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2007年04月25日

元気娘のウラジオ便り 春

 どうも、ご無沙汰しております。元気娘、卒論や国家試験の準備に最近引きこもりでお尻に根っこが生えてきております。
 ロシアには卒業の前に国家試験なるものがあり、ご存知の方もいらっしゃると思いますが口答試験です。事前に渡される問題、(私の場合60問ほどの問題)が当日机の上に裏返しにされた紙に1問ずつ書いてあり、それを2,3枚引いてその問いについて語るという形式。ちなみにこの問題、かなり抽象的です。例えば、
「政治紛争の本質とは何か:発生原因、発展構造と解決法について述べよ」 とか、
「政治哲学とは何か。機能、政治科学としての位置づけについて」
とか、何を求めているのかさっぱり。
 こんなのが60問もあって、ひとつの問題にかなり深く語らないと合格できないという、穴埋め型の試験に慣れている日本人にとっては涙、涙の試験なのです。

 ちなみにおいら、政治学専攻ではありますが学部で政治学をとっていたわけでないので基礎がなく日本語でも理解が浅い・・・いや、もう白旗振りたい心境です。
 今は日本語でも理解すべく、寮の近くの日本センター成る場所で日本語の文献も読み漁っており、センターの日露語の文献、半分以上読みつくしました。そんな私に、日本語達者なミーシャ君、同じく日本センターで昨日久々に会ったのですが「ボクは国家試験の前に先生にお金を渡してどの問題が出るか教えてもらったよ。だから5もらっちゃった☆」・・・
 ちなみに賄賂は5000円くらい。おいらも出来たらやりたいけど、今年初のマギー生。私を含めて3人しかいない上、残り2人は超優秀なロシア人ときた。無理、無理。地道に孔子やウェーバーの偉大な思想でも読ませていただきます。

 こんなヒッキーな私に同情して最近はルームメイトのチャイナ娘、同じく苦しむ院生アーラが、私にしょっちゅう料理をおすそ分けしてくれます。ハルピンサラダやいろんな野菜炒め。感謝感激です。そしてある日・・・写真みたいなのくれました。
「日本人は好きかどうか分らないけど。元気になれるし、お肌にいいよ♪」

 うん、コラーゲンたっぷりだね。体に気を使ってくれてありがとう。凄く嬉しいんだけど、おいら、実家にセキセインコがいてね、ピーちゃんってしゃべってかわいいんだあ。
あはは。爪がとっても光ってて、鳥肌もしっかり見えるね・・・え?爪も食べられるって?

 心にピーちゃんの声が聞こえたのは気のせいでしょうか?アーラの優しい笑顔とともに差し出されたこの足、ピーちゃんを思い出しながら口に入れさせていただきました。
 他にも鳥、豚、牛、サルの頭だけを煮込んだ料理もあるそうです。ただ、ウラジオでは手に入りづらいとのこと。共同キッチンでそんな青ざめた顔の動物が中華なべから見えたらどれだけの卒倒者が出るでしょうか?フフフ。そんなわけで今日もウラジオで元気娘は生き延びておりまする。

極東国立総合大学附属国際関係大学政治科学・社会経営学部
6年 寺 越 弓 恵

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ネイティブのロシア人教授陣より生きたロシア語と
ロシアの文化,歴史,経済,政治などを学ぶ、日本で唯一のロシアの大学の分校です。

2007年04月16日

紅茶の日

 何気なく通う喫茶店、いつものお気に入りの紅茶。でも今日はどれにしようか迷う。「あれ?ロシアンティーもあるんだぁ~。」と思いつつ、落ち着いた音楽流れる店内でNHKロシア語講座の本をバックから出す。「Чай пожалуйста.」かぁ。確かに日本人は、ロシアンティーといえばジャム入れて飲むって、思いこみすぎ…。
 テーブルの片隅に置かれている小冊子が気になり目をとおす。なにげなく過ごしていた日々の中に『 紅茶の日 』というのがあるのをご存知でしたでしょうか?『 紅茶の日 』って??

 日本で「おいしい紅茶の店」を認定推薦している日本紅茶協会HPに書かれているので内容を引用させていただきます。

 海難にあってロシアに漂着した日本人、伊勢の国(現在の三重県)の船主、大黒屋光太夫他2名は、ロシアに10年間滞在せざるを得なかった。帰国の許可を得るまでの辛苦の生活のなかで、ロシアの上流社会に普及しつつあったお茶会に招かれる幸運に恵まれた。 とりわけ1791年の11月には女帝エカテリーナ2世にも接見の栄に浴し、茶会にも招かれたと考えられている。
 そこから、大黒屋光太夫が日本人として初めて外国での正式の茶会で紅茶を飲んだ最初の人として、この日が定められた。このことに基づいて、日本紅茶協会が1983年(昭和58年)に11月1日を「紅茶の日」と定めた。

 帰宅そうそう、井上 靖 著書「おろしや国酔夢譚」をあらためて読みふける。大黒屋光太夫がロシアで得た経験。私達の日々も経験で築き上げられているような気がしてくる。皆さんが初めて飲んだ紅茶はどんなものでしたか?
 古典的、伝統的ともいえるロシアでの紅茶。ティーポットに紅茶を濃くだし、サモワールで沸かしたお湯で好みの濃さに割りながらカップいっぱいに注ぐ。ロシア極東で飲む紅茶は、冬の冷えた体を温める。体だけではない、心も豊かになる。
 人が集い、楽しい会話の一時がうまれる。おいしいお菓子とともに。紅茶をふるまうおもてなしのロシア人の心は、お抹茶をたてる亭主の心と同じ。《色》が違えども一つ屋根の下は平等であるかのように…。

 さて紅茶でものもうかぁ…。結局、ジャムを紅茶の中に入れるのか入れないのか?その一杯をおいしく飲んでいただければ、そして飲み終えてもなおステキな時間が続けばどちらでもいいですよね。
 紅茶の湯気の向こうにロシアが広がっているような思いで飲みましょう。「光太夫が手にした茶器は、ロモノーソフ磁器だろうなぁ~。いや、グジェリかな?」と紅茶を入れるカップが決めらない……。

 皆様、今年はステキな『 紅茶の日 』を迎えてください。
 ちなみに、4月13日は、日本ではじめて喫茶店ができた『喫茶店の日』でした。


サモワールとグジェリでこんな感じ?

函館校のサモワール・コレクション

函館校卒業生 山名康恵

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2007年04月12日

ミリオン・ズビョースト 第51号

 ロシア極東大学函館校の学報であり、函館日ロ親善協会の会報でもある「ミリオン・ズビョースト/百万の星」第51号を函館校のページに掲載しました。
 今回はイリイン・ロマン講師による巻頭言や、この春函館校を卒業したみなさんからの学生生活を振り返る投稿が載っていますので、是非ご覧ください。

 函館校では4月9日に入学式が行われ、今年も日本全国から新しい顔ぶれが仲間入り、新学期がスタートしました。春休みの静けさから、大学にも活気が戻ってきましたよ。

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