2005年07月31日
●知られざるロシア (1)
日本にも江戸時代ですら、女犯を認める真言立川流が禁教となっていたが存在した。革命前のロシアには同じキリスト教とはいえ、新興宗教といってもよいセクトとしてフルィストフストヴォー хлыстовство (鞭身派)の他に、スコープチェストヴォскопчество(去勢派、信徒は скопцы)がありこれらは特異と言える。去勢派は入門時に去勢するアベレーニエОбелениеと言う儀式を行なった(男子は性器、女子は乳首、乳房あるいは性器の焼灼または切除)。不衛生な環境で行なうものゆえ、死人も出たと言われる。そのためこのセクトの男はすぐ外見で分かった。男は顔色悪く、声は甲高く、全体に体が白っぽく丸みを帯びてヒゲは薄い。しかし商売に秀で、貧乏から抜け出すために信徒になった例もある。強制的に信者にするのは違法であった。この聖堂を корабль = Новый Иерусалим と称した。他のセクトと同様、ラジェーニエрадение(法悦)と言って、全員が狂ったように踊りを舞いエクスタシーに達する儀式があり、ゴーリキーの「クリム・サムギンの生涯」にも去勢派ではないがラジェーニエの例がある。
Posted by SATOH at 2005年07月31日 17:41
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