映画に見るロシア人の生活2
一般向け文化講座「はこだてベリョースカクラブ」の今年度第3回目の講話内容です。
テーマ:「映画に見るロシア人の生活2」
講 師:イリイナ・タチヤーナ(本校准教授)
1968年製作、ソ連時代のコメディー映画「ダイアモンドの腕(Бриллиантовая рука)」。いまだにロシアで愛され続け、挿入歌「песня про заяц(ウサギの歌)」や有名なフレーズは、ロシア人なら誰もが知っていて、今でも実際に使わているものです。
監督のレオニード・ガイダイは、コメディー映画の名手とされ、いまだに彼を超える監督はいない、とまで言われています。
トルコに船旅に出かけた主人公が、密輸団の一味と間違われたことにより繰り広げられるドタバタコメディで、主人公を演じたユーリ・ニクーリンの本業は道化師でした。誰もが笑ってしまうユーモラスな動きをしています。
昨年 も同じ映画の中から5つのフレーズを選んで解説しましたが、今回は別なフレーズを選んで解説しながら、一緒に映画を楽しみました。
1.У него там не закрытый, а открытый перелом.
内部骨折じゃなくて、外部骨折なの。
*思っていたことよりもさらに悪いことが起きた時に使う言葉。
2. Наши люди в булочную на такси не ездят.
わが国の国民はパン屋に行くのにタクシーなんか使いません。
*主人公セーニャがパンを買いに行く時、彼を保護する目的ではり付いていたKGBの車に送られて帰ってきたのを見たアパートの管理人がいうセリフ。贅沢でどうかしている、ということ。
3. На чужой счёт пьют даже трезвенники и язвенники.
他人の勘定なら下戸でも胃潰瘍でも飲む。
*読んだとおり、人の金なら飲めない人でも病気の人でも酒を飲む、ということ。
4. А если не будут брать, отключим газ.
取らなければ、ガスを止めましょう。
*相手に無理強いをしようとする時、脅す言葉。
5. Будете у нас на Колыме – милости просим. Нет, лучше уж вы к нам.
コリマへいらっしゃるなら、うちにも寄って下さい。
*コリマは、シベリア北東部の政治犯流刑地がある土地の名前で、コリマの人が「うちに遊びに来てください」と誘った時に、そんな恐ろしい土地に行くくらいなら、あなたのほうからこちらにいらしてください、ということ。つまりは「遊びに来て来て、と言うならあなたの方こそ来てくださいよ」というふうに使うそうです。
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