーラは仕事がなくなっちゃった、というコト。」

ノンキに夕ご飯を食べていただけなのにロシアの航空機事故の原因がわかるとは思いませんでした。

儲からなくてもユーリーさんがそんな危ない輸送機のパイロットに戻らないでよかったです。
それと同時に海での変貌ぶりが腑に落ちた気がしました、
何かアドレナリンの飽和が必要な人みたいです。

オッサンは一気に話して寿司をばくばく食べはじめました。
コラコラ、
君は脂肪が飽和しないように。


<本日の夕ご飯>
ホタテ・ウニ・タコの寿司、ホッケ塩焼き、タコのマリネサラダ、ブチョクと野菜の味噌汁

2005年9月27日(火) プーたんにズバリ言うわよ!

晴れ。

テレビをつけて三湖海岸で採ってきたシポーヴニクの種とりをしていました。
め、めんどくさーーー
めんどくさーーー

と、テレビにベルーガちゃんが映っています。
ベルーガとは北極海などに住む白いイルカ(クジラ)で、浦の海岸通りに面した生簀でも飼われています。
お金を払うとジャンプしてチューしてくれる色白美人の可愛い連中ですが
なじみになっても配偶者ビザを狙って結婚を迫ったりしませんからいとしさつのります。

どうやら海軍の船が燃料漏れをおこして美人ちゃんの生簀のあたりまで海が汚染され困っている、
というような内容でした。
まあッ、なんてひどいことなの!
こんな可愛いくていい子のベルーガちゃんを早く助けて、ダリキン! ←ボンクラの州知事

◎  ◎  ◎  ◎  ◎

帰ってきたオッサンがいきなりテレビをつけました。
ロシア連邦大統領、プーたんが映っています。 ←正式名はプーチン

「今日プーチンに電話で質問する日ダヨー」
「あ〜、そうか、今日なん?」
プーたんが年に一回、テレビで国民と公開質問応答をする名物番組です。
タイトルは「プーたんにズバリ言うわよ!」・・・じゃなくてですね、
「大統領ホットライン」です。
放送のずっと前からインターネットや手紙で質問を受けつけているのですが
今年はぜんぜん知りませんでした〜。

「これって年末にやるってイメージあったけど?」
「年末だと外の広場とかで映るの待ってる人が寒くて大変だから変わったんだって。」
ワハハ、それもロシアっぽい!凍死者が出たらシャレにもなりませんもんねえ。
ロシア全土(今回はラトビアも)を東から順番に広場などに集まっている人から
一人二人が移動質問していくのですが東から、っていうのもロシアっぽいです、
なんせ国内時差11時間。
東からどんどん夜になっていってしまいますからねえ。

我々がテレビをつけたときはもう終り近くだったのですがこの番組、3時間近くあり
プーたんは生放送で各地の国民の質問に答えるのです。
画面に質問受付の電話番号(8-800-200-4040)があったので、
オッサンがかけてみよう!と言ってかけてみたけど繋がりませんでした。
(何を言うつもりだったのか?)

質問内容は事前に知らせてあるのでプーたんも答えの準備はできているのですが
それにしてもロシアは広く民族は多く問題は多種多様。
テレビを見る限りプーたん、カンペらしきものは見ていない様子でサクサクと
淀みなく冷静に時にジョークを飛ばして答えています。 ←微妙に理解
プーたん、すごい。
プーたんのあと誰が大統領になってもバカにみえそう。
(ブッチュたんのあとは誰がやっても利口にみえそう)

オッサンは電話がかかってきて長電話にかかりっきりになってしまったので
同時通訳なしでしたからロシア語トホホの私では部分部分しかわからずこれまたトホホなのですが、
番組後のニュースでは我々が見逃した極東地域からの質問についてもやっていて、
右ハンドルの中古車の輸入を禁止するという噂についてどうか、というのに
そういう話はきいていない計画もないと答えていたのでホッとしました。
サハリンから北方領土のことで質問されたのには北方領土のロシア帰属は戦争による戦果で
返還の話し合いをする気はない、ないけど解決をできるとか(なぜ?)いうようなことを
言っていたと思うのですがはっきりわかりませんでした。
だーーかーーらーー、私に内容を期待しないでくださいってば。←心配無用です、めるさん。

あー
あーーー、
あッ、放送したテレビ局の「プーたんにズバリ言うわよ!」の質疑応答記録がありました。
プーたんがどんなことを言っていたのか知りたい人はご覧になってみてください。
ラジオの放送音声、ビデオもあります。
Прямой линии с Президентом России

私は頭いたーーーーくなるので見ません。


<本日の夕ご飯>
ウニ丼、ウニのお吸い、ホタテの温サラダ、ブチョクの味噌煮、ぷりぷりタコから揚げ、大根サラダ

色白美人のベルーガちゃん

2005年9月28日(水) プーたんにズバリ言えない人

晴れ。 8:32の外気温14℃、室内21.3℃、湿度58%

日本のニュースを見ていたら、きのうのプーたんホットラインでの北方領土についての発言が
「日本語」でいろいろでていたので読んでみると、
『北方領土はロシアの物に間違いないがロシアにも善意はあるからお互い歩み寄れば解決できると
2島返還の解決策を暗に示した』というような事がわかりました。
はあー、善意があるから解決できる、って言ってたんですね・・・・。

まあ日本がぐだぐた言ってもとにかく戦争に勝ったロシアのモンだから、
法律がどうとか権利がどうとかいう観点で話し合いをする気はさらさら無い、
ロシアのモンですわかりました、しかしなんとかご容赦下さって2島下さいませんでしょうか、
っていうなら考えてやらんことも無い、ってことですな。

おっと、早速コイズミ君の発言もありました。
『四島は日本に帰属するという問題を解決してから平和条約を締結しようということだ。
ロシアにはロシアの考え方があるが、それを今後の協議でどう解決していくかだ
領土問題は話し合いで解決していかなければならない』

北方四島は日本のものだからあくまで四島返還。
ロシアのジブン勝手な頭おかしい考えを更正せにゃあかんが秘策はない、
まあ話し合いはするけど。
ってことですな。

なるほど。



領土問題は解決できない、ってことですか。

11月20日にプーたんは日本に行く予定です、お楽しみに。

◇  ◇  ◇  ◇  ◇

そうそう、
イギリスの名門サッカーチーム、チェルシーを買ったロシア人として一躍有名になったロシアの石油王、
アブラモービッチの石油会社「シブネフチ」がロシアの国営ガス会社「ガスプロム」に身売りしました。
ガスプロムは去年の年末に只今獄中の色男、ホドルコフスキーの「ユコス」の子会社、
「ユガンスクネフチ」をわかわからん幽霊会社を使って買収した張本人です。
えーと、国営会社なのでロシアが張本人ですか。
あ、ネフチ、ネフチと出てきますがネフチとは「石油」のことです。
シブネフチの買収額は131億ドル。 ←と言われてもピンときませんが。

なんでも油モービッチは完全国外移住(逃走?)するために
財産処分して身辺整理しているらしいです。
誰もホドルコフスキーの二の舞になりたくないでしょう、
もうロシアからたんまり金はむしりとったのでブタ箱にブチ込まれる前にサイナラ、でしょうか。
チェルシーがロシアのチームになってしまう・・・ような事はありませんので安心してください。
ちゅか、ロシアのチームになってくれたらラッキvv

◇  ◇  ◇  ◇  ◇

世界で一番美しい地下鉄駅といわれているモスクワの地下鉄駅。

行ったことのある方はその構内装飾のみごとさに息を呑んだかもしれません。
世界各国からの観光ツアーのポイントにも入ってるほど。
私も初めて見たときはびっくりしました、まるで美術館。
ソビエトの地下鉄駅は単なる駅として作ったんじゃなくて
地下都市に於ける博物館という信念の元に建造されたそうです。

そしてモスクワの地下鉄は深いことでも有名ですね、
すごいスピードのエスカレーターでどんどんどんどん下りていくとなんか別世界に着くよう。
(いえね、別の国についたら万々歳ですけど)

その華麗な初期建築の駅のひとつ、
マヤコフスカヤ駅のエスカレーターを取替える、ってニュースをやっていました。
駅自体は夏から改修工事していたようなのですが、
このエスカレーターはモスクワ地下鉄にたった一つ残った第二次世界大戦前のエスカレーター。
何が言いたいかっていうとそんなものがいまだに健在で動いているのもスゴイですが
今頃取り替えるのもスゴイなあーというようなコトです。
ま、動いてんだからいーのか。
いーよな?


<本日の夕ご飯>
魚飯、鶏卵汁、ホッケの一夜干し、鶏手羽と大根の中華風煮物

地下鉄マヤコフスカヤ駅

2005年9月29日(木) ネクタイの日

曇り時々晴れ。 11:00の外気温21.6℃、室内25℃、湿度59%

今日は年に一回あるかないかの「オッサン・ネクタイの日」です。

出がけに写真撮ってしまったほどなのでどれほどめずらしいかわかろうというもの。
ちなみにネクタイは「ホタテ柄」。
Kさんがせっかくくれたのに出番がないのはいけません。
ちなみにオッサンはネクタイが「結べないんデス」なので、
結んで輪ッカにしてシャツと一緒にかけておきます。
何回教えても覚えません。
まあ年に一回だからしゃーないか。 ←それとも阿呆なのか

なんかサングラスかけて出ていきよりました。
「こんな格好、恥ずかしいも。」 だそうです。

サングラスの方が100倍怪しいと思うぞ!!


<本日の怪しい夕ご飯>
いつのかわからないひき肉で作ったミートスパゲッティ、野菜サラダ、コーンスープ

※ホタテネクタイの話9月20日

2005年9月30日(金) ロシアのソーセージ

曇り後時々雨。 8:13の外気温18.6℃、室内22℃、湿度73%

テレビから「えんげるけーすー」という言葉が聞こえた気がして、
「エンゲル係数?」 というと、
「エンゲルスッ!」 と言われました。

「あー、マルクス・エンゲルスのエンゲルスかー」 ←セットで覚える受験単語
「エンゲルけーすーって何デスカ?」 と今度はオッサン。
「ドイツのエンゲルちゅう学者先生が編み出した法則や、生活費に対する食費の割合。
これが高いほど生活が苦しいってことやな。」
「へー。けーすーってどういう字デスカ?」
「けいは係りという字、すうは数字。」
「はあー、ワカリマシタ。じゃ、もじゃもじゃの毛が生えてる真ん中にソーセージみたいな
ものがあるのは何デスカ?」
「ち○こ。」
「うあ!思ってても口に出して言った日本人ははじめてですネエ、びっくりシタ〜!」
「ちゅかその質問は何の意味があるんじゃッ!」
「答えは、マルクスがソーセージ食ってる、デシタ。」
「ほな、エンゲルスがソーセージ食ってるでもええんちゃうん?」
「ソウデスネエ、どっちもひげもじゃもじゃですカラ・・・」
「ほな、ち・・・」 
「ワワワーーーー!」
止め。

「じゃ、アネクドト。」
「はい、どうぞ?」
「医学大学の解剖学の試験でネ、
大きなバケツに入ったいろいろな臓器を手で触って何の臓器か答えなサイ、
見てはだめデス。

教授  :次、ニコライ・ペトローヴィチ。
ニコライ:うーん、これは・・膀胱です。
教授  :では出してみなさい。
ニコライ:はい。
教授  :よし、正解。次、イワン・ヴァレリヴィチ。
イワン :ええ・・と、肝臓です。
教授  :出してみなさい。
イワン :はい。
教授  :正解だな。次、アンナ・ユーリエヴナ。
アンナ :んん・・あの、これは形だけではソーセージなんですけど・・
教授  :君、これは人間の臓器なんだよ?
アンナ :でも、どう触ってもソーセージなんです。
教授  :人間の臓器しか入ってないと言っているだろう!
アンナ :でも、でも、ソーセージなんです!
教授  :出してみなさいッ!
アンナ :はい。
教授  :本当だ・・。ソーセージだな、これは。確かにソーセージだ。
アンナ :そうでしょう?
教授  :じゃ、きのう助教授と食べたのは何だったんだろう?」

「そのアネクドトは前にも聞いたっちゅうねん!」
「ソウデシタッケ?」
「何食べたか言って欲しくてまた話したんかァ?」
「ダカラそういう事は言わないでクダサイ」
「言うたろうやんけ、ち・・・」
「ワーーーーー!」

何、顔しかめて読んでんですか。
それでは10月へゴー。

<本日の夕ご飯>
シマーのステーキタルタルソース、スパゲッティサラダ、ピーマンのおかか和え、コーンと卵のスープ

※「共産主義の教師」、マルクス・エンゲルスのほうの、ドイツの経済・哲学者で革命家のエンゲルスさんはフリードリヒ・エンゲルス、1820年生まれ。
エンゲル係数のほうのドイツの経済、統計学者エンゲルさんはエルンスト・エンゲル、1821年生まれ。同時代の人なんですねえ、どっちもひげモジャモジャでソーセージを・・・・もうええちゅうねん。

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