一般向け文化講座「はこだてベリョースカクラブ」の今年度第5回目(最終回)の講話内容です。
テーマ:「プーチン政権について/ロシア マスコミ界のあれこれ」
講 師:イリイン・セルゲイ(校長),デルカーチ・フョードル(副校長)
今年度最後のはこだてベリョースカクラブは、前半30分をイリイン・セルゲイ校長による「プーチン政権について」を行い、後半30分をデルカーチ・フョードル副校長による「ロシア マスコミ界のあれこれ」の二本立てで行いました。
【プーチン政権について】
世界的に、新型コロナウイルス感染症の対応に追われた2020年。ロシアではいち早くワクチンを開発しました。しかし接種については少し遅れ、昨年12月から行うことができました。約220万人に接種を行ったそうです。感染拡大が収まらない状況が続いているので、プーチン政権としては、ワクチンの接種をいっそう進めたいと考えていますが、その有効性については少々疑わしい部分もあり、なかなか進まないのが現状です。
ところで皆さんは、ロシアのプーチン以外の政治家を知っていますか?ロシア人でも誰が首相なのか、どのポジションについているのかは、すぐに答えられません。それくらい、人は重要ではないのです。大統領がすぐ人を変えてしまうし、何より政治が機能していれば問題ないのです。
しかし、プーチンの力は強くなりすぎました。最近だとハバロフスクでプーチンに対するデモが起こりました。理由は、ハバロフスクの知事がプーチンの権力で逮捕されたため、それに対してのものです。真偽は定かではありません。
【ロシア マスコミ界のあれこれ】
ロシアの世論を動かしているのはマスメディアと言えるかもしれません。私より上の世代はテレビ信者が多いです。インターネットが嫌いなわけではなく、家にいるときには常にテレビが点いていて、情報はそこから得るのです。
これは半分私の持論ですが、テレビ局の種類は「勤王派」・「買弁派」・「宗教保守派」とその他に分けられると考えています。
勤王派は、日本でいうNHKですが、それよりもっと政治的なものを感じます。
これらのテレビ局は、トーク番組をよく行いますが、皆さんがイメージする穏やかなものではありません。政治的な自分の見解を披露する場です。討論番組に近いかもしれません。この番組から政治家になる人もいます。そもそも政治家になるためにテレビに出たい人もいます。色々な人がその局の派閥の中で与えられたポジションで自分の主張を繰り広げます。
どの情報を信じるかは視聴者にゆだねられていますが、テレビ局のカラーはそんなにすぐに変えられません。過激に作り変えられえた情報を流すテレビ局もあります。若者に見てもらいたくてYOUTUBEに切り替えるテレビ局もあります。
これらのテレビ局は真っ向から敵対しているように見えて、Aテレビ局の局長がCテレビの局長になるということもありました。そうです、実は裏ではつながっているのです。どのくらいのお金が動いているのでしょう。政治とマスコミは切っても切れない関係があるのです。世の中には知らないでおいた方がいいニュースもあるということですね。
さて毎年最終回には、終了後に茶話会を開いていましたが、今年はコロナ禍のため受講生の皆様には肉とリンゴのピロシキを一つずつ小分けにしたものをお持ち帰りいただきました。来年は、皆様と一緒に食べたいものですね。
なお、ベリョースカクラブは2021年度の受講生を募集中です。毎年継続して受講される方も多い、人気の講座です。ロシアの文化や風習について、気軽に触れてみませんか?
詳細はこちらをご覧ください。
いよいよ明日に迫った2021はこだてロシアまつり。いつもTシャツ製作をお願いしているスクリーンプロシモダさんが、Tシャツのデザインを使ってステッカーを、学生のためにサービスで作ってくださいました。
配色もきれいで、とってもかわいいと学生にも好評です。シモダさん、どうもありがとうございました!!
今年のロシアまつりは「ホッとひといき ロシア」がテーマです。あいにくコロナ禍が終息しないため、カフェなど校舎内でのイベントはできなくなってしまいましたが、このテーマを表現した素敵なポスターが完成しました。
デザインは昨年に続き、ロシア語科2年の小栗大和さんです。
テーブルに置かれた湯沸かし器・サモワールやグジェリ陶器など、ロシアの凍える冬でも、ペチカが燃えて暖かい部屋の中の感じが伝わってきます。
よく見ると、カップの中にはラテアートでピロシキ八幡坂のマトリョーシカマークが描かれています。左側、サモワールの足元には、冬の象徴である藁人形・モレーナと、今年のTシャツデザインにもなったёжик(ヨージク=ハリネズミ)の姿も見えますね。力作です!
今年のロシアまつりは2月11日(木・祝)に開催します!
とても残念なことですが、新型コロナウイルス対策を万全にするため、例年とは違いロシアカフェやキオスクなど、みなさまが楽しみにされている飲食・物販その他校舎内でのイベントは一切ありません。屋外駐車場で、体長2メートルの藁人形「モレーナ」を燃やして春を呼ぶ行事「マースレニッツァ」とコール八幡坂の合唱のみです。
それでもいつもと同じように、学生・教職員が当日着るTシャツは作成します!今回はロシア地域学科1年の弓田眞悟さんがデザインしました。
ロシア人が親しみを持っている小動物、 “ёжик(ヨージク=ハリネズミ)”がピロシキを頬ばっています。ハリネズミの上にはロシア語で“ロシアまつり”、下には“はこだて”と書かれています。
色はチョコレートブラウンの地に、白いラインの予定です。
例年ならTシャツは、まつりのキオスクで販売もしていますが、今年は一般販売はありません。当日は学生と教職員でこのTシャツを着て、コロナ退散の祈りも込めて、モレーナを燃やします。