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2008年10月31日

ロシア語市民講座・番外編

 ロシア語市民講座中級コースでは、現在6名の受講生がテキストに従って翻訳や会話の勉強をしていますが、今回初めて教室を出て、課外授業を行いました。

 実は函館ハリストス正教会のニコライ神父のところに新車が届き、聖水をかけてお祈りする儀式を行うということで、イリイン校長と受講生が招待されたのです。日本でも神社でお祓いするのと同じことなんですね。

 まず、車のドアやボンネットをすべて開け、神父が聖歌を歌いながら聖水を振り掛けてお祈りする夜の教会の見慣れない光景を、一同静まり返って見守ります。
 無事儀式が終わった後は楽しいパーティーです。テーブルには奥様の用意してくださったおいしいロシア料理が並びます。シューバ(ニシンとスビョークラの前菜)、スタリーチヌイ(じゃがいものサラダ)、キャベツのピローク(パイ)、ペリメニ(ロシア餃子)、などなど。ロシア語の授業の一環ですから、ロシア語しか話してはいけないというルールに口も重くなりがちですが、ちょうど中級コースでは現在、ロシア人の誕生パーティーに招かれたという場面のテキストを読んでいるところなので、いい勉強になりました。
 こんな楽しい授業は滅多にないことですが、生のロシア語を学ぶ絶好の機会となりました。

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ロシアの文化,歴史,経済,政治などを学ぶ、日本で唯一のロシアの大学の分校です。

2008年10月22日

函館校学生とロシア人留学生による3ヵ国語朗読のお知らせ

 2009年の函館開港150周年を記念し、今年から来年にかけて様々なイベントが市内各地で行われる予定です。
 そして開港の1年前、日本で初めての混声合唱としてロシア正教の聖歌が日本のお寺で響いたという史実をもとにして書かれた絵本「実行寺の小坊主 とっ珍さんはおおいそがし」が今年出版されました。本編は日本語・ロシア語・英語で書かれており、解説とあとがきのロシア語訳は本校のグラチェンコフ・アンドレイ教授が、英訳は鳥飼やよい准教授が担当しました。

 今回、まちづくりフォーラム「開港がくれたおくりもの~未来へ~」が下記の日程で開催されることとなり、その中で函館校の日本人学生がロシア語と英語で、ウラジオストク本学から来日したばかりのロシア人留学生が日本語で絵本を朗読します。学生たちは当日に向け、練習に励んでいます。フォーラムの入場は無料です。みなさまのご来場をお待ちしております。

 日 時:2008年10月26日(日) 14:00~
 場 所:五島軒本店(函館市末広町4-5)

 詳しくは下記ホームページをご覧ください。
 http://www.hakodate150.com/modules/d3blog2/details.php?bid=256

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2008年10月20日

スビョークラを作ってみました

 ロシア料理には欠かせない「スビョークラ(свёкла)」。中まで真っ赤な砂糖大根の一種です。一般的にビーツと呼ばれ、日本でも食材店などで水煮缶詰は売っていますが、生はなかなか手に入りません。入ったとしても、結構お高い。それに、なんといっても風味は生が一番です。

 ロシアを代表するスープ、ボルシチの美しい赤色と甘みはスビョークラなしでは作れません。ほかにもサラダにしたりピクルスしたり、いろいろと楽しめます。だからロシア人はみんなスビョークラが大好きです。

 そんなスビョークラを函館で植えてみたところ、こんな風に上手にできました。葉は青々として、不思議と虫も付きません。日本のカブと同じような育て方で、ちゃんと生ります。

 こちらが収穫した様子。皮をむいたり、切ってからゆでると鮮やかな赤色が抜けてしまうので、葉を切り落とし、きれいに洗い、丸ごとゆでてから皮をむき、料理します。だからあまり大きくないほうが料理しやすいのです。

 そしておまけ。こちらはこの夏、ハワイのファーマーズ・マーケットで売っていたビーツ。アボガドと並んでいるのが妙ですね。ロシアのものよりひと回り小ぶりですが、欧米でもサラダにしたり、焼いたりして食べるそうです。日本でももっと普及するといいですね。

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2008年10月10日

道南青年の家の思い出

 今年は、1858年函館に日本で最初のロシア領事館が置かれてから150年、また現存する旧ロシア領事館の建物が竣工した1908年から数えて100年の記念すべき年である。現在この建物を所有する函館市はこの2008年を「函館におけるロシア年」とし、市内各所で様々な展示やイベントを行っている。
 今では旧ロシア領事館といえば明治期の面影を伝える観光名所として、外から眺めることしか許されていないが、1965年から1996年までの間は「函館市立道南青年の家」という名の青少年のための宿泊研修施設であった。私を含め、この時期に函館で子供時代を過ごした者は、一度は泊まったことがあるのではないだろうか。考えてみればとても贅沢な話だ。

 赤レンガの外壁と白漆喰の縁取りが目を引く2階建ての建物は、幸坂の途中に面している。幸坂はとても急な坂で、玄関の前で集合写真を撮るためにしゃがむと、シャッターが切られるのを待つ間によろけてしまうほどである。冬などは道が凍れば、車で上がるのはもちろん、歩くのも困難だ。こんな急坂の上にあるのは、領事館として港を一望の下に把握するためであろう。実際、港に向かった談話室の窓からは出船入船がよく見え、とても素晴らしい眺めである。内部は宿泊施設用に改装してあったが、玄関を入るとすぐ目に入る洋式の木造階段が領事館時代の名残をとどめていた。

 宿泊研修は、学校のクラス単位やサークルなどで申し込む。明るいうちは周辺の名所・旧跡を散策、夜は食堂で自分たちで配膳し、食事を取り、入浴。朝は早起きして、国旗掲揚とラジオ体操、のち朝食。このような規則正しいスケジュールでの集団生活を通して、協調性や自発性を身につけるのである。
 しかし、子供にとっては研修というより、楽しい“お泊り会”である。寝る前にホールに集まり、歌ったりダンスやゲームをする。特に興味深かったのはキャンドルサービスである。今では一般的になったが、宗教でも結婚式でもなく、なぜかみんなでろうそくを灯して語らうというその光景は、昭和時代の子供にとってはハイカラかつ神秘的なものであり、今でも強く印象に残っている。
 たしか10名ほど泊まれるよう2段ベットの入った部屋がいくつかあり、消灯後も楽しいおしゃべりは続く。朝は談話室でまぶしい日を浴びながら本を読んだり、オセロをしたりして過ごすのだ。

 私は小学生のときと中学生のときに一度ずつ、学校の行事として参加した。そして高校1年の冬休みにも、クラスの仲間を募り、自分たちで申し込んだことがある。高校では函館市以外の出身者、つまり未経験者もいたので、その楽しさを力説したおかげで、クラスのほとんどが参加したように記憶している。

 今は宿泊研修施設としての役割を終え、高台から静かに港を見下ろしているこの旧ロシア領事館であるが、函館の大切な財産として、人々の心にも思い出を刻んでいるのだ。

ロシア極東国立総合大学函館校 事務局 大 渡 涼 子

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2008年10月02日

ミリオン・ズビョースト 第57号

 函館校の学報であり、函館日ロ親善協会の会報であるミリオン・ズビョースト/百万の星 第57号を函館校のページに掲載しました。

 今回の巻頭言は、今年4月、新たに函館校事務局に仲間入りした三浦祐一次長による「一隅を照らす。これ国の宝なり」です。世界を取り巻く経済情勢の中で、函館校に何ができるのか、という期待が寄せられています。

 また、この夏休み、北方四島交流事業で択捉島を訪問した学生や、サハリンから函館を訪れたロシア人学生を観光ガイドした学生サークル「訳者小屋」の活動についての感想が寄せられています。様々な体験ができる函館校ならではの様子を垣間見ることができます。是非ご覧ください。

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