2004/11/12 19:00S/O

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はっさく1号の・・・
あんなことこんなことロシア 第11回


真っ赤な秋、黄金の秋。秋のロシア、恋人たちは・・・・

秋です。
そろそろ日本は紅葉真っ盛りシーズンへ突入。
今度の週末には京都か箕面へ紅葉狩りに行こう、
でも吉野も行ってみたいなぁ・・などと
考えるだけでわくわくしてしまう、この頃。

ただ、それと同時にロシアの秋もやっぱり恋しくなってしまうのは、
贅沢なのでしょうか。


日本では、道を歩いていて金木犀の香りがほのかに漂う様になると
「秋がきたんだな」とまず思う。
それから段々空が高くなってきて、徐々に葉っぱの色素が薄れてきて、
空気が冷たくなってきて、少しずつ紅葉が始まる―。

ロシアでは、これら全てが一気に訪れ、気が付けば街中が
「黄金の秋」になっていた様に思う。
少なくとも私の記憶の中では。


初めてロシアに行った大学3年の夏休み、
9月に3週間ペテルブルグへ、そしてその後数日間モスクワに滞在した、
それだけ、たったそれだけの期間の事が、
私自身にロシアの印象を強く焼きつけ忘れられないものにした。


ロシア人が黄金の秋と誇るこの季節の風景は本当にきれいだ。
だけどそれと同じくらい魅入ってしまったのが、
その中で織り成される人々の日常だった。

秋は恋人たちの季節と言われるけれど、
それは何も若いカップルだけの話ではない。
ロシアでは、素敵な老人カップルを何度も何度も見た。

まずはカザン聖堂で結婚式を挙げていた、
おじいさんとおばあさんのカップル。
(真っ白いウェディングドレスを着ていたけどよく見たらおばあさんだった^^;)
とっても幸せそうだった。

それから、仲良く腕を組んで寄り添い公園を散歩する
かなり年配の二人。

地下鉄の中でシートに座りながらも手をつなぐ二人。
おじいさんはニコニコ微笑み、
おばあさんは頬を赤らめながらも嬉しそうだったっけ。

 外を歩く年配カップルは、皆仲良く手を繋いでいるか、腕を組んでいる。
そうして寄り添っていないと危ないっていう状況も確かにあるのだろうけれど、
それを抜きにしても本当に仲がいいな〜と思わされる光景によく出会う。


中でも印象的だったのが、公園デートをしていたあるカップルだった。
軽くよろめきながらもお互い支えあい、ゆっくりと
紅葉に染まった広い公園を回っている場面に遭遇して、
どうしても気になってじいっと眼で追ってしまったのだけれど・・・。

公園にはいくつか胸像があり、二人はそれぞれの胸像の前に行くと
立ち止まり暫くそれらを眺め、そしてまたゆっくりと歩き出すのだった。

そんな何気ない光景だけど、そのとき私には
何か特別なものを見ている様な、
穏やかな幸せが伝わってくる様な、
そんな風に感じられたのだった。

夕日と紅葉に染まった黄金の木々に囲まれて
少し眩しかったことも手伝って、
何か神々しいものを眼にしてる気分になったのかも知れない。

美しい色色に縁取られ、
美化されて眼に映ったのかもわからない。

ともあれ、「きっと二人はこんな風にずうっと支え合って
人生歩んで来たんだろうなー」なんて
想像しながら、一人で街を巡っていた自分も
なんだか幸せを分けて貰った様な気持ちで散歩を続けたのだった。


男性の平均寿命が短いロシアでは、
おじいさんよりもおばあさんを眼にする事の方が圧倒的に多い。
つまり、年配カップルを見るよりもおばあさんの一人歩きを見ることの方が多い。

ゴーゴーと凄い勢いで車が走り回るロシアの街中では、
散歩や買い物も命がけなんじゃないかなぁ・・・と、
お年寄りには厳しそうな現実を見つめて思ったりもした。
(今は改善されている処も所々にあるそうですね)

それだけに、寄り添い歩くおじいさんおばあさん、それに
ラブラブな様子の二人組を見ると、
「ほっ」と、心温まるのだった。


(おしまい)
 

 

素敵なご年配のカップルや、
モスクワ・サンクトペテルブルクの秋の街並み。
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