一般向け文化講座「はこだてベリョースカクラブ」の今年度第1回目の講話内容です。
テーマ:「ソ連映画の作曲家」
講 師:デルカーチ・フョードル(本校講師)
映画は音楽をなくすると、魅力を失います。「ミッション・インポッシブル」、「ルパン三世」、「スター・ウォーズ」……、音楽は映画にイメージを与えます。音楽のない「ゴッド・ファーザー」など考えられません。
作曲家のギャラは高いものです。しかし、ロシアではペレストロイカ時代、生活が不安定になって音楽も悪くなりました。今は立ち直りつつあります。
ソ連映画は数百~何千と、数多くありますが、今日はスターリン没後の70年代の話をします。
以下、映画の一部分を見ながら音楽を聴きました。
①ミカエル・タリヴェルディエフ
大陸ヨーロッパ、特に70年代イタリア・フランスの影響を強く受けている。バロック音楽に現代要素を入れて、頭に焼きつく音楽、センチメンタルな音楽が多い。モスクワ国際映画祭は海外を対象にしたものだが、それとは別に黒海周辺で開催される国内対象の映画祭キノ・タウルの最高音楽賞はタリヴェルディエフ賞と名前がつけられている。自分でもピアノプレイヤーとして演奏する。ゾルゲ、ニコライ、クズネツォフの3人のスパイをモデルにした「最後の春」の一場面は、4分間セリフなしの音楽だけで男女の出会いの心情を描いている。
②エフゲニー・プチーチキン
ミュージカル、オペラで女性が歌う歌を書いて有名。「二人の船長」という革命前後の話を描いたテレビドラマがある。
③アレクセイ・リーブニコフ
アニメを含めておよそ120本の映画音楽を作曲。シンセサイザーを使う、電子音楽の作曲家。「わらべのアルバート通り」、「ロシア版宝島」などが有名。
④ウラジーミル・ダシュケーヴィチ
「ロシア版シャーロック・ホームズ」。
⑤マキシム・ドゥナエフスキー
「三銃士」、「メリー・ポピンズ」など。