はっさくさん1号さんは天然果汁たっぷりの元気印100%の女の子。勇気を出してひとりでロシアに飛び込みました。でも想像するのとやってみるのでは大違い・・・。あんなこと、こんなこと、いろんなことがありました。留学生のはっさくさん1号さんが、ロシアで見たこと、聞いたこと、感じたことをつづる体当たりエッセーです。
はっさく1号の・・・
あんなことこんなことロシア
☆初めての日本語教師☆
その1:ローマ君との出会い
ローマ君と出会ったのはある中国人の紹介だった。 日本語を教えてくれる日本人を捜していると聞いて早速そのママさんと直接会い、 話を聞いてみて決めた。というか、会う前からもう私のなかでは決まっていた。 ロシア人の男の子に家庭教師で日本語を教えるなんて滅多にできる事じゃないし、 第一面白そうだったから。 不安な点もあった。何せ相手は9歳の男の子で、日本語を勉強するのは勿論これが初めて。彼の人生の中で初めて触れ出会う日本人、日本語、日本文化が自分だということを 考えると、彼が日本語を好きになるか嫌いになるかも自分次第だと言っても 大袈裟ではないと感じた。それは、自分の小さい頃を振り返れば 「初めての○○」というのはいつもとても大きな意味を持っていたから。 そしてその時出会った人たちのことは今でも強烈に覚えているから。 そしてその第一日目。彼とは初顔合わせだったのでドキドキしながら向かった私を 出迎えてくれたのは、まだ本当に小さい9歳の男の子。 9歳っていうのは聞いていたけど、9歳ってこんなに小さかったっけ?と 一瞬思ってしまったほど幼くてかわいい男の子だった。 その彼が大きな眼をきらきら輝かせて、「日本語勉強するの、夢だったんだ・・。」 と話してくれた時、わたしの中で「かわいい!来て良かった(^0^)」 という気持ちと共に「この子はぐんぐん日本語を覚えていくに違いない」 という確信が生まれた。 その確信は正しかった。始めた初日にもう彼が普通の子ではないことは判った。 まず、普通ロシア人が日本語を発音すると絶対「こうなる」という発音に全くならないし、(それも一度聞いただけでほぼ正確に発音できてしまう。) 「どうして?」と訊くと「いろんな音の出し方ができるんだ。女の子の声だって出せるよ!」それだけでなく、例えばある事について私が軽く一度説明すれば それを何倍にも広げて理解する。もしくは理由を説明しなくても自分で 「ああ!きっとこうだからでしょ?」と解ってしまう。 「すごい・・・本当に9歳?!」と毎回毎回思わずにはいられない。 そんなわけでローマ君には感心しっぱなしなのだけれど、 何せ自分には日本語教師経験はなくその為の特別な講習を受けたわけでもなく、 (大学で日本語教諭課程の授業を幾つか受けたことがある程度です) 毎回「今日は何をやろうかな?」と考えての授業となっている。 ローマ君のママが本屋さんで見つけて買って来てくれた初級者向けの日本語のテキストは少し難しいのでそれはたまに使いつつ、あとは子供なので絵本や手書き(勿論わたしの) のひらがな・カタカナ表などを使いつつのレッスンという感じで、 様子を見つつ進めている。 でも彼の理解力、覚えの速さを考えれば、数年後にはもう普通に日本語で 喋っているかも・・!!と私の中で夢は膨らみ続けていくのでした。 (続く・・・) |
・・・おまけ(ロシアで売っている日本語の教科書)
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