リンクのお知らせ
リンク集に「ウラジオストク日本人会」と「函館日ロ交流史研究会」を追加しました。
ウラジオストク日本人会の「浦潮瓦版」は現地の方々が執筆してしているので、読み応えのある記事と生のウラジオ情報が満載です。
一方、函館日ロ交流史研究会は独自の研究活動を続けている団体で、こちらも奥深い考察を読むことができます。
合わせてご覧ください。
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今回からウラジオストクで日本語講師をしている長谷川里子さんの連載が始まります。
長谷川さんは青森県出身、地元の短大を卒業後、ロシア極東国立総合大学函館校ロシア語科で学び、現在に至ります。
彼女の日常を通して見えるロシア、そして日本。楽しい話題がたくさん登場します。どうぞお楽しみに!
* * * * * *
ウラジオストクに住み始めてもう1年と数ヶ月がたちました。
私は、今『日本語講師』として極東国立総合大学付属東洋大学日本学部(長い!!)で働いています。いや、これは働いていると言ってもいいのだろうか!?ううーん。たぶん『勉強している・研修している』という方がしっくりきますね。あまり、働いている感はありません。
経験のない私にとって日々勉強なのです!! なんて、そんな偉そうなこともいえませんけど、何とか1年間やってこられたわけです。優しいロシア人学生と素敵な先生方に囲まれて私ったら本当にラッキー!!
とゆうことで、ただいま2年目を経験しているわけなのですが、今学期から中級のほかに初級(つまり1学年)の会話の授業もやらされて・・じゃなくて、させていただいてます。あ、言い忘れましたが、私のロシア語は初級レベルです。つまり、授業はすべて『日本語』で行っています。私のロシア語を授業で使ったりしたら、あらあらもうもう、学級崩壊ですよ。ちょっとかっこいい言葉で『直接法』って言うんですけどね。ふふふ。もっとかっこよく言えば、『ネイティブだからこそできる目標言語習得!!』。とにかく、ロシア語は使わず、説明もすべて日本語だけなのです。
しかしながら、何も知らない初級学習者に対して、目標言語(今の場合日本語)だけで授業を進めていくことは、至難の業なのです。そこで私たち日本語教師はどうするかというと、『画家』または『超オーバーリアクションアメリカ人』になるのです、たぶん。言葉で理解できないなら見て理解してくれという私の切なる願いなのです。絵を描いたり、身振り手振りで説明したり。昔、短大の時の教授が『教師は女優よぉっ!!』と豪語していたことを思い出します。だから、初級の授業も授業準備も本当に疲れてしまいます。これで、少しでもアメリカ人のように鼻が高くなってくれたらいいのに・・・。
そんなこんなで、結構日本語を教えるのも大変なのです・・・。日本人なのに実は全然日本語を分かってなかったりします。例えば『山に行く』『山へ行く』の違いがわかりますか?『に』と『へ』の違いですけど、よくこんな質問をされます。私たち日本人にとってはどちらも同じじゃないかと思うんですけど、ちゃんと違いがあるんです。ま・結局は会話になっちゃえば同じなんですけどね(とてもテキトー)、はっはっは!
もう本当に、たくさんの出来事がありすぎて文章に収めきれないのですが、これから時間があるだけ書き留めていこうと思います。まずは今回1回目・・・つまらない事ばかりですが第2回目、第3回目、第20回目が終わったら、エッセイにして出版しようかな~(笑)。
そんなもくろみもかねて、これからどうぞよろしくお願いします。
ではでは。
2006年10月19日
漁火は夏から秋にかけて函館の海を彩る風物詩である。イカは函館市の魚であり、港まつりでは「いか踊り」を踊る。イカソーメン、いかめし、いか徳利、イカから作られた函館名物は数知れない。
ところで、こんなに函館になじみの深いイカにロシア語が関係していることをどれだけの人が知っているだろうか。
東シナ海から日本海南西部で生まれたイカは成長に従って北へ北へと回遊し、ロシア沿海州近海が格好の漁場となる。船はイカを追いかけてロシア200海里内に入ることもある。日本の漁船がイカを追ってロシア200海里内で漁をする場合、特別な許可が必要であり、その権利を持った船は日本国内で50数隻しかない。そしてその船がいか漁に出るときには、ロシア海域内に入る入らないに関わらず、ロシア人公務員をオブザーバーとして乗船させる決まりになっている。オブザーバーは日ロ政府間で決められた漁獲量を日本側が守っているか否かを監視するのである。
オブザーバーは主にロシア極東地方からやってくる。函館渡島いか釣漁業協議会に所属する船は8隻、昨年のオブザーバーはすべてウラジオストクから来たが、今年は全員カムチャッカからやって来た。
いか釣船の乗組員は7~8名、ロシア語はほとんどわからない日本人の中にロシア人オブザーバーはたった一人で乗り込み、海に出なければならない。漁模様にもよるが、1ヵ月程度は陸に上がれない。つまりロシア人はロシア語が通じないまま船に乗り続けるのである。
そのロシア人が函館に上陸したときに、我々ロシア極東大学函館校がお手伝いしているのである。
函館を出港する際の手続きから買い物、離函のアテンド、さらには海上より緊急連絡が入った際には電話で通訳をすることもある。学生を中心に、時には教職員やその家族まで動員して通訳としてお手伝いするのである。
函館の船ばかりではない。日本全国から出港した船が、函館港で水揚げする。函館魚市場の水揚げ量が増えれば、それに付随する産業、例えば加工業者や運送業者なども仕事が増え、函館の街も潤うのである。
言葉は大事である。1ヵ月も海の上で狭い船内に暮らさなければならないのだから、コミュニケーションが図られなければ、漁にも差し支えかねないのだ。いか釣り船のみなさんが安心して漁をし、函館により多く水揚げできるようにするためにロシア語サポートが不可欠なのである。
おいしいイカが食卓に上るまでに、こんなことが行われていること、ご存知でしたか?
ロシア極東大学函館校の学報であり、函館日ロ親善協会の会報でもある「ミリオン・ズビョースト/百万の星」第49号を函館校のホームページに掲載しました。
今回はグラチェンコフ・アンドレイ教授による巻頭言をはじめ、学生の国後島訪問記など、興味深い読み物が満載です。
こちらも是非ご覧ください。