2005年06月08日

●ロシア悪人列伝(第3回)

- ポリートニコフ Политников
19世紀初めニコライ1世に可愛がられ、傷痍軍人施設の管理を任されたが、1833年から53年の20年間に仲間と共に120万ルーブル(当時軍艦で世界一周できるほどの大金)を着服し、ばれて毒をあおいで自殺した。

- ハートのジャック団 Шайка «червонных валетов»
 1870年代初めの詐欺団で、首領格にシュペイエルШпейерというのがおり、時の警察庁長官と市長を兼ねたドルゴルーコフ公князь Другоруковの家を英国人に空家として10万ルーブルで騙し売った話はギリャローフスキーГиляровскийも書いている。シュペイエル以外は捕まってシベリア送りとなった。シュペイエルはこの裁判も傍聴しており、裁判長宛に「愉快愉快」というメモを渡し悠々引き上げたと言う。実際の首領は破産した伯爵であり、彼もシベリア送りになったという話もある。アクーニンがこの話をファンドーリンシリーズに取り入れている。この犯罪集団の名前「ハートのジャック団」は当時有名だったフランスの作家 Ponson du Terrail のシリーズものでロカンボールRocambole Рокамбольを首領とする義賊集団の名前から取られたのかもしれない。

Posted by ruspie at 2005年06月08日 02:58
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