月別過去の記事

2008年05月27日

進化した論文ガイダンス

 函館校では、ロシア地域学科の3年次には学年論文、4年次には卒業論文の提出が課せられています。論文を書くことは日頃の学習の成果を自分なりに振り返る機会であるとともに、新たな探究へのきっかけともなる、果てしなく続く勉学の道の通過点にすぎません。
 とは言え、いきなり大作論文を書くのは難しいもの。そこで「論文作成」という授業が行われるのです。

 昨年、鳥飼准教授が「学年論文・卒業論文ガイドブック」を大幅にリニューアルし、学生への指針としたことは以前にも述べましたが、今年はさらに内容が進化しました。デルカーチ講師による特別エッセイは、 “Курсовая работа - зачем это нам?”
 ロシア語で書かれているので、これを読み解くことから始めなければなりませんが、3年生、4年生ともなればもう大丈夫ですね。

 今年は論文演習の授業に力を入れ、中間報告会などもスケジュールに盛り込まれています。各研究テーマの内容についてはロシア人の指導教授が担当しますが、日本語・英語・ロシア語を操り、自身もアメリカの大学院で修士論文を書き上げた経験を持つ鳥飼准教授が、論文作成に向けての資料の集め方や書き方の体裁などを指導します。
第1回目のガイダンスではイリイン校長以下、論文を担当する教授陣からの説明があり、早速学生一人ひとりの研究テーマと指導教授が決まりました。さあ、来年3月の卒論発表会に向けて、長いマラソンが始まりましたよ。ゴールを目指してがんばりましょう!

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2008年05月20日

「ゆきのまち通信」をご存知ですか?

 「ゆきのまち通信」という雑誌をご存知でしょうか?雪降る地方の暮らしをつなぐコミュニケーション誌として、青森の企画集団ぷりずむが年6回発行しているものです。今年18回目を迎えた「ゆきのまち幻想文学賞」は、地方の文学賞としては応募作品数も多く、レベルの高いものとして評価されるなど、志の高い雑誌としておもに雪の降る地域で読まれています。
 
 この雑誌の最新巻116号(2008年5月1日発行)に縁あって本校パドスーシヌィ・ワレリー教授のエッセイが掲載されました。“THE ゆきのまちNEWS [WORLD編]”というコーナーに「雪の想い出」と題して、ウラジオストクで生まれ過ごした子ども時代のことや、大学院生の時3年間暮らしたレニングラード(現在のサンクトペテルブルグ)のことを書いています。
 機会がありましたら是非お手にとってみてください。

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2008年05月15日

オープンキャンパスとロシアまつりのお知らせ

 ロシア極東大学函館校では様々なイベントを通して、函館校に、そしてロシアに親しんでいただきたいと思っております。
 この機会に、函館・元町にあるキャンパスを気軽に訪れてみませんか?
 詳しくは函館校ホームページでご確認ください。

第1回 オープンキャンパス 
2008年6月14日(土) 13:00~15:00


2008はこだてロシアまつり
2008年7月19日(土) 12:00~17:00

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2008年05月14日

いらっしゃいませ、新入生歓迎会

 1年生に早く学校になじんでもらいたいと、自治会が新入生歓迎会を企画しました。在校生や教職員もほぼ全員が一同に会し、函館校の仲間として、新入生を温かく迎えました。

 場所はベイエリアにあるレストラン。ホールを貸切にして、自治会長の歓迎挨拶や乾杯のあと、新入生による自己紹介が行われました。どうやら今年の1年生は芸達者揃いのようです。
 また、新入生にくじを引いてもらい、自治会役員が考えた質問に答えるコーナーでは、「この学校の先生と結婚するとしたら誰?」、「宿題をやっていないのにやったと嘘をついたことはある?」などの意地悪な質問に、新入生たちは困りながらも初々しい様子で答えていました。

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2008年05月09日

ロシア語クラブ

 1945(昭和20)年の敗戦後間もなく私が中学生だったころ、当時盛んに流れ込んでいた欧米の映画に混じって、1本のソ連映画が紹介され評判になりました。「石の花」というその作品は、当時まだ珍しかった“総天然色(カラー)”映画で、それを観たのが今にして思えばロシア語に接した私の初体験でした。
 その後大学に入り、社会主義への関心の高まりを背景に、個人的にはトルストイの『戦争と平和』にのめり込むなど、ロシア語を勉強してみたいという気持ちが深まったように思います。大学2年の時、教養科目におかれていたロシア語を選択することにしました。ところが、地道でまじめな努力を怠ったせいで、一夜漬けの試験勉強で何とか単位はとれたものの、“基本のアルファビート”すら身につかず、結局20年も経って一から学び直すことになります。
 
 大学を卒業し母校の函館東高校に勤め始めて10数年経った頃、私は当時図書館分館で毎年開かれていたロシア語講座に思いきって参加することにしました。1973(昭和48)年から2年間通いました。この講座は戦後の函館で長い歴史を持ち、年齢・職業の様々な方がおられて男性、女性も半々くらいでした。1年目の初級クラスでは、高専のY先生から基本をしっかり教えて頂き、私もようやく33のロシア語字母と簡単な挨拶・文章が頭に入るようになりましたが、この教室の特色は何と言っても、かつて日魯漁業の社員の奥さんとなられ永く函館に在住されていた成田ナデジダさんに、発音の指導を受けることができたことでしょう。

 ところで本題のロシア語クラブについてです。昭和48年というのは、高校の新学習指導要領でいわゆる“ゆとり教育”の導入が決められ、本来の自発的な部活動とは別に、生徒全員が何らかのクラブ活動に参加する「必修クラブ」制が始まった年でした。東高校でも初年度は文化系・運動系合わせて20のクラブが設けられ、ペン習字・囲碁将棋・凧などといったものもありました。私はさっそくこの機会に便乗して、2年目から「必修ロシア語クラブ」を開設したというわけです。

 昔から、人に教えることで自分が一番学ぶことができる、と言われています。ロシア語クラブを始めた年、分館の講座は中級に進んではおりましたが、自分自身がまだまだ未熟なのに大胆にも教えたとは、今考えれば冷や汗ものです。ただ、集まってくれたあまり多くない(多分5、6人の)生徒たちと一緒に、日本では少数派の外国語であるロシア語を学び楽しめたのは幸いでした。手元に残るノートによれば、第1回目はロシア語の系譜について、インド=ヨーロッパ語族に属する言語として英語と共通するвода(water)といった単語があることを専門の世界史と結びつけて説明したり、アルファベットを覚える際は英語を忘れること、などと強調した覚えがあります。

 必修クラブ制は結局なし崩し的に廃止となります。ロシア語クラブもどれ位のことを勉強できたのか、今では記憶があいまいです。多分、ロシア極東国立総合大学函館校の玄関脇の易しいロシア語くらいは分かるようになったと思いますが、そのほかロシアの民謡やポップス――「ともしび」「カチューシャ」「モスクワ郊外の夕べ」など――をテープで聞き、一緒に歌ってみたことも、今や懐かしい思い出となりました。

 ロシア語クラブから30数年、去年、函館東高校と函館北高校が統合され発足した市立函館高校では、生徒諸君にロシア語を学ばせるカリキュラムを作ったと聞きました。日ロの正式な国交樹立で函館に最初の領事館がおかれてから丁度150年の今年は、色々な行事が行われるようです。地元の若い人たちが、これをきっかけとして、“懐の深い北方の隣人”ロシアへの関心と新たな経済・文化の交流を深めてくれれば、と願っております。

元函館東高校教諭  俵  浩 治

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2008年05月07日

世界がガチャガチャした夜

 春の宵、八幡坂が一夜限りのお祭りでにぎわいました。
 4月18日(金)に開催された「バル街」の中のイベント、“フィエスタ・デ・バル~世界ガチャガチャ夜市~”の中で、我々函館校は学生によるロシア民族衣装体験コーナーを出展しました。

 その夜は我々ロシアチームの右隣がアラブやポルトガルの焼き菓子を売るチーム、左隣は香港の胡桃のおしるこを売るチームとまさにワールド・ワイド。1時間ごとに演者が交代するライブではアメリカ・カントリーあり、フルートとピアノのジャズあり、お抹茶席やバングラディッシュの雑貨を中心としたフェアトレードショップも出店しました。

 はじめは子供連れなど、このガチャガチャ市がお目当てのお客さんが多かったようですが、夜が更けるほどに、「灯りが付いているので寄ってみた」というバル街参加者が気軽に訪れてくれました。ほろ酔い気分のお客さんで会場は大いに盛り上がり、急きょ終了時刻を延長するほど、世界がガチャガチャしたいい夜でした。

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2008年05月01日

オリエンテーションとは?(在校生編)

 2~4年生ともなれば、もはや校舎や事務局の利用方法や教職員紹介などは必要ありません。しかし、学習を続ける上での疑問や悩みなどが生まれることもあるでしょう。
 
 そんな在校生に向けてのオリエンテーションで今年行ったことは、“グループ・ワーク”。
 極東大学に入学してはや2年以上、この機会に一度初心に立ち戻り、学習の目標を見直してみようということで、「もう一度初心に戻るため!」というガイドブックに基づいて、鳥飼やよい准教授が進行しました。
 
 具体的には「ロシアの宣伝文」を書いてみよう、という試み。学年・性別を問わずグループに分け、制限時間内に自分たちが学んでいるロシアについて、いいところを他人に伝え、ロシアをまったく知らない、あるいは先入観で凝り固まっている人々をロシアのファンに出来るような文章を書いてみようというテーマに則り、力を合わせて発表までこぎ着けました。

 このようなグループ・ワークやプレゼンテーション能力が就職試験や社会生活で大きく問われる昨今、学生たちにとってもいい指針となったことでしょう。

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