平成23年の春から、体育の授業を担当していただいた横井明先生が、2月24日の授業を最後に退職されることになりました。
横井先生の体育では、普段授業を行っている函館市立弥生小学校の体育館を飛び出して、春は函館山登山、冬はスケートなどをおこないました。
函館山登山では、山の中の新鮮な空気を味わい、また山頂で絶景を楽しみ、帰り道は函館公園で桜を愛でるなどし、学生たちに人気のある行事の一つとなっていました。
カリキュラムが変わり、全学年全学科の学生が体育の授業を受けている今、毎年何か違うスポーツを、と先生はいつも考えてくださいました。
授業を通して、学生たちは競技としてのスポーツだけでなく、体を動かすことの大切さや喜びを学んだことと思います。
11月9日(土)に開かれた、学生による発表会「HAKODATEアカデミックリンク」。極東大学のブースでロシアクイズに挑戦してくれた来場者に配ったキーホルダーです。透明なプラ板に油性マジックで絵や文字を描き、オーブントースターで焼くと出来上がるというもので、学生たちが思い思いのデザインを凝らしました。
この中に見られる、くるくるパーマのような男性は、先日校内で開かれた極東大学ゆるキャラコンテストで優勝した「スーシキン」です。誕生日は6月6日、物静かでダンディ、親切な人物で、詩集を小脇に抱えています。
スーシキンの由来はスーシカ+プーシキン。プーシキンは言わずと知れたロシアの国民的詩人。スーシカは小さいドーナツ型をした乾パンのようなロシアのお菓子で、プーシキン独特のヘアースタイルをスーシカで表現しています。
今後この素敵なスーシキンが、さまざまな形で登場する予定ですのでお楽しみに!
今年もウラジオストク本学の日本と日本語について学ぶ学生たちが函館校にやってきました。2~5年生の計4名、全員女子です。
11月5日(火)、初登校の日の放課後には学生自治会による対面式が行われ、函館校の学生や教職員から歓迎を受けました。
自治会長のロシア地域学科4年 鍋谷真依さんが「みなさんが来るのを待っていました。わからないことがあったら何でも聞いてください。」とロシア語で歓迎のあいさつをし、1年生の男子から花束が贈られました。
留学生は全員が初来日で、目にするものすべてが新鮮だったようで、「日本はとても美しい国、特に紅葉が素晴らしい」などと日本語で感想を述べながら自己紹介をしました。
今年は18日間という短い日程ですが、楽しく充実した留学生活になりますように。
校内にある学生食堂が4月から新しくなりました。その名も“Kitchen八幡坂”。同じ建物内にある北海道国際交流センター(HIF)が運営することとなり、壁の色もオレンジ色に塗り替えられて明るい雰囲気になりました。ペレットストーブも設置され、環境にも配慮した作りとなっています。
メニューも一新、麺類が300~350円、日替り定食は500円で、ちなみにこの日の定食はサラダや小鉢がついた“工藤ママのスープカレー”でした。野菜が不足しがちな一人暮らしの学生にも配慮し、定食のおかずの単品売りもしています。カウンターではお得な食券も1,000円(1,100円分)と3,000円(3,300円分)の2種類販売しています。
今は始まったばかりですが、函館に住む外国人やホストファミリーの会などの協力も得て、エスニック料理などメニューも充実させる予定だそうです。
4月27日(金)、自治会主催による新入生歓迎会が開催されました。函館ならではの新鮮な海産物がたくさん並んだベイエリアのレストランで、学生・教職員ほぼ全員が出席して新しい仲間を歓迎しました。
なごやかな雰囲気の中、新入生たちは自己紹介や会場からの質問に答え、それぞれ個性的な一面をのぞかせていました。
途中、コーラスグループ「コール八幡坂」がロシア語の歌を熱唱。歓迎の意を表す“Ах,вы сени,мои сени(おお、玄関よ、私の玄関)"という歌ではじまり、アンコールまで盛り上がりました。
最後に在札幌ロシア連邦総領事館から新入生のために贈られた「ロシア四季暦」という本がイリイン校長から手渡され、会は終了しました。
入学して3週間あまり、はじめたばかりのロシア語の勉強が大変だと口にする学生が多かったのですが、早く学校の空気になじみ、行事などに参加することで仲間を増やし、充実した学生生活を送ってほしいものです。
ロシア1500年の歴史をたどる年表に日本の歴史をリンクさせ、両国の時間の流れを同時に体感する年表で、12枚の大作です。
2階から20世紀が始まり、3階に昇るにつれて5世紀までさかのぼるようになっています。
ロシアの元ができ始めた6世紀頃、日本では仏教が伝来があったことなどを比較できるようになっています。20世紀はロシア帝国からソ連へ、そして新生ロシアへと変化した激動の時代であり、写真も書き込みも多くなっています。
余白はたくさんあります。まだまだ書き込んで、みんなで完成させましょう!
自治会役員を代表し、ロシア地域学科4年の吉田真大さんが「みなさんが来るのを待っていました。函館にいる間、一緒に楽しく過ごしましょう」と歓迎のあいさつをして、男子学生から花束が贈られました。
移動の疲れと緊張でおとなしかったロシア人留学生ですが、教職員が担当する授業の中身について話したり、学生たちがロシア語でスピーチをするにつれて笑いがもれ、だんだん打ち解けていきました。
早速大学周辺の観光コースを散歩したり、合唱サークル「コール八幡坂」の練習に加わったりと、日ロの学生たちが友好のため、そしてお互いの語学力向上のため、仲良くなっているようですよ。
今の時代、こういったグループ・ワークやプレゼンテーション能力が就職試験や社会生活でも大きく問われます。このような機会を通して、スキルアップを目指しましょう!
今年も新入生を迎え、新しい学期がスタートしました。学年の始まりには、新入生と在校生に分けて、授業や学生生活に対するオリエンテーションが行われます。どのようなことをしているのか、ちょっとのぞいてみましょう。
* * * * *
新入生向けのオリエンテーションの冒頭、イリイン校長からこれからの学習に対する心構えと学生への期待の挨拶で始まりました。
続いて伊藤事務局長より事務局職員の紹介がありました。函館校では、学生生活をサポートする役割は教員ばかりでなく、多くは事務局職員が担っており、そこが他の大学と違うところです。今後は事務局職員とも頻繁に接触がもたれるため、それぞれが自分の職務と新入生へのメッセージを述べました。
教員も一人ひとり、自己紹介や授業の進め方について、はじめての学生に対し、伝えたいことを述べました。
教員を代表して、英語と実用ロシア語を教えている鳥飼准教授が、「学習の手引き」をもとに具体的な勉強方法についてガイダンスしました。また教務・学生係や図書室司書より、校舎の利用方法や学校生活を送る上で必要となる様々な手続きについても説明しました。
最初は硬い表情で聞いていた新入生たちも、鳥飼先生恒例のフルーツ・バスケットでお互いの人となりを知ることができ、気持ちがほぐれたようです。
お昼休憩をはさみ、午後からは学生自治会主催による在校生との対面式が行われました。その中でロシアまつりやマースレニッツァ、ウラジオストク留学といった学校行事について、自治会役員が画像を見せながらの説明も行ったので、これからの学生生活に胸がふくらんだことでしょう。
新入生のみなさん、早く学校になじんでくださいね。
今年もロシア人留学生が函館校にやってくる季節となりました。函館校の日本人学生たちも、この時を心待ちにしています。
今まではウラジオストクから新潟空港に入り、JRで函館まで来ていましたが、今年から経路が変わり、ソウル経由で函館まで飛行機で着いた留学生たちは、空港からまっすぐ函館校へ。そこで自治会主催の対面式が行われました。
自治会役員を代表し、ロシア語科2年の山上真季さんが「函館でできることはすべて行い、すべて吸収して帰ってほしい。そのために私たちも協力します」とあいさつ。お互い自己紹介し、趣味や函館の印象について話した後、全員に歓迎の花束が贈られました。
ちょうどこの日はナザロワ・オクサーナさんの20歳の誕生日。2日前に21歳になったシラコラデュク・イリヤさんと合わせて、自治会が用意したケーキでお祝いしました。学生たちはすぐに打ち解け、学校周辺の散策へと出かけていきました。
函館市の姉妹都市であるサハリン州ユジノサハリンスク市から、姉妹都市交流事業で11~15歳までの青少年15名が来函しています。滞在中はホームステイをしながら、市内観光や中学校訪問などをして、友好を深めます。
この日、函館校を訪れた交流団は、イリイン校長と在札幌ロシア連邦総領事館函館事務所のブロワレツ所長から、函館とユジノサハリンスク、また日本とロシアの交流の歴史や現状についてレクチャーを受けました。
帰り際、放課後練習中の合唱サークル「コール八幡坂」が気になる様子。練習しているのは誰もが知っているロシアンポップスばかりとあって、一緒にロシア語で歌い、大いに盛り上がったのでした。
先月ウラジオストクから帰国した方に、お土産をいただきました。
“8МАРТА”の文字、3月8日の世界国際女性デーをモチーフにしたキーホルダーです。右は男の子が女の子にハート型のクッキーを焼くなどして、かしずいているところ。左は女の子が「あたし、きれいでしょ?」とばかりに自らの美しさを見せつけているところ。こういったものにありがちな中国製ではなく、れっきとしたmade in Russiaです。
ロシアでは、国際女性デーは祝日です。男性から女性に花やプレゼントが贈られ、家庭の主婦もこの日だけは家事をしなくてもいいのです。
函館校でも毎年、男性陣から女性陣にプレゼントと感謝の言葉が贈られます。今年のプレゼントは美しいプリザーブド・フラワーとチョコレートの小箱でした。ちなみに女性陣からは、2月23日の祖国英雄の日に、日本酒の小瓶を贈りました。
サハリンの缶詰をいただきました。サケマスのラグー(煮込み)やコンブのイカのサラダなど、中身は様々です。
これが米原万里さんの著書で有名な“ЗАВТРАК ТУРИСТА”、「旅行者の朝食」です。この缶は魚ベース。非常にまずいものとして書かれていますが、値段が安いので、ソ連時代に学生だったうちの先生方も、この缶詰にはずいぶん助けられたとか。今となっては懐かしいもののようです。
そしてこれはなんと、イソギンチャクの缶詰!
トマトソースで、コンブと野菜が入っていると書いてあります。イソギンチャクなんて、どんな味なのか想像もつかないと思って先生に聞いてみたら、「ナマコと一緒ですよ」と言われました。
そう言えば中国では、かつてウラジオストクのことをハイシェンウェイ、“ナマコの入江”と呼んだとか。ロシア人はナマコを焼いたり、サリャンカ(スープ)にして食べるそうです。
<第5回 まつり全体について>
第12回はこだてロシアまつり実行委員長
ロシア地域学科4年 山口攻さん
・いよいよ明日、ロシアまつり開催となりました。委員長のおすすめは何ですか?
人形劇です。僕自身も声優と人形操作を担当します。あとは今年も少人数ながら一人ひとりの力が作り上げたまつりを見てもらいたいですね。
・苦労したことはありますか?
会場全体の配置とペリメニ(ロシア餃子)作りです。
・最後に意気込みを聞かせてください。
函館校開校15周年・函館開港150周年、節目の年ですから、お客様に満足いただけるイベントにしたいですね。
* 「リーダーに聞く・今年のロシアまつり」シリーズを終わります。
<第4回 体験コーナー> リーダー ロシア地域学科2年 川原陽介さん
・体験コーナーでは、どんな体験ができますか?
ロシアの絵本の読み聞かせ、民族衣装試着体験ができます。お手持ちのカメラで自由に撮影していただけますが、200円でポラロイド撮影もいたします。
ロシア民謡をBGMで流します。
・特に今年のセールス・ポイントは?
読み聞かせです。グラチェンコフ先生がロシア語で読み、学生が日本語で読みます。ロシア語の美しい響きと、日本で聞いたことのないお話を楽しんでください。
・リーダーとして、どのような運営をしたいと考えていますか?
来ていただいたお客様全員に楽しんでもらい、ロシアを手に取って肌で感じてもらえるようなものにしたいです。
・ロシアまつり全体に向けての抱負をお願いします。
全員でいいものを!
<第3回 レストラン> リーダー ロシア地域学科4年 吉澤文恵さん
・今年のおすすめは何ですか?
シャシリク(串焼肉)、とシャウルマです。ロシアの夏の料理と言えばシャシリクです。夏の海ではよくシャシリクをしていて、男の料理と言われています。スパイスが効いていて、暑い夏にぴったりです。
・シャウルマを出すのは初めてですよね。
シャウルマはウラジオストク市内にもいくつか売店があり、もちろんДВГУ(極東大学本学)のそばにもあります。学生から大人まで人気があるファーストフードです。お肉と野菜が入っていて、これも夏にぴったりです。他にもピクルスなどを出す予定です。
・意気込みを聞かせてください。
定番メニューももちろんありますが、夏開催が2年目となる今年は、よりロシアの夏を味わってもらおうと、去年よりも夏らしいメニューに変更しました。
私たちが留学などの経験からアイディアを出し、ロシア人教授陣に指導をしていただきました。
<第2回 キオスク> リーダー ロシア地域学科4年 山崎公大さん
・今年のキオスクの目玉は何ですか?
開校15周年という記念の年なので、例年よりお安くしています。
・特に今年おすすめの商品は?
初お目見えのパックのボルシチです。そのほかロシアの板チョコ、女の子の好きそうなアクセサリーや雑貨が多いですね。
・リーダーとして、どのような運営をしたいと考えていますか?
テキパキさばいて、お買い物をしやすい環境にしたいです。わかりやすいお店づくりを目指します。
・ロシアまつり全体に向けての抱負をお願いします。
何事もなくつつがなく、終わりたいです。
今年のロシアまつり用のTシャツができました。デザイン・コンセプトはすでにお知らせしたとおり。“マトリョー鹿”がかわいい!と評判です。当日はスタッフ一同、このおそろいのTシャツを着て、みなさんをお迎えします。
数に限りがありますが、キオスクコーナーで販売します。お洗濯しても丈夫な厚手の生地を使用しています。函館開港150周年&函館校開校15周年の記念にいかがですか?
2009はこだてロシアまつりが近づいてきました。
そこで、今年のロシアまつりのセールス・ポイントを各部門のリーダーに紹介してもらいましょう。
<第1回 チェスコーナー> リーダー ロシア地域学科2年 小林健裕さん
・小林さんはどこでチェスを覚えたのですか?
この大学に入学してから、独学で覚えました。放課後など、クラスメイトとゲームを楽しんでいます。
・今年のチェス大会はどのような感じになりそうですか?
30名ほどのエントリーを予定しています。小学生が主体です。
実力に応じて2クラスに分かれますが、決勝戦は特設ステージで同時に行い、優勝者には賞品を贈呈します。参加賞もあります。
・はじめてでも参加できますか?
函館チェスサークルの方が教えてくれますので、是非どうぞ。
・最後に抱負をお願いします。
自分は当日、裏方に徹しますが、みなさんに楽しんでいただきたいです。
今年も学生自治会が企画した新入生歓迎会が、にぎやかに行われました。ベイエリアにあるレストランで学生・教職員ほぼ全員が、函館校の新しい仲間を温かく迎えました。
今年の新入生は函館市内はもとより、遠くは大阪・下関からも来ています。高校を卒業したばかりの人から30代まで、年齢も様々。自己紹介を聞く限り、個性派ぞろい、今年も楽しみです。
函館校の入学式で行われている「知識へのキー」授与。 “КЛЮЧ К ЗНАНИЯМ”と書かれた大きなキーが、校長から新入生の手に渡されます。これから勉学の道を進むにあたり、まずはこのキーでその扉を開けましょう、という意味で、ロシアでは多くの学校の入学式で行われている風習です。
本来、ロシアの入学式は9月1日。この日、新一年生たちはおめかしして、お花を手に登校し、担任の先生にプレゼントする、というとてもかわいらしい風習があります。また、ある先生の通った学校では、一番体の大きな男の子が一番小さな新一年生の女の子を抱え、女の子がベルを鳴らして歩くという慣わしがあったそうです。
そういえば1994年、函館校の開学式でも、女性の先生が玄関でベルを鳴らして開学を告げている写真が残っています。どれも、私たちが大切にしているロシアの風習です。
冬を追い払い、春の到来を祝うロシア伝統のおまつり、マースレニッツァ。
函館校で行われたおまつりの舞台裏です。
冬の象徴であるワラ人形「モレーナ」。竹で骨組みを作り、くくり付けるための稲ワラを束ねていきます。 | |
厨房では先生の指導に従いブリヌイ作り。1枚1枚ていねいに、太陽のように丸く焼いて、バターをたっぷりと塗ります。マースレニッツァの語源は、このバター(ロシア語でマースラ)からきています。この日の中身はジャムとスメタナ(サワークリーム)。ジャムはイチゴとブルーベリーの2種類用意しました。 | |
左はコンポート。生のリンゴとレモンのほか、レーズンやアプリコットなどのドライフルーツがたっぷり入り、ハチミツを加えたやさしい甘さ。 右はきのこのスープ。椎茸、エリンギにイタリアの高級きのこ・ポルチーニで風味付け。押麦や野菜、豚肉も入ってこれぞまさにロシアのスープ! | |
こちらはシャシリク。前日に玉ねぎやスパイスで漬け込んだお肉を串に刺し、あとは炭火で焼くばかり。 | |
吹雪の中、歌う「コール八幡坂」。 | |
モレーナに貼られた「冬」の文字に糸偏を足して「終」に変えるアナスタシアちゃん。小学校1年生で漢字も習っている、在札幌ロシア総領事館函館事務所 ブロワレツ所長のお孫さんです。 | |
会場からラジオに生出演!FMいるかの中継車・いるか号の丸山潤子さんが自治会副会長 ロシア地域学科3年の山口攻くんにインタビュー。クラスメイトらに見守られ、「緊張した!!」 | |
卒業生たちが赤ちゃんを連れて遊びに来てくれました! 来年はみなさんも是非見に来てくださいね。 |
С Новым годом!(新年おめでとうございます!)
今年も「極東の窓」をよろしくお願いいたします。
函館校にはこの時期、ロシアの友人たちから様々なグリーティング・カードが届きます。たいていは“С Новым годом и Рождеством(新年おめでとう、そしてメリークリスマス)!”と書かれており、年賀状とクリスマス・カードが一つになっています。アメリカやヨーロッパでもこのタイプはよく見かけますね。
それに、ロシア正教のクリスマスにあたるヨールカ(ёлка=もみの木)祭は1月7日ですから、時期的にはちょうどよいですね。
奥の花束型のものは、ロシア人と結婚してペルミに住んでいる卒業生からイリイン校長あてに贈られたもの。こんなに大きくて変わった形のものは初めてです。“С Юбилеем!”とは、周年記念をお祝いする言葉。イリイン校長の函館校赴任10周年を記念したものでした。
ロシア料理には欠かせない「スビョークラ(свёкла)」。中まで真っ赤な砂糖大根の一種です。一般的にビーツと呼ばれ、日本でも食材店などで水煮缶詰は売っていますが、生はなかなか手に入りません。入ったとしても、結構お高い。それに、なんといっても風味は生が一番です。
ロシアを代表するスープ、ボルシチの美しい赤色と甘みはスビョークラなしでは作れません。ほかにもサラダにしたりピクルスしたり、いろいろと楽しめます。だからロシア人はみんなスビョークラが大好きです。
そんなスビョークラを函館で植えてみたところ、こんな風に上手にできました。葉は青々として、不思議と虫も付きません。日本のカブと同じような育て方で、ちゃんと生ります。
こちらが収穫した様子。皮をむいたり、切ってからゆでると鮮やかな赤色が抜けてしまうので、葉を切り落とし、きれいに洗い、丸ごとゆでてから皮をむき、料理します。だからあまり大きくないほうが料理しやすいのです。
そしておまけ。こちらはこの夏、ハワイのファーマーズ・マーケットで売っていたビーツ。アボガドと並んでいるのが妙ですね。ロシアのものよりひと回り小ぶりですが、欧米でもサラダにしたり、焼いたりして食べるそうです。日本でももっと普及するといいですね。
はじめての屋外開催となった2008はこだてロシアまつり。
テーマとなった「ヤールマルカ~ろしあ楽市楽座~」に合わせ、ロシアの市の雰囲気を出そうと試行錯誤しながら準備した、前日から当日までの様子をご紹介しましょう。
いかがでしたか?ヤールマルカの雰囲気が伝わったでしょうか。今年来られなかった方は来年遊びに来てくださいね。
<第5回 チェスコーナーおよびまつり全体について>
第11回はこだてロシアまつり実行委員長兼チェスコーナーリーダー
ロシア地域学科4年 小松太さん
・まずチェスコーナーについて、どのような内容ですか?
ゲームが主体ですが、飛び入り歓迎です。
小学生の部と、中学生以上対象の一般の部とに分かれます。
はじめての方にもチェスクラブの方が指導してくれます。
・決勝戦は外で行うそうですね?
各部の決勝を同時に行います。
・それでは、実行委員長として、まつり全体についての進み具合を教えてください。
例年どおり順調に進んでいます。
・ロシアまつり全体に向けての抱負をお願いします。
当日暑いとは思いますが、是非いらしてください。そしてロシアというものを肌で感じてください。当日は人形劇もございますので、お子様連れでお越しください。
駐車場が使えないので、来る際には公共交通をご利用ください。
* 「リーダーに聞く・今年のロシアまつり」シリーズを終わります。
ロシアの串焼肉、シャシリクは炭火で焼くからおいしいのです。今まで使っていたコンロが古くなり、使いづらくもあったので、なんと専用のコンロを特別注文で作ってもらいました!
立ったまま焼けること、一度にたくさん焼けることを念頭に、デルカーチ先生が設計し、鉄工所にお願いしたところ、素晴らしいコンロが出来上がりました。どうです、立派でしょう?
ロシアまつりでデビューさせる前に、この日駐車場で火入れ式を行いました。準備万端で、まつり当日を迎えます。おいしいシャシリクを焼きますので、食べにきてくださいね!
ロシアまつりには欠かせない、人気のペリメニ。ご存知、ロシアの茹で上げ餃子です。今年も学生・教職員が食堂に集まり、生地を捏ねるところから作りました。最近ではロシアの家庭でも、冷凍した市販のペリメニを食べることが多く、家ではあまり作らないそうですが、ロシアまつりではいつも手作り。
ひき肉と玉ねぎ、スパイスを合わせ、一つひとつ皮で包んでいきます。先生の指導のもと、ペリメニ独特の愛らしい形もすぐに作れるようになります。
この日、包んだペリメニは約1,500個。早速冷凍し、茹でるばかりになっています。当日はロシア料理レストランで5個入り200円で販売します。今年は夏なので冷凍のお持ち帰り用はありませんが、その場で茹でる熱々のペリメニを堪能してくださいね。
<第4回 ロシア料理レストラン>
リーダー ロシア地域学科4年 小林真実さん
・毎年人気のロシア料理レストランですが、今年はどんなメニューですか?
きのこのスープや、おなじみのペリメニ(ロシア風餃子)です。
・特に今年のおすすめ料理は?
そばの実カーシャが目玉です。日本ではなじみのない食べ方ですが、みなさんのお口に合うように考えて作りました。
・リーダーとして、どのような運営をしたいと考えていますか?
残さず食べてほしいです。
・ロシアまつり全体に向けての抱負をお願いします。
いい天気になることを願っています。
<第3回 体験コーナー> リーダー ロシア地域学科3年 五代まゆみさん
・体験コーナーでは、どんな体験ができますか?
ロシアの民族衣装を着ることができます。好きなところで記念写真を撮ってください。ロシアの民芸品も並べます。
・特に今年のセールス・ポイントは?
男性用・女性用・子供用と各種取りそろえておりますので、ご家族でぜひ記念写真を。
・リーダーとして、どのような運営をしたいと考えていますか?
みんなで楽しく遊びましょう!
・ロシアまつり全体に向けての抱負をお願いします。
はじめて外で行うので、どうなることやらわかりませんが、はじめてづくしを楽しんで準備したいと思います。
<第2回 キオスク> リーダー ロシア地域学科3年 山崎公大さん
・キオスクではどのようなものを販売するのですか?
マトリョーシカまつりです!猫や動物など、変わったマトリョーシカがたくさんあります。ロシアでは高級品のヤギのプラトーク(ストール)もあります。
・特に今年おすすめの物は?
お子様の夏休みの自由研究に、自分で好きな色に塗れるマトリョーシカはいかがでしょうか。10個しかないので、お早めに。
・リーダーとして、どのような運営をしたいと考えていますか?
みんなにロシアの物を買っていただいて、家でロシアの風を感じていただければ。
・ロシアまつり全体に向けての抱負をお願いします。
我々学生よりも来場者の方のほうが多いので、みなさんで一緒におまつりを作って楽しみましょう!
毎年ロシアまつりではオリジナルTシャツをつくります。初めての夏開催となる今年は、ロシア・アバンギャルドの中心的役割を果たした、カジミール・マレーヴィチの描いた農夫をイメージしたデザインです。ロシアの草原を思わせるグリーンのTシャツに“2008 Лето(夏)”の文字。学生のアイディアによるものです。
このまつりTシャツにはファンが多く、毎年購入する同窓生もおります。繰り返しの洗濯にも耐える厚手のものを使っているので、学生や教職員はまつり終了後も愛用しています。
当日は学生・教職員ともこれを着て、みなさまのご来校をお待ちしております。
2008年のはこだてロシアまつりに向け、いよいよ準備も進んできました。
そこで、今年のロシアまつりのセールス・ポイントを各部門のリーダーに紹介してもらいます。
<第1回 カフェ> リーダー ロシア地域学科3年 吉澤文恵さん
・ 今年のカフェ、おすすめは何ですか?
シャシリク(串焼肉)、しらかばラムネ、クワス(黒パンを発酵させて作るロシア伝統の夏の飲み物)、冷たいコンポートなど、夏らしいメニューがおすすめです。
・毎年おなじみのメニューもありますね。
ロシアンティーやロシアのクレープ、ブリヌイです。ブリヌイは今年、はちみつ味もあります。
・リーダーとして、どのような運営をしたいと考えていますか?
子どもからお年寄りまで、ロシアのカフェがどのようなものか楽しんでいただけたらいいと思います。
・ロシアまつり全体に向けての抱負をお願いします。
今年はじめての夏開催なので、うまくいかない点もあるかと思いますが、夏だからこそ盛り上げていきたいです!
「コール八幡坂」は、ロシアンポップスを歌う、本校自慢のコーラスグループ。ロシア語の歌をうたうため、ロシア語の勉強にもなります。ピアノやギターのできる学生がいるときには、伴奏まで学生が行っています。
今年の「コール八幡坂」は、男声が勝っています!1年生の男子を中心に、若々しいバリトン・ボイスが響きます。ロシアまつりに向けて、日々練習中ですが、この度プロの声楽家に指導していただく機会がありました。
教えてくださったのは、函館市を拠点に活動される引地桂子さん。引地さんはソプラノが専門ですが、最近ではジャズにもレパートリーを広げ、幅広く活躍されています。また、以前本校の市民講座を、ロシア語の発音を習得するために受講されたこともあります。ご自身が歌うロシア語歌詞の翻訳もされています。そんなご縁で、今回指導していただくこととなりました。
この日は講堂のグランドピアノで音を取りながら、みっちり発声を指導して下さいました。さすが、プロによる教授で、理論に基づく説明により発声がみるみる力強く美しくなっていきました。
今年のロシアまつりでコール八幡坂は4曲披露する予定です。14:00からと16:00からの2回公演のステージプログラムの中で歌います。乞うご期待!
函館校では、ロシア地域学科の3年次には学年論文、4年次には卒業論文の提出が課せられています。論文を書くことは日頃の学習の成果を自分なりに振り返る機会であるとともに、新たな探究へのきっかけともなる、果てしなく続く勉学の道の通過点にすぎません。
とは言え、いきなり大作論文を書くのは難しいもの。そこで「論文作成」という授業が行われるのです。
昨年、鳥飼准教授が「学年論文・卒業論文ガイドブック」を大幅にリニューアルし、学生への指針としたことは以前にも述べましたが、今年はさらに内容が進化しました。デルカーチ講師による特別エッセイは、 “Курсовая работа - зачем это нам?”
ロシア語で書かれているので、これを読み解くことから始めなければなりませんが、3年生、4年生ともなればもう大丈夫ですね。
今年は論文演習の授業に力を入れ、中間報告会などもスケジュールに盛り込まれています。各研究テーマの内容についてはロシア人の指導教授が担当しますが、日本語・英語・ロシア語を操り、自身もアメリカの大学院で修士論文を書き上げた経験を持つ鳥飼准教授が、論文作成に向けての資料の集め方や書き方の体裁などを指導します。
第1回目のガイダンスではイリイン校長以下、論文を担当する教授陣からの説明があり、早速学生一人ひとりの研究テーマと指導教授が決まりました。さあ、来年3月の卒論発表会に向けて、長いマラソンが始まりましたよ。ゴールを目指してがんばりましょう!
2~4年生ともなれば、もはや校舎や事務局の利用方法や教職員紹介などは必要ありません。しかし、学習を続ける上での疑問や悩みなどが生まれることもあるでしょう。
そんな在校生に向けてのオリエンテーションで今年行ったことは、“グループ・ワーク”。
極東大学に入学してはや2年以上、この機会に一度初心に立ち戻り、学習の目標を見直してみようということで、「もう一度初心に戻るため!」というガイドブックに基づいて、鳥飼やよい准教授が進行しました。
具体的には「ロシアの宣伝文」を書いてみよう、という試み。学年・性別を問わずグループに分け、制限時間内に自分たちが学んでいるロシアについて、いいところを他人に伝え、ロシアをまったく知らない、あるいは先入観で凝り固まっている人々をロシアのファンに出来るような文章を書いてみようというテーマに則り、力を合わせて発表までこぎ着けました。
このようなグループ・ワークやプレゼンテーション能力が就職試験や社会生活で大きく問われる昨今、学生たちにとってもいい指針となったことでしょう。
今年も新入生を迎え、新しい学年がスタートしました。学年の始まりには授業や学生生活に対するオリエンテーションが行われます。どのようなことをしているのか、ちょっとのぞいてみましょう。
* * * * *
新入生向けのオリエンテーション。はじめにイリイン校長が、これからの学習に対する心構えを示しました。「ウラジオストク本学の日本学部の学生は、大変優秀であると評判がいい。日本に留学したことがなくても日本語が上手に話せるようになる。なぜかと言うと、長年培われた教授法がいいからだ。ここ函館校でもその教授法を用いて日本人にロシア語を教えている。勉強は厳しいが、まじめに勉強すれば、みなさんも必ずロシア語を習得できるでしょう。ロシア語を上手に話せるようになるには、日本語と英語の勉強も大切です」と。
続いて教職員紹介があり、教員を代表して英語と実用ロシア語を教えている鳥飼准教授が、「学習の手引き」をもとに具体的な勉強方法について話しました。また事務局より、校舎の利用方法や学校生活を送る上で必要となる様々な手続きについても説明しました。
最初は緊張の面持ちで聞いていた新入生たちですが、鳥飼先生恒例のフルーツ・バスケットで気持ちをほぐし、少しはお互いの人となりを知ることが出来たようです。
午後からは学生自治会主催による在校生との対面式が行われ、その中でロシアまつりやマースレニッツァといった学校行事について、自治会役員がスライドショーを見せながらの説明も行いました。
新入生のみなさん、早く学校になじんでくださいね。
冬を追い払い、春の到来を祝うロシア伝統のおまつり、マースレニッツァ。
函館校で行われたおまつりの準備の様子をこっそりお見せしましょう。
マースレニッツァに欠かせない、ワラ人形「モレーナ」を作る第一歩。
少しずつまとめた稲ワラの束をたくさん作ります。
竹の骨組みにワラの束をくくり付けていきます。モレーナは2メートルを越える背高美人。腕も出来て、人形らしくなってきました。
一方、厨房ではブリヌイ作り。これまたマースレニッツァに欠かすことのできない食べ物です。1枚1枚ていねいに、全部で100枚ほど焼きます。
たっぷりバターを塗ったブリヌイは、シンプルにジャムとスメタナ(サワークリーム)でいただきます。ジャムはイチゴとブルーベリー。
スープ番・デルカーチ先生が味見。この日のスープは「パフリョフカ」。
シャシリクを焼くのは男の仕事。
前日アニケーエフ先生が漬け込んだ肉を学生たちが串に刺し、寒空の下、炭火で焼いていきます。
かわいい子どもたちもマースレニッツァに参加。
モレーナのエプロンに書かれた「冬」の文字に糸偏を足して「終」に変えるのは、この日のロシア語弁論大会・弁論の部で優勝した者に与えられた特権。
ロシア地域学科2年 山口攻さんがガッツポーズ!
このあと、モレーナは火をくべられて燃え尽き、厳しかった冬も終わりを告げたのでした。
5ヵ月後に迫った北海道洞爺湖サミットに向けて、各国の首脳をお迎えする気運が全道的に高まってまいりました。7月7~9日の3日間、世界が北海道に注目します。
G8首脳が集結する本会議は洞爺湖町で行われますが、その前後「わが町に各国首脳を招いて交流し、世界との絆を強く結ぼう!」と、道内各自治体の招致合戦も熱を帯びてきました。それはわが町を世界に発信する絶好のチャンスでもあります。
函館市は当然ロシアの首脳を招致したいと活動を始めています。函館には日本初のロシア領事館が置かれ、函館ハリストス正教会から日本のロシア正教布教が始まったこと、過去にはロシア正教会アレクシーⅡ世総主教や歴代ロシア大使が訪れた実績があること、そしてもちろん、ロシア国立大学の日本で唯一の分校である本校があることなどをアピールし、招致を勧めています。
そんな中、北海道放送 HBCテレビの情報番組「Hana*テレビ」が招致に取り組む全道の自治体について特集を組みました。函館校も取材を受け、テレビではイリイン校長がインタビューに応えるとともに学生たちがロシア語で熱いメッセージを呼びかけました。
“Дорогие друзья, Мы ждём вас в Хакодатэ!
(親愛なるみなさん、私たちは函館で待っています)”
この特集の放送が夕方6時台のニュースの中だったこともあり、視聴者からの多くの反響がありました。
ライバルは根室市と白老町。いずれもロシアとの交流の歴史などを打ち出し、呼び込みをしていますが、函館市は勝てるでしょうか?
2000年の九州・沖縄サミットではプーチン大統領が具志川市(現うるま市)を訪問、得意の柔道を披露する様子が報道され、強く印象に残りましたが、今回函館市にはどなたがいらっしゃるか、今から楽しみです。
八幡坂は函館を観光するほとんどの人が記念撮影をする、とても景色のいい場所。毎日朝から夕方まで、人が途切れることはありません。映画やドラマのロケも度々行われているほか、婚礼の写真を撮っている花嫁・花婿もよく見かけます。
そんな中、ともに函館校卒業生である小柏哲史さん・めぐみさん(旧姓 谷中)夫妻が函館校の前で写真撮りを行いました。
哲史さんはロシア語科を2003年卒業、めぐみさんはロシア地域学科を2006年卒業と所属も年齢も違いましたが、ロシアまつりなどの学校行事を通じて親しくなり、愛を深めていったようです。
11月22日、この日は入籍1年の記念日で、二人の出会いの場である八幡坂で記念撮影をしたいとの希望で、急遽教職員や在校生も仲間に入れてもらい、みんなで祝福しました。
外は吹雪で非常に寒い日でしたが、撮影のときは幸せそうな二人にあてられたのか雪も止み、後輩の女の子たちが花嫁さんを羨望のまなざしで見つめていました。
はこだてロシアまつりの前日から当日までのオフショットを、時間を追ってご紹介します。
いかがでしたか?少しでもまつりの様子がおわかりいただけたでしょうか。今年来られなかった方は来年遊びに来てくださいね。
ピロークって知っていますか?ロシア風パイ、と呼ばれますが、層になったパイ生地ではなく、酵母で発酵させた生地を使って焼く、どちらかといえばパンに近い感じのものです。ちなみに日本でもおなじみのピロシキは語源的にはピロークの小さいもの、という意味、といえば何となくわかるでしょうか?
中に入る具もピロシキと同じく様々あります。函館校ではパン屋さんに特注で焼いていただくのですが、いつもお願いするのはリンゴを煮たものや、鮭のほぐし身とキャベツ・玉ねぎを一緒に炒めたもの。リンゴはともかく鮭?と思うかもしれませんが、鮭は塩味がきいてお食事にもなるおいしいものです。
具は特別贅沢なものではありませんが、ロシアでは昔、ピロークは祝祭の折に焼く、ハレの日のものだったそうです。函館校では、ロシアから来た留学生の修了式に登場します。学生や教職員、ホストファミリーなどが集まり、紅茶を飲み、ピロークを食べながらお祝いします。
大きさや形はそれぞれですが、修了式のものは40×50cmほどの長方形。表面には美しい模様が施され、ピロークがテーブルの上に上がると、それだけで華やかな雰囲気になります。
年に一度、ピロークが食べられるこの機会がとても楽しみです。
来る11月10日(土)の第10回はこだてロシアまつりに向け、恒例のペリメニ(ロシア風餃子)を作りを行いました。
年に1度、この日は教職員も学生も、ウラジオストクから来ている留学生たちも、みんなで食堂に集まり、ひたすら生地を捏ね、愛を込めて包みます。
指導してくださったのは在札幌ロシア連邦総領事館函館事務所のブロワレツ・ガリーナさんとはこだて未来大学の教授夫人であるリャボワ・イリーナさん。材料はひき肉とたまねぎでとてもシンプルですが、塩茹でするととてもおいしいロシア家庭の味です。
この日作ったのは約1,700個。早速冷凍され、まつり当日みなさんに食べていただくのを待っています。熱々の茹で上げと、冷凍のお持ち帰り用がありますので是非いらしてくださいね。
函館校のカリキュラムにはウラジオストク本学への留学実習が組み込まれています。
4年制のロシア地域学科では3年次の秋に3ヵ月、2年生のロシア語科では2年次の春に1ヵ月の留学することが卒業要件となっており、学生たちは寮で生活しながら本学付属ロシア語学校で勉強します。ここは外国人のためのロシア語学校ですから学生は韓国や中国を初め世界各国からやってきます。共通言語はロシア語、授業もすべてロシア語で行われます。
もちろん語学の習得ばかりではなく、直接ロシアを肌で感じ取ることにより、ロシアへの理解を深めることも大きな目的です。
単なる観光ではなく留学であること、また海外はまったく初めてという学生もおり、留学前には誰しも期待と不安が入り混じります。
そこで、事前に学生係による留学説明会が3回に渡り開催されます。留学実習の心得やウラジオストクの生活情報の提供、ビザの申請書類の記入など、渡航までに必要な手続きもここで行います。
この日は海外旅行保険の説明に保険会社の方が来てくれました。海外留学実習には保険加入が必須とされており、そのため専門の方に説明を依頼しているのです。このように細やかに説明しますので、安心して留学に行くことができるはずです。
最初は恐る恐るの旅立ちでも、多くの学生たちが充実した顔で戻ってきます。一層ロシアに興味を持ち、帰国後さらに積極的に勉強に取り組むよいきっかけになりますよ。
そんな食堂をこの春、リニューアル。食卓と椅子、自動販売機も入れ替えました。窓の外から隣のお宅の立派な日本庭園が見えるカウンター席も設けました。
カフェとして、放課後ここで談笑したり、勉強できるような雰囲気になりましたので、お昼休み以外にも利用してくださいね。ちなみに食堂には「ロシア亭」というれっきとした名前があるんですよ。
(リニューアル・シリーズを終わります)
今年5月、学生の就職支援のため、校内にキャリアサポートセンターを設置したことはすでにホームページでお知らせしましたが、そのほかにもこの春函館校では、学生生活向上のため、ちょっとしたモデルチェンジを行いました。
そこで、リニューアル・シリーズと題し、3回に渡りご紹介いたします。
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コンピュータ入門はもちろん、ロシア文化史などの授業に使われている第2教室(通称:パソコン室)をリニューアルしました。今まではパソコンに向かって学生たちが向かい合わせ(パソコン同士が背中合わせ)になるような配置だったため、先生が一人ひとりの画面を見ながら指導する際も回りながら行わなければならなかったものが、今回横一直線にパソコンが並ぶスタイルに変わり、指導も受けやすくなりました。
それとともに、パソコン本体もOSを入れ換え、スペックも上がったことにより作動スピードもアップしました。
昼休みや放課後、学生が論文作成や私用にも自由に使えるよう解放していますので、学生の利便性も上がりましたよ。
ロシア地域学科の学生は3年次に学年論文、4年次には卒業論文の提出が課せられています。
しかし、「論文なんて見たことも書いたこともない!」という人にとっては何から手をつけてよいやら、困り果ててしまいますね。とは言え、これを書けねば進級も卒業も、就職戦線も勝ち抜けない!
そこで、今年も鳥飼准教授が「学年論文・卒業論文ガイドブック」を作成。それをもとにガイダンスが行われたのでした。今年のガイドブックは内容を大幅リニューアル。論文の必要性に始まり、体裁・構成・参考文献の扱い方など実務的なことから、グラチェンコフ教授による精神論的エッセイまで載っている充実の内容です。
ガイダンスではこれをもとに、各担当教授から論文テーマについて説明があったり、鳥飼先生から「論文ステップ」に則ったスケジュールの組み方説明があったりと、懇切丁寧な指導が行われました。
さあ、論文提出に向けてGO!これで就職試験に小論文があっても平気です。
函館校は観光地のど真ん中、函館・元町の八幡坂に面しています。ここから港を振り返れば、夏には 海が夕日に染まり、冬には街路樹が美しいイルミネーションに彩られる絶好の眺め。映画やテレビのロケが頻繁に行われ、朝から晩まで多くの観光客で賑わっています。こんな素晴らしい環境にある函館校で日々何が行われているのか、興味ありませんか?
というわけで、函館校の日常を紹介する新連載の始まりです。題して「八幡坂ノート」。ここは日本で唯一のロシア国立大学の分校であり、ほかの大学ではあり得ないことが普通に毎日起きている、とっても楽しいところです。早速のぞいてみましょう!
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ロシアの伝統儀式「フレップ・ソリ(パンと塩)」。お客さまを歓迎する儀式であることから、函館校の入学式では新入生を仲間に迎える意味で必ず行われます。
迎えられた側は大きなパンを一口分ちぎって、塩をつけて食べるのが慣わしですが、入学式では新入生の代表がそれを行います。
それじゃあ、あの大きなパンはその後どうなるの?代表に選ばれた人しか食べられないの?
そんなことはありません。
入学式終了後の控え室で、新入生全員が口にできます。そして、その後は在校生や教職員みんなでいただきます。
ちなみにこのパンはフランスパンの生地で出来た特注品で、中までふかふか、とってもおいしいです!